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女性史の入門書
これから女性史を学ぼうとする初学者にお勧めの、書籍や冊子やウェブサイト等を教えてください。 まずはざっと全体を概観したいのですが。
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ずっと気になっていましたが、私は単なる物好き程度で、アドバイスできるほどの者ではないので、回答を遠慮していました。 ただ、本だけは手当たり次第に図書館で借りて読んできたので、少しはお役に立てると思って、書いています。 ざっと全体を概観するには、次のサイトはいかがですか。 かなり読みごたえがあります。 コトバンク「女性史」 https://kotobank.jp/word/%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%8F%B2-1550060 しかし、真正面から女性史に向かうよりは、読みやすい一般書を私はお勧めしたいです。 厳選2書です。 1.『女人禁制』 吉川弘文館 http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b378755.html 私の読書メモより抜粋します。気になった個所だけ適当にメモったものなので断片的です。 以下メモの一部。 年中行事絵巻には神輿に付き添う女神子が馬上姿。洛中洛外図にはお旅所前に歩き巫女、洛中洛外図屏風には鉾に乗る女性、祇園祭の女人禁制はある時期に創られた伝統。現在では女人禁制の神事でもかっては行事の中核に女性。女相撲雄略天皇13年。酒造は女の仕事。用語の初出は中世後期の謡曲竹生島。高野山は女人禁制で、明治五年まで女は一人も入れなかったと言うが嘘。山内の宿坊の宿帳に自分でちゃんと記帳している。 2.『日本の中世4 女人、老人、子ども』 中央公論新社 https://www.hmv.co.jp/artist_%E7%B6%B2%E9%87%8E%E5%96%84%E5%BD%A6_000000000262243/item_%E5%A5%B3%E4%BA%BA%E3%80%81%E8%80%81%E4%BA%BA%E3%80%81%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%B8%AD%E4%B8%96_3065329 中世だけではなく古代、近世との比較もあります。 以下読書メモの一部。 政略結婚。戦国期戦国大名などは積極的に家臣団を形成しようと、家臣の婚姻に介入し始める。女性は物品論は誤り。気の進まない婚姻をするのは男性も同じ。女性も家を背負っていたからそうせざるを得なかった。家の存続発展こそが娘にも息子にも課された課題。そのような時代であったから婚姻は家の思惑と主君の意思、二つの条件で決定された。女の地頭。鎌倉期在地領主の家においては女子も男子と同じく所領配分にあずかり地頭となるのは当然と考えられていた。妻の立場は上層(将軍家公家上層武家)になるほど夫が妾をもつので複雑。このような時期に一夫一妻を述べた北条重時の家訓『六波羅殿御家訓』『極楽寺殿御消息』は立派。
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- nagata2017
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「第二の性」ボーヴォワール 「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」 『元始、女性は太陽であった:平塚らいてう自伝』
お礼
著名な古典の双璧ですね。 しかしこれは女性史かどうかちょっとためらいます。 まあ、一度のぞいてみても悪くはないでしょうが。
- M_Sato
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わたしは専門ではなく、また読んだ本だけでなく、書評で気になったものも含めていますが、何冊か挙げます。 ・〈女らしさ〉はどう作られたのか(小倉孝誠、法蔵館) ・女ことばと日本語(中村桃子、岩波新書) ・女学校と女学生(稲垣恭子、中公新書) ・舌を抜かれる女たち(メアリー・ビアード、晶文社) ・「『姐御(あねご)』の文化史 幕末から近代まで教科書が教えない女性史」(伊藤春菜、DU BOOKS) 参考になれば幸いです。
お礼
どれも面白そうです。 わりと新しく、多くの公立図書館にあるので、順番に読んでみます。 三冊目がAmazonのレビューでは賛否が極端。余計に興味がわいてきました。 ありがとうございました。
補足
コロナ禍で閉館だった図書館が昨日からようやく再開されました。 今日行って2冊借り、残る3冊は無いのでリクエストし、他館から融通してもらいます。 楽しみです。ありがとうございました。
お礼
コトバンク「女性史」は強烈です! この中の「日本大百科全書(ニッポニカ)」の解説だけでも、薄い文庫本一冊の分量です。 古今東西の女性史を網羅しています。日本・中国・韓国だけ読んで疲れ果てました。 インドはまだ途中で、西洋に行きつきません。少しずつ読みます。 しかしここまで読んで分かったことがあります。 ・経済力、政治的功績などで、女性の地位が高くなった時代がある。 ・それは男性史における階級の浮き沈みと同じである。金と手柄で身分が上がる! ・どの国も時代によって変遷があり、初めから低い・高いで、一貫はしていない。 ・本格的に見直されてきたのは現代になってからのほんの最近の事である。 ・腕力が物を言う時代には男の優位が強まった。(それでも女性は全く無力ではなく日に陰に影響力を持ち続けた) ・社会的労働と家事労働の二重苦に女性が苦しむのは、日本と北朝鮮だけの特異な現象である。 これらから推すに、腕力も単純な頭脳労働も不要な現代と未来は、女性の地位は上がらざるを得ない。特に庶民の総貧困化で女性労働が増加中なので、その賃金で女性の地位は上がる。感性の鋭さで成功するともっと上がる。女性に何か革命が起きていると感じます。 明日は、インドの続きから読みます。一旦はお礼を。ありがとうございました。