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内部留保での投資による成長について
以下の、2)の場合は、一応、1)と同様に、企業価値、株価、配当など、増加し、一定割合で成長すると考えられますでしょうか? また以下の内容自体に間違いがあれば、教えていただけるとありがたいです。 ----- 期待収益率=r ROE 新規投資案件の利益率 配当性向は一定 1)ROEが一定、配当性向一定の場合、(元のROE=新規投資利益率>r ) 内部留保を毎期、投資にまわしたら(従来のROEと同じ収益率の投資先が存在するということかと思いますが)、 (1-配当性向)×ROEの割合で成長する(株価、配当、など) →企業価値は一定の割合で「成長」する 2)(元のROE>新規投資利益率>r ) 内部留保の一部を毎期投資に回すが、投資先が、従来のROEより少ない場合、しかしrよりは高い場合 →企業価値は、一応上昇する?? (ROE自体は、元の数値からは、加重平均して、低下すると考えられる) 3)(元のROE>新規投資利益率=r ) 内部留保の一部を投資に回すが、投資先の利益率が、rと同じ場合、 →企業価値は変化なし 4)(元のROE>r>新規投資利益率 ) r>期待収益率 の投資案件に投資すれば、企業価値が低下するのでやらない
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- QCD2001
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私が持っている初版とは、章立ての構成が随分と違うようですね。 たぶん、いろいろな異なった理論をごちゃ混ぜにしてしまっているのではないでしょうか? 期待収益率と言うのは、投資家が「このくらい儲かってくれるといいなあ」という願望です。投資家が期待したからと言って、その企業が伸びるとは限らないわけですから、期待収益率と企業価値との間には何の関係もありません。 ROEは株主資本に対する利益の「割合」です。企業価値は、その企業から将来にわたって得られるキャッシュフローの「金額」の現在価値の総和ですが、これの計算式の中には株主資本は入っていません。従って株主資本に対する利益の割合も企業価値には影響しません。純資本が100万円でも、1兆円でも毎期得られるキャッシュフローが100万円であるなら、企業価値は同じになります。 1)について >内部留保を毎期、投資にまわしたら(従来のROEと同じ収益率の投資先が存在するということかと思いますが)、 これまで設備投資を行ってこなかったけれども、今期から新規事業に設備投資を継続的に行うことにし、その新規事業の収益率が設備投資を行っていない従来の事業の収益率と同じであったとしたら。 という意味でしょうか? この場合、毎期の経常利益は成長するでしょうから、株主が配当として得るキャッシュフローも成長し、その現在価値も成長するでしょう。 毎期得られるキャッシュフローの現在価値を、未来永劫にわたって得られるとして総和を計算したものが企業価値ですから、当該設備投資を行うことで、企業価値は行わない場合よりも大きくなります。この企業価値は、将来にわたって得られるキャッシュフローを現在の金額に割り引いて合計したものですから、この設備投資を行う場合と行わない場合の比較は意味がありますが、来年の企業価値との比較は意味がありません。なぜなら、来年までの1年間にキャッシュフローが得られなかった場合、来年の企業価値を現在価値に割り引いた金額が今年の企業価値です。当然金額だけを見れば来年の方が大きくなっていますが、今年の100万円と来年の100万円とでは価値が違うので、比較するためには来年の企業価値を現在の価値に割り引かなければなりません。 つまり、来年の企業価値を割り引いて計算した今年の企業価値と、比較するために来年の企業価値を割り引いた、来年の企業価値の現在価値は当然等しくなってしまうからです。 さらに、来年の企業価値には、今日から1年間の間に得られるキャッシュフローは含まれていませんから、これを含む今日の企業価値の方が来年の企業価値よりも必ず大きくなります。 2)について >内部留保の一部を毎期投資に回すが つまり、これまで設備投資を行わずに内部留保を現金として保有していたものを、今期以降は設備投資を行い、その事業から得られるキャッシュフローがなにがしか増加することになるわけですね。 企業価値は将来にわたって得られるキャッシュフローの現在価値の総和ですから、将来得られるキャッシュフローがわずかでも増加すれば企業価値は、投資を行わない場合より当然に大きくなります。 このとき、企業価値は将来のキャッシュフローを計算に入れていますから、来年の時点で企業価値を計算するときに考慮する来年以降のキャッシュフローは当然計算に入っています。従って企業価値が年々増加するということはあり得ません。 3)について >内部留保の一部を投資に回すが、 やはり、これまで設備投資を行わずに内部留保を現金として保有していたものを、今期以降は設備投資を行い、その事業から得られるキャッシュフローがなにがしか増加することになるわけですね。 投資先の利益率がどのくらいであろうとも得られるキャッシュフローが増えるわけですから、キャッシュフローの現在価値の総和である企業価値は、投資を行わない場合より当然に大きくなります。 4)について 同様に、これまで設備投資を行わずに現金で保有していて、銀行の利子以上には増えなかった現金を、設備投資に回すことで銀行利子以上に増やすことができるのですから、毎期に得られるキャッシュフローは増加し、当然に企業価値は投資をしない場合より大きくなります。 たぶん、企業価値の理論と、株を売買する価格の理論がごっちゃになっているのではないでしょうか?
- QCD2001
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安心しました。 時々勘違いされている方がいるので。 さて次は企業価値についてです。 企業価値とはその企業を売買する時の販売価格です。この計算方法はいろいろありますが、財務会計の立場では、その企業から得られるキャッシュフローを基に計算する方法を指します。一般的には、毎期に得られるキャッシュフローの「現在価値」の総和を企業価値とします。 では、「現在価値」とは何か? 100万円もらったらうれしいですよね。 では1年後に100万円もらえるとしたら、今日すぐに100万円もらうのとどちらの方が、よりうれしいですか? 1年後に100万円もらうよりも、今日100万円もらうほうがうれしいですよね。つまり、1年後の100万円と今日の100万円とでは、同じ100万円でも価値が違うということです。 今日100万円もらうと、これを使って1年後には110万円に増やすことができるかもしれません。でも1年後に100万円もらったら、1年後には100万円のままです。ですから、1年後の100万円よりも今日の100万円の方が価値が大きいわけです。 もちろん、今日もらった100万円を運用するのに失敗して、1年後にはすってんてんになっている可能性もあります。そこで、減ってしまう可能性がほぼない国債を買うことにします。計算を簡単にするために、利率が1%とします。すると、今日の100万円は1年後には101万円になっています。1年後に100万円もらうとしたら、1年後は100万円のままですから、今日もらう100万円の方が1年後にもらう100万円よりも1万円だけ価値が多いわけです。 では、1年後にもらう100万円は、今日もらったとしたらいくらに相当するのでしょう? これは 100万円×(1/(1+0.01)) =990,099 ですから99万と99円です。 つまり、1年後にもらう100万円は、今日もらう990,099円と同じ価値しかない、と考えるわけです。 このとき、 割引率1%で割り引いた100万円の現在価値は990,099円である。 と言います。 これが現在価値とかDCFとかいった考え方です。 ある企業が毎年CF円の配当を出すとします。毎年ですから、10年後も100年後も1000年後も、未来永劫にわたって毎年CF円の配当を出すとします。割引率をrとすると、1年後にもらえる配当金の今日の時点での値打ち、つまり現在価値は、現在価値をPV1とすると PV1=CF/(1+r) です。2年後にもらえる配当金の今日の時点での現在価値PV2は PV2=CF/(1+r)^2 になります。 ここで ^2 は2乗を表すことにします。 3年後にもらえる配当金の現在価値PV3は PV3=CF/(1+r)^3 になります。 未来永劫にわたってもらえる配当金の現在価値の総和をPVとすると PV=CF/(1+r)+CF/(1+r)^2+CF/(1+r)^3+・・・CF/CF/(1+r)^n・・・ 式A となります。 式Aの両辺に 1+r をかけると PV(1+r)=CF+CF/(1+r)+CF/(1+r)^2+CF/(1+r)^3+・・・CF/CF/(1+r)^n・・・ =CF(1+1/(1+r)+1/(1+r)^2+1/(1+r)^3+・・・1/(1+r)^n・・・) 式B ここで、式Bから式Aを引くと PV×r=CF になりますから PV=CF/r となります。 これが企業から得られる配当金の現在価値の総和になります。 これが企業価値と呼ばれています。 毎年100万円の配当が未来永劫にわたった得られる企業の企業価値は、割引率を1%とすれば 企業価値=100万円÷1% =1億円 になります。 ここで注意していただきたいのですが、 企業価値と言うのは、その企業から将来得られるキャッシュフローの現在価値ですから、その企業の業績が将来伸びることがわかると、今日の時点での売買価格である企業価値は当然高くなります。 来年業績があがるとわかれば、それを織り込んだ価格が今日の時点での価格になります。 ですから、「企業価値が年々成長する」などと言うことはありえません。 企業が新しい事業の投資して、その事業からキャッシュフローが得られることが確実になると、その時点で企業価値が増加します。 来期以降に増加するのではありません。
お礼
ありがとうございます。 企業価値が徐々に上昇するという考えに対し、私も上記の考えがありましたので、根本的な違和感は感じています。 再度よく見直してみます。 (一応、このテーマは、ビジネスゼミナール経営財務入門 第四版 井手・高橋著 日本経済新聞出版社 P158-163あたりにある話です。)
- QCD2001
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質問内容がわかりにくい上、誤解があるように思えます。 内容の確認をします。 まず、「内部留保」についてですが、新聞や雑誌などでしばしば「内部留保金」と書かれる事があるため、内部に持っている現金であると勘違いしている人がしばしば見受けられます。しかし、内部留保「金」というのは持っている現金ではなく、貸借対照表上に記載される「資金源」です。 1,000万円を元手にA社を起業しました。 設備に500万円使い、商品を400万円仕入れました。 この時点で手持ちの現金は100万円です。しかし、設備投資の500万円と商品の400万円に手持ちの現金100万円の合計1,000万円を資本金と呼ぶわけですよね。これは理解していますね。 A社は商品を売っては仕入、売っては仕入れを繰り返して順調に利益が増え、昨年1年間で1,000万円の利益が出ました。 ただし、儲かってきたので、昨年中に700万円の設備投資を行い、さらに商品の仕入も300万円増やしました。ですから、今手元にあるのは、現金が100万円と、設備が500万円の設備に700万円の設備、商品が700万円分です。 このとき、増加した設備の代金(支払い済み)と増加した商品300万円(支払い済み)の合計1,000万円のお金の出所を内部留保「金」と呼ぶわけですよね。これっも理解していますか? 手持ちの現金は100万円しかありません。 700万円の設備投資と300万円の商品投資の合計1,000万円の資金源を内部留保「金」と呼ぶのであって、資本金から来た手持ちの100万円の現金を内部留保金と呼ぶわけではありません。 1)内部留保を毎期、投資にまわしたら 内部留保と言うのは、利益のうち配当などによって企業の外へ出さずに、設備投資などの形で内部にとどめてある資産を指しますから、「投資にまわしたら」というのは、設備投資にまわさずに、他の企業たとえばB社の株式等への投資にまわす、と言う意味でしょうか? この場合、B社のROEはそのままA社のB社に対する株式投資への配当金にはなりません。 B社のROE×B社の配当性向>A社のROE であるなら、A社は自社の設備投資に使うよりも得をしたことになります。ここまではよろしいでしょうか?
お礼
お付き合いいただき、ありがとうございます。 大丈夫です。 当期利益のうち、配当しなかったものは、全て内部留保になったと心得ております。 上記、投資言うのは、全て設備投資として考えていました。確かに株式投資など、外部への投資もあり得ますが、同じことかと思いますので、設備投資で考えてよいかと思います。 内部留保のうち、設備投資しなかった分は、単に現金で持っていると考えています。 とにかく基礎的な間違いがあるはずだと思いますので、その間違いを発見するところまで、お付き合いいただけるとありがたいです。
お礼
お付き合いいただき、本当にありがとうございます。 割引の概念は理解しているつもりですし、1年レベルで見ると、配当をしたら一旦企業価値が減るのも承知しています。 個々のご説明も、それだけとれば分かるつもりではあります。 しかしおそらく完全ではないのだと思います。 テキストの場所については、 一応、章立ては違うのかもしれませんが、 第二部 経営財務の基礎概念と基礎理論 第六章 株式の価値はどう決まる 2一定成長割引配当も出ると株価収益率 2.3成長機会の現在価値 の部分です。説明でも触れていただいていますが、PVGOとかの話から後のところです。 その部分が分かりにくいので、自分なりに整理して書いたのが質問内容になります。 ----------------- 1)について >内部留保を毎期、投資にまわしたら(従来のROEと同じ収益率の投資先が存在するということかと思いますが)、 これまで設備投資を行ってこなかったけれども、今期から新規事業に設備投資を継続的に行うことにし、その新規事業の収益率が設備投資を行っていない従来の事業の収益率と同じであったとしたら。 という意味でしょうか? →はい、そうです。 ----- あと 利益→配当+内部留保 で、これまではすべて配当していた。 これからは、一定割合を内部留保とする。 で、「内部留保の一部を・・」と質問でかいていますが(これも不十分な理解のために、そう書いたと思うのですが)、「内部留保の全額を」とすべきでした。 企業価値と関係してくる株価の話と、 ROEの話(Eは簿価でしょうから)との、何らかの混同もあると思います。 いずれにせよ、もう少し前に戻って、理解しながら再勉強しようと思います。 諸々ありがとうございます。
補足
今テキスト読み直していますが、ご指摘のように、株価(PERなど)と簿価(ROE)の区別を明確にしていくことで、分かってきそうな感じがしています。ありがとうございます。