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謎のロシア特殊部隊「29155部隊」の謎とは?
- ロシア連邦軍の特殊部隊「29155部隊」とは何なのか?その部隊名の由来は?
- 「29155部隊」が亡命者を暗殺する理由とは?暗殺部隊を送るメリットとデメリットは?
- なぜ「29155部隊」は失敗が続くのか?秘密の暗殺部隊なのにミスを犯す理由は?
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1. 確かな情報はないのですが、ロシアの軍部の組織には全て数字が割り振られていて、たまたま29155なのだと言う説があります。GRUやロシア政権内では別の名前で呼ばれているかも知れませんが知るよしもありません。29155はGRU内の実戦経験豊富なエージェントを集めた精鋭部隊の様で、下記はその上位組織のGRUとロシアの情報期間全体の話です。 2. GRUによる元GRUエージェント、セルゲイ・スクリパリ氏と娘の暗殺未遂事件は、GRUのエージェント時代に、スクリパリ氏がイギリスの情報機関MI6 (ジェームズボンドでおなじみの)の情報提供者になっていたことがばれ、勾留されていたところ、イギリスとロシアの大物スパイの交換プログラムの中でイギリスへの亡命が2018年3月に、認められ、同じ年の12月に起こっているので、反逆者への見せしめもあるだろうし、内部情報の流出を少しでも止めたいと言う気持ちもあったでしょう。同じ様なことはロシアの別の情報組織FSBもやっていて、元FSBエージェントでイギリスに亡命しプーチンやFSB批判、情報提供などをしていたアレクサンドル・リトビネンコ氏がポロニウムを使って暗殺された事件が2006年に起こっています。 http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=180907 メリットは見せしめと口封じでしょうが、デメリットは、この両事件でロシアとイギリスの関係は決定的に悪くなったし、西側諸国からの批判や追求が強くなること。ただ、私の個人的な感覚では、ロシアはこれくらいの事をやると言う認識は西側諸国は持っているので、元ロシアのエージェントを暗殺したところで犯人が現行犯逮捕されない限り、知らぬ存ぜぬで押し通し、外交的なダメージも限定的なのだと思います。 リトビネンコ氏は、1999年にモスクワなど3都市で連続し300人以上が亡くなったマンション爆破事件が、当時首相だったプーチンの仕業だと言う事を暴露していましたから、生かしておいたらロシア国内でプーチン批判が大きくなっていた可能性が高いです。プーチンはマンション爆破をチェチェンの過激独立派の仕業とし、チェチェンに進攻し鎮圧し、それによって国民の指示を集めて大統領になったと言われています。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A3%E7%B6%9A%E7%88%86%E7%A0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6 そもそもこれまでにも2004年のウクライナの元大統領の暗殺未遂や、クリミアの一方的な併合、それに現在起こっている反政府の政治家のアレクセイ・ナワリヌイ氏の暗殺未遂など、同等に発達した国では起こり得ない事件は枚挙にいとまがありません。 https://www.bbc.com/japanese/video-43615601 ちなみに、民間ではロシアの情報機関の内部情報が取れるはずもないのですが、その中でも一番情報を取得しているのがベリングキャットと思います。 http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=190813 このベリングキャットのサイトを検索すると、ロシアによる暗殺・未遂事件は膨大な量に及び、犯行はGRU, FSBが拮抗している様に見えます。 https://www.bellingcat.com/?s=russia+assassination 3. 失敗と言うよりもやり方が大胆で乱暴なんだと思います。ロシアにはプーチンに近く、プーチンが所属していたKGBの後継組織と見なされているFSBと、やはりプーチンが直接指示を出せるSRV、それとソ連軍時代からの流れをくみ軍の指揮命令系統化にあるGRUが情報機関としてありますが、その中でもGRUは伝統的にアグレッシブでリスクを恐れないのだそうです。 https://themoscowproject.org/explainers/russias-three-intelligence-agencies-explained/ またFSB, SRV, GRUはそれぞれ闇の繋がりで存在が強化されている様で、政権や軍、協力する資産家、賄賂やマネーロンダリング、腐敗などを通じた国内外のネットワークで成り立っているとの事です。GRUはまたロシ-アージョージア紛争の時の失態で一時期は解体の危機にあり、その後のウクライナ問題やシリア作戦などで面目を保って失権を避けた様ですより、軍と連携して積極的な行動を取らざるを得ないところがあると思います。プーチンはそもそも西側諸国からの疑念にはほぼ全面否定で対応し、西側諸国もある程度以上調べようがないですから、多少失態があっても逮捕さえされなければ成功なんじゃないかと思います。