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三相用インバーターで単相のモーターを回す方法
- 三相用インバーターを使用して単相のモーターを回転させる方法について質問です。
- 現在、20Aの単相モーター用インバーターを作っていますが、突入電流が問題となっています。
- そこで、YouTubeで見つけたビデオに触発され、同じ実験をしてみたいのですが、結線方法や理論的な部分がわかりません。経験された方のアドバイスをお願いします。
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>三相交流の 3つのペアのうち、1ペアを取り出せば単相で使える、と言う実験をしたことがあります。 >これは電力会社から言わせれば、バランスが崩れるのでそのようなことはしてくれるな、と言うことになります。 3相入力のインバータであれば、一旦直流に変換して出力を作っているので、出力側の相バランスが崩れても、入力側の相バランスには影響しないのでそのような心配はありません。仮に入力電流の相バランスが悪くても、契約容量以内の電流であれば、高々数kW負荷に対して、電力会社は、いちいち文句を言うこともありません。 3相インバータに1相分を使って、単相モーターがうまく回っていれば、それで十分ではありませんか? 理屈を言えば、コンデンサを使ったモーターは、主巻線と分相巻線の周波数特性が大幅に異なるので、周波数の可変による回転数制御には適しません。 ただし、コンデンサ・ランのモーターであれば、コンデンサを外して2相の交流を印加すれば、3相モーターと同様に、周波数の可変による回転数制御が可能です。 2相の交流は、3相インバータの出力にスコットトランスを接続すれば得られます。
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- fujiyama32
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標準モーター(=かご型誘導電動機)をインバーターで可変速運転したい場合、 インバーターの出力電圧と出力周波数の関係を出力電圧と出力周波数を比例 (=V/f比一定制御)させる必要があります。 これはモーターを最適な状態で回転させるための条件で、低い周波数で運転 する時にはモーターに加わる電圧も周波数に比例して低い周波数にする必要 があります。 また、実験で判かるように、いきなりモーターに定格電圧を加えますと始動 電流が約6倍程度の始動電流が流れますので大容量のパワートランジスター を使用することになりますので不経済となります。 このために始動に低い周波数を加え、同時に比例した低い電圧をモーターに 加えて始動します。 始動後徐々に出力周波数と出力電圧を上昇させて希望の運転周波数で運転 させています。 このことを「加速時間」と称します。 また、停止する時にはモーターの負荷装置の慣性モーメントにより回生エネ ルギーが発生します。 この回生エネルギーにより、回路に過電圧が発生します。 これにより、パワートランジスタが破損することがありますので、 「減速時間」と称す機能により徐々に周波数を下げて停止させています。 必要により急減速させたい場合は回路に抵抗器を設けて回生エネルギーを 消費させています。 また、単相モーターにしますと分相始動型モーターですと始動して回転速度 がある程度、上昇してから遠心開閉器により分相始動用巻線を切り離す必要 があるため、巻線からサージ電圧が発生します。 これにより、パワートランジスターなどの半導体回路が故障しますので、 分相始動型モーターはインバータ-運転には不向きです。 また。単相モーターにはコンデンサーラン型モーターがありますが、前述の 通り始動時には低い周波数で起動しますが、コンデンサーの特性から低い 周波数ではコンデンサーのインピーダンスが低い値となるため、大きな電流 が流れるため、パワートランジスターなどの容量を大きくする必要があり、 不経済となります。 これらことから単相モーターではなく、小型の3相モーターを使用すること をお勧めします。 また、入力電圧を単相AC100V または 単相AC200Vとし、出力は3相の ~AC200Vとしたインバーターをインバーターメーカーが製作販売されてい ますので、これらのインバータと3相AC200Vの小型かご型誘導電動機を購入 して運転すると良いでしょう。 なお、勉強のために実験している場合は単相入力型のメーカー製インバータ を購入し、これを手本として実験機を製作すると良いでしょう。 また、モーターは単相モーターでは無く、3相モーターにします。 単相モーターより3相モーターの方が圧倒的に多く生産されていて入手も容易 です。これにより価格もより経済的になるでしょう。 インバーターについては下のURLをクリックして参考にすると良いでしょう。 「低圧インバーター/FRENIC-Mini/富士電機(例)」 https://www.fujielectric.co.jp/products/inverter/frenic-mini/ 「低圧インバーター/形式一覧/富士電機(例)」 https://www.fujielectric.co.jp/products/inverter/frenic-mini/specification/ インバーターメーカーではインバーターの技術セミナー(東京、名古屋、大阪) が開催されています。 必要により申し込んで受講して知識向上と、合わせて疑問を質問すると良い でしょう。 「低圧インバーター/技術セミナー/富士電機(例)」 https://www.fujielectric.co.jp/about/corporate/event/seminar/index.html 「低圧インバーター/技術セミナー/スケジュール/富士電機(例)」 https://fujiseminar.leaf-hrm.jp/open_seminars/index/page:1/sort:Classroom.classroom_name/direction:asc
補足
お世話になります。懇切に理論的な側面を解説頂き、ありがとうございます。 追加質問させてください。 質問1 >なお、勉強のために実験している場合は単相入力型のメーカー製インバータを購入し、これを手本として実験機を製作すると良いでしょう。また、モーターは単相モーターでは無く、3相モーターにします。 ↑こちらの「モーターは単相モーターでは無く、3相モーターに」と言う件でお伺いいたします。 これは私の実験のように、単相モーターインバータにおいてそうなのですか? それとも、単相モーターインバータは不経済だからあきらめて、三相インバータを実験せよ、という示唆ですか? 質問2 質問の主題であるところの、前記ビデオの内容についてはいかがなご意見でしょうか?
お礼
ohkawa3さん 二相交流のこと、三相インバーターとスコット結線変圧器との組み合わせで二相電力を作ること、それからその二相交流で一部のCapacitor Runモーターを廻せること、ご案内頂きありがとうございました。早速調べたら歴史の有る技術だったと分かりました。 またこのことで質問させてもらいますので、よろしくお願いします。
補足
お世話になります。回答ありがとうございます。 >理屈を言えば、コンデンサを使ったモーターは、主巻線と分相巻線の周波数特性が大幅に異なるので、周波数の可変による回転数制御には適しません。 ↑につきまして、下記2項の注釈に記した種類もあります。実際私の手元にそれがあります。 具体的数値を申しますと、 第一コイルは、29.32Ω、19.06mH、1328.2nF(寄生容量とみなして)、 第二コイルは、29.80Ω、19.89mH、1273.8nF(寄生容量とみなして)となっています。 ///// コンデンサモーターには次の3種類あると認識しています。 1:コンデンサ始動(Capacitor Start Motor) コイルが二つあり、その一方にコンデンサが接続していて、この一方のコンデンサが始動後安定運転に入ると遠心スイッチで切断されるもの。 2:コンデンサ運転(Capacitor Run Motor, or Permanent Split Capacitor Motor) コイルが二つあり、その一方にコンデンサが接続しているもの。 注釈 この種類は通常は主コイルと、副コイル+コンデンサとの構成になっていて、主コイルと副コイルは巻き方が異なる。 一方、単相リバーシブルモーターのように絶対に意図する回転方向と異なる回転をしてはならないモーターにおいては、主コイルと副コイルをほとんど同じ巻き方にしてあるものも存在する(一例:松下電器のVpower VBP-DBC)。 3:コンデンサ始動コンデンサ運転(Capacitor Start Capacitor Run Motor) コイルが二つあり、これら双方にコンデンサが接続していて、この一方のコンデンサが始動後安定運転に入ると遠心スイッチで切断されるもの。 ///////////////////// この引用したYoutubeを再び詳しく見たら、コメントに私同様にモーターの種類について関心を持っている人が居ました。 しかし投稿者自身もこの点については詳しくは知らない、と回答しつつ、 「遠心スイッチが切れる音がしないから、それは付いていないのだろうと思う。」とも答えています。 そうすると、このビデオで使用している両頭グラインダのモーターは、作業台の下にコンデンサを持っているのかもしれない、という推定も可能です。