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グランドパッキン使用の軸の耐摩耗性向上について
- グランドパッキンを使用する軸(φ200~220)の耐摩耗性向上のための処理方法を模索中です。
- 現在の硬質クロムメッキの費用対効果が思ったほど得られず、別の方法を検討しています。
- 軸の耐摩耗性を向上させるための対策として、超硬質クロムメッキや焼き入れなどの処理方法がありますが、費用対効果が高い方法を知りたいです。
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大型設備、グランドバッキンともに専門外ですが、多少摩耗に関心があるため、回答(8)に触発されて投稿します。 各種耐摩耗硬質コーティングの性能に下地の硬さが大きく影響を受けることは、疑問の余地はないと思います。しかしそれは摩耗条件の一つである負荷荷重が高い場合。グランドパッキンは組み紐みたいな物で、そんなに荷重が高いとは思えない(金属同士接触に比べて)。 むしろ気になるのは構造。重量長尺品の軸の最も端でプランマブロックで保持して回転しており、回転曲げ疲労試験状態のようになっているのではないのか。だとすると、軸部は繰返し弾性変形をしていることになる。すると下地の鉄に比べて高弾性率、低延性のCrメッキ層には早期に亀裂が発生しているのではないか。これが早期損耗の原因ということはないでしょうか。 だとすると、鉄に近い弾性率と延性を持つ耐摩耗コーティングが有効という事になる。 まず、早期摩耗原因を明確にするべきと思いますが、いかがでしょうか。 めっき層に亀裂が発生すると、一部が剥離欠落して凸凹になるとともに、剥離しためっき片も摩耗に加担することで、早期損耗すると考えました。 この仮説は「パッキンと硬質Crめっき」の組み合わせで想定される寿命よりも、著しく短寿命の場合の想定原因の一つなので、想定通りの寿命ならば考える必要はないと思います。 撓みではよく判りませんが、軸表面の軸方向の局部変形量が、最大で0.02%以下ならば(0.2%耐力の1/10として)考える必要はなく、0.1%以上ならば大いにあり得ると思います。 使用後のめっき面を見て、均一に摩耗しているなら問題ないものの、剥離、まだら状摩耗、周方向の太い傷があるようならば、剥離が起きている可能性があるのではないでしょうか。
しんたん焼き入れが良いように思いますが、両端無垢部だけとなるとコスト高になるでしょうね。 ついでにコスト高ですが、自溶合金溶射も良いと思います。(セラミック溶射は熱伝導性が悪いのでお勧めしません。) あまりコスト増にならないものであれば、超硬質クロムメッキというものもあるようです。 http://www.chiyoda-trade.co.jp/products/koukinou_mekki_kuromu.html
お礼
ご教示ありがとうございます。 やはり無垢材そのものに熱処理を施してから、メッキ等を行った方が良いのでしょうか? >あまりコスト増にならないものであれば、超硬質クロムメッキというものもあ >るようです。 前の回答でもお勧めされましたが、コストがさほど変わらなければ検討の余地があるかも知れません。
ん~と、丁寧に読んだつもりですが、ちょっと分からなくて・・。 硬質クロムメッキの下地は、どうしています? 生材に硬質クロムメッキですか? それとも焼入れてからですか? 生地が軟らかいと、 砂地の上にアスファルトを敷いても水溜まりの凹みが出来るのと同じで、 摩耗みたいになってしまうのを経験しています。 生地を硬くしっかりさせて、研磨しておき、 その上に硬質クロムメッキではどうでしょう? (エンジンの軸受け面では、そんなのが多いですよ。) それから、当たり面が両端の無垢材部分なのですから、 クロムメッキしたカラーを入れ替える方法は駄目ですか? 軽く圧入し、プーラで引抜ける設計にするのは、どうでしょう? > ご指摘の通り、S25Cの生地に硬質クロムメッキです。 う~ん、やっぱりね。 回答(9)の方への返答で、質問者さんも言及されていますが、 生材へのメッキでは駄目ですね。下地がヘタってしまうのです。 > S25Cに焼き入れできるのか 焼入れ品として使う様な、充分な硬度が出なくても、 ヘタリ防止用には効果がある筈。生材よりはずっと良いと思います。 問題は溶接ですけれど、 熱影響部が最小になる様に充分注意すればいけそうでは? S25Cなら、何とか焼きが入るし、溶接も出来る丁度良い材料かも。 もっと高炭素材なら、高周波にしたいところだけれど、デカいしなぁ・・。 > 軸シール部の外側にベアリングがあるため、 プランマブロックですよね? 何とかならないかなぁ。 やっぱり、二つ割りカラーか、 何とかして円筒カラーを入れ替えられる構造にするか、工夫出来ません? 設計変更が伴いますが、そこは避けられないでしょう。 デカいのが難点ですが、何とか現状より硬くする方向で・・。 頑張って下さい。 色々と書かれているので、私見を述べます。 回答(3) > 母材の硬さは、本件、パッキンが圧を遮断する > ほんの軽い応力なので関係しませんよ。 及び、 回答(9) > グランドパッキンは組み紐みたいな物で、 > そんなに荷重が高いとは思えない(金属同士接触に比べて)。 そう思っていた時代が私にもありましたよ。 ゴムのオイルシールのリップくらいじゃ、摩耗する訳無いじゃん! ・・それが大間違い。 エンジンみたいに高速回転する訳じゃ無いだろうから、 一概に同じとは決めつけませんがね。 現に、本件ではグランドパッキンで摩耗現象が出ている事ですし。 回答(5)への返答で、 > 通常よりも締め付けが強い状況である事も > 摩耗が進む要因になっていると考えております。 こういう記述があるので、疑いを持っている訳です。
お礼
御指導ありがとうございます。 ご指摘の通り、S25Cの生地に硬質クロムメッキです。 >生地が軟らかいと、砂地の上にアスファルトを敷いても水溜まりの凹みが出来 >るのと同じで、摩耗みたいになってしまうのを経験しています。 このような事例を私自身も見ており、単純な摩耗ではないのかとは薄々思っておりましたが・・・。 しかし、S25Cに焼き入れできるのか、焼き入れできたとしてそれを熔接できるのかがいまいち把握できておりません。 このあたりは如何でしょうか? >クロムメッキしたカラーを入れ替える方法は駄目ですか? >軽く圧入し、プーラで引抜ける設計にするのは、どうでしょう? カラーについては、前の御礼にも記載しましたが、軸シール部の外側にベアリングがあるため、分割のものでないと作業が非常に困難になり、分割ではシール性がどうなのかが不明な状況で、一長一短な感じです。
寸法的な制約があるだろうから何とも言えないのだが・・・ 形あるものは何時か無くなる。従って摩耗部品と考え如何に交換修理を容易に することが出来るかがコストパフォーマンスに重要な部分を占めると思われる 出来るのであれば、例えば二つ割のHardクロムメッキ・スリーブを付けられる ように設計変更することが出来るのであれば、劇的に変わるだろう思われる。 まぁ思い付きなので聞き流して頂きたいが、はなから諦めては何もできないし それにしてもデカいが、両端の軸はフランジボルト止めなんでしょうかね? >それにしてもデカいが、両端の軸はフランジボルト止めなんでしょうかね? この質問への回答が無いようだが、製品としては8000L全長の一体形のものか、 或いは両端の軸がフランジボルト止めで取外し可能なものなのか知りたかった しかし、恐らくS25Cの軸であるから鋼管に溶接する一体形であろうと推察する >前述の通り真空のシールとしてグランドパッキンを使用 申し訳ないが回答(1)の追記に記載してあったのですねぇ。見てませんでした。 真空のシールか・・・減圧式乾燥機じゃないですよね?使用温度によっては、 O/SやO/Lも使えるのに、敢えてグランドにする設計意図が見えん。軸の偏心が 生じるのか?であれば一体形で機械加工していないのだろうか・・・ ↓「シャフト部のシール」で紹介した”スピーディ・スリーブ”は使えんか? φ200迄は在庫品だが特注で製作できそうにも思えます。つまり、O/SやO/Lを 使えれば、スリーブを消耗部品として扱えるからコスト削減に繋がるだろうし VEとしても価値があろうかと思われます。 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=201276&event=QE0004 それにしても何故減圧するのか・・・それにどれ位の真空度かも解らないっと いうか設計仕様が明確には記載されていないようなので何とも後手々になる。 ここらを整理してシールメーカにも相談してみてはおられるとは思うが如何? 一体形ではあっても、両端軸を各々機械加工したものを溶接するとなれば偏心 からグランドを使うということが読める。となれば、シール部分の軸精度から 現状のような使用方法はかえられないとするならば・・・ a) 軸そのものをステライト肉盛?のような硬くて深い硬化層を作りこむ b) グランドの締付け強さをバネ等を使い一定に保つ、或いは冷却と潤滑を兼ね グランド・シール部分に耐摩耗の対策を何らかの有効な手段を講じる c) 軸の偏心量により先のO/SやO/L+スピーディ・スリーブを併用してみる 今のところ、これくらいしか思いついきませんが、費用対効果で判断する必要 があるだろうが、個人的には試験を兼ね b),c) は直ぐにもできそうな気がする 減圧式乾燥機・・・競合になる知れないし弊社の不利益に繋がる恐れもあり, 大変申し訳無いのですが,これ以上の回答を控えさせて頂こうと思います。 ローマは一日にして成らず。貴殿の熱意があれば必ず解決できると信じます。 すみません。。。
お礼
ご回答ありがとうございます。 おっしゃるようにスリーブ付きにすれば、スリーブを消耗品として扱うことが出来るので、メンテナンス性は向上するものと思うのですが、前述の通り真空のシールとしてグランドパッキンを使用しており、半割にした場合のシール性がどうなのか?が設計側でも把握出来ていないため、このような無垢材での使用に落ち着いているようです。 ちなみに、現物は5~7立米程度の横円筒型攪拌装置のようなものをご想像頂ければわかりやすいかと思います。 軸の支持は、プランマブロックを使用しております。 度々の御指導ありがとうございます。 >それにしてもデカいが、両端の軸はフランジボルト止めなんでしょうかね? すみません。ご質問の意図を読み違えておりました。 無垢材軸端部と中間パイプ部は差込熔接にて接合となっております。 >真空のシールか・・・減圧式乾燥機じゃないですよね? まさしくおっしゃるとおり、減圧乾燥機です。 >使用温度によっては、O/SやO/Lも使えるのに、敢えてグランドにする設計意図 >が見えん。軸の偏心が生じるのか?であれば一体形で機械加工していないのだ >ろうか・・・ これについては、次の追記でご指摘の通り、 >一体形ではあっても、両端軸を各々機械加工したものを溶接するとなれば偏 >心からグランドを使うということが読める。 という事が理由で、若干の偏芯が生じるためです。 >それにしても何故減圧するのか・・・それにどれ位の真空度かも解らないっ >というか設計仕様が明確には記載されていないようなので何とも後手々にな >る。 すみません、条件をある程度は提示していたつもりだったのですが、結果的に後出しになってしまいました。申し訳ありません。 後出しついでに真空圧ですが、概ね-80kPaG程度となっております。 また、オイルシール等のリング型のシールですが、軸シール部の外側にシャフト支持のプランマブロック(ベアリング)があるため、メンテナンス性を考慮するとグランドパッキンの方が安易に整備・交換が出来るという面もある状況です。 つまり、リング形状のものを脱着するためにはシャフトの支持ベアリングを一旦取り外さなければならず、作業工数が増えてしまうという状況なのです。 グランドパッキンの潤滑ですが、耐熱グリースを使用しております。 耐熱グリースの選定理由ですが、乾燥機という事でシャフトにも熱源を通しており、シャフト自体も130~140℃程度まで加熱されます。 a)のステライト肉盛についてちょっと見てみましたが、予熱が必要とのことで既設の装置には難しそうですが、新造の際には有効かも知れません。 また、b)のバネを使用する方法ですが、グランド押さえの締め付けボルトにバネを入れて試したことがあり、結果としては締め付け圧の管理には有効ではあるものの耐摩耗に関してはまた別の対策が必要な状況でした。
下記(5)さん記載の如くグランドパッキンの選定も必要です。 グランドパッキンは交換が前提です。 軸まで交換しては話になりません。 選定の際PKG使用の繊維=糸(テフロン、ケブラー、ガラス)、潤滑剤、テフロン、黒鉛、油含浸、ワックス等々あります。
お礼
ご指摘ありがとうございます。 確かに交換が前提である事は承知しており、納入顧客にもその旨説明はしているのですが、いかんせん、客先の予算の都合もありますので、定期的に交換出来ている状況とは言いがたいです。 また、パッキン材質については先のまめつぼ様への御礼にも記載しましたが、3通りほど試しており、今は3番目のもので様子見の状況です。
勝手な想像で申し訳ないですが、過度にグランドパッキンを締め上げ、磨耗に繋がってしまっている可能性もあるのではと思いました。 軸受けの過度な磨耗と言うことは潤滑不足であるともいえるので、ここは表面処理とは別に、グランドパッキンの選定・使用方法・軸受けの見直しも検討されてはいかがですか。 まずはメーカーへ技術相談するのが早いと思います。
お礼
ご指摘ありがとうございます。 パッキンについてですが、これまで PTFE+黒鉛系:漏洩に対しては効果が高いが、消耗が早い上に高価 アラミド繊維+PTFE含浸:消耗は少ないものの漏洩しやすく軸への攻撃性が高い、安価 PTFE+黒鉛+アラミド補強:現状はこれを使用中で、上記2点の良いとこ取りで価格は中間くらい 以上のような変遷で見直している状況です。 また、潤滑についてはおっしゃるように、不足すると顕著に摩耗が進行することは納入顧客に対しても説明しているのですが、取扱や稼働率の相違により摩耗が進む場合があるのが現状です。 使用方法については、漏洩をほとんど許容しない真空用途で使用しているのもあり、通常よりも締め付けが強い状況である事も摩耗が進む要因になっていると考えております。
現状よりコストはかかるかも知れませんが セラミック溶射なんかどうでしょうか?
お礼
ご教示ありがとうございます。 コストアップとなると、なかなか難しい状況です。 折角ご教示頂きましたのに申し訳ありません。
(1)再 超硬質クロームメッキ http://www.chiyoda-trade.co.jp/products/koukinou_mekki_kuromu.html この業者はサイズがどこまでなのか・・・やることは普通と変わらないと思いますが ここにある[硬質クローム+テフロンメッキ ]も効果あるかもしれません。 母材の硬さは、本件、パッキンが圧を遮断するほんの軽い応力なので関係しませんよ。 高応力で母材が軟い場合は硬質クロムが浮くような状態になるため影響大。金型では母材が焼入ダイス鋼で硬質クロムする場合あるが割れが心配なほどの高応力状態。 摩耗と耐熱性については(1)に書いた通りで硬質クロムで不足無。 議論百出で収束がつかなくなった気配。。。 剥離は無いでしょ。起きたかどうかは観察すればわかります。
お礼
度々のご教示ありがとうございます。 HPを拝見しましたところ、サイズ的には可能なようですね。 ただ、コスト的にどのくらいアップするのか・・・。 ちょっと問い合わせてみます。
瞬間的に、窒化処理を思い浮かべました。 しかし、過去ログの通り、硬度は硬質クロムメッキと大差なし、 摺動特性は硬質クロムメッキの方が優れているようですね。 窒化処理してから硬質クロムめっきを施したら、母材硬度アップ により耐摩耗性が上がるか? 専門メーカにご相談した方が良さそうです。 http://www.sanwa-p.co.jp/faq/detail296.php
お礼
ご教示ありがとうございます。 窒化処理単独ではさほど変わらない上に、摺動特性は硬質クロムの方が上。 また、追記の方法ですと確かに求める性能は満足出来るかも知れませんが、コストが増加する・・・。 こうなると、硬質クロムの方のままがいいのかも知れませんね。
問題はサイズと重量。硬質クロムでもかなり制約されてるのでは。 硬質クロムを上回るコーティング膜はあれど、よりサイズが厳しい真空チャンバーを使う。 http://www.nanotec-jp.com/coating/service/pvd/crn.html 処理必要部をスリーブに分けれるなら可能性はあると思います。 硬さの勝負となって焼入れより硬質クロムの勝。耐熱性が優れたなら摩耗具合は違ってくるが、たいした差ではないはず。 コストでも焼入れより硬質クロムが勝つでしょう。コーティングは話にもならないほど。
お礼
ご教示ありがとうございます。 シャフトは製缶もの(両端が無垢材で中間は鋼管です)のため、表面処理の際には分割した状態も可能です。 ただし、その場合でも1450~1700L程度、最大径でφ450~500程度、重量で600~800kg程度のものになりそうです。 硬質クロムよりも安価で、耐摩耗性が同程度であれば検討の余地があるとは思っているのですが、メッキと焼き入れ等の表面処理ではどちらが耐摩耗性に優れているのでしょうか? 再度のご教示ありがとうございます。 やはりコスト・硬度ともに硬質クロムの方に分があるわけですか。 現状維持が一番無難なのかも知れませんね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 御礼が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。 ご指摘の、 >撓みではよく判りませんが、軸表面の軸方向の局部変形量が、最大で0.02%以下 >ならば(0.2%耐力の1/10として)考える必要はなく、0.1%以上ならば大いにあり >得ると思います。 の部分について、大まかな計算では0.00005%の変形量となりました。 また、これまでの経験事例からすると、剥離などは見られるもののイレギュラー的にパッキン押さえやランタンリングなどが接触したために剥離した様な、カエリ傷があるものは確認したことがある程度で、 >剥離、まだら状摩耗、周方向の太い傷があるようならば、・・・ このような事例は経験がありません。
補足
ご回答ありがとうございます。 確かに、両端支持梁で撓みが発生している可能性もありますね。 >すると下地の鉄に比べて高弾性率、低延性のCrメッキ層には早期に亀裂が発生 >しているのではないか。これが早期損耗の原因ということはないでしょうか。 微細なクラックからの剥離摩耗という事でしょうか? ざっくりとした計算ですが、当該グランド部での撓みは概ね0.5mm程度になりました。 この程度の撓みでもクラックは見られるものでしょうか?