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三相誘導電動機
三相誘導電動機の入力電流は何故すべりが小さくなると少なくなるのでしょうか? 電圧、機械負荷を一定とした場合です。すべりが小さくなると誘導電流は小さくなるため入力電流が小さくなるためだと理解出来ます。しかし、事実とは矛盾していますが、1次側への逆起電力(電圧)はすべりが大きいと誘導電流が大きいため高くなり入力電流は小さくなるのではと言う疑問が出てきます。後者の考えのどこに間違いがあるのでしょうか?
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- atm_phantom
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すべりが非常に小さい時を考えると、固定子の回転磁界と回転子の鉄心に発生している磁界がほぼ同期して動いていることとなります。したがって、回転している回転子の鉄心から見れば直流の磁界で励磁されているのと同じで、回転子巻線 ( かご形ならかご ) に電流は殆ど流れません。特定の固定子の磁極から見ると自分の作り出した磁束は回転子の巻線に電流が流れないので、全く打消されることがありません。変圧器でいえば二次側を( 実際には短絡していますが、電流が流れないので ) 開放して無負荷で一次側を励磁しているのと同じです。このため、遅れ力率の励磁電流しか流れません。従って、電流は小さい。 ところが、滑りが大きくなると、固定子の磁極の作る回転磁界と回転子の鉄心の回転速度の差によって、固定子は交流励磁されるので、回転子の巻線に電流が流れます。すると、特定の固定子の磁極から見ると自分の作り出した磁束は回転子の巻線に流れる電流に打消されることとなり、それを補うために変圧器の例えの一次側の固定子巻線に負荷電流が流れます。従って、電流は大きくなります。この電流は負荷トルクを駆動するための有効分電流です。二次側に接続される負荷抵抗の大きさはすべりを s としたとき ( 1 - s) / s に比例します。 因みに、回転子を拘束して誘導電動機に電圧を印可したときは、変圧器モデルでいえば、二次側を短絡して一次側を励磁した場合と同じで回転子の短絡巻線に流れる電流によって、固定子巻線の作る磁束を完全に打ち消すので、一次巻線である固定子巻線に電圧が発生できず、非常に大きな電流が流れます。 因みに機械負荷一定とは負荷トルク一定という意味ですか。? だとすれば、すべりは変化しようがありません。
お礼
回答有り難うございました。回答者様の説明は大変理解出来ます。只、私が聞きたかったのは「1次側への逆起電力(電圧)はすべりが大きいと誘導電流が大きいため逆起電圧が大きくなるので入力電流は小さくなるのではと言う疑問です。」回答者様の説明の中でローターが停止している状態は2次側がショートしたトランスと同じであるとの説明からトランスにおける逆起電圧(jωM I2)を計算してみました。その結果、逆起電圧は入力電圧に対し逆位相ではなく90度遅れの位相になることが分かりました。(2次側は抵抗負荷)従って、入力電圧と逆起電圧のベクトルの差の絶対値はむしろ入力電圧より大きくなるため1次電流も大きくなると納得しました。なお、負荷トルク一定としたのは、深い意味はありません。変動しないと言う意味です。起動トルクが負荷トルクを上まっていればローターは回転し出し停動トルクを超えて負荷トルクと釣り合ったところで定常運転になると理解しています。この状態で負荷トルクが一定であればすべりは変動しないことは承知しています。 回答者様がおっしゃっているのはこのことでしょうか。 そうであれば大変納得いたします。回答者様のおかげで永年疑問だったこと納得が出来るようになりました。 有り難うございました。