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軸/穴のはめあい公差について(穴にOリング溝を設ける場合)
- 軸/穴のはめあい公差について(穴にOリング溝を設ける場合)について回答します。
- 軸(PVC)/穴(SS材) φ20のはめあい時に穴側にOリング溝を設けています。
- JIS B2401-2により、Oリング取付時の穴/軸の寸法許容差が決められています。止水目的なので適切な公差が必要です。
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回答;; JIS B2401-2 を図書館でコピーしてきました。 解説書は未読です。(ハンドブックのため、以下Pはハンドブックの値)。 小生は、設計では、O-リング溝はCADにパターンが登録されていましたので、ほとんど計算しませんでした。 すでに御質問者は、解決なされたとのことですが、今回、ご質問により計算してみました。ご参考になれば幸いです。 サイズP20については、御自身で計算してください。JISの矛盾(規格では参考としていますが)と計算事例を示したつもりです。占有率;Fについては、後述です。 Fmax=π/4*d2*max^2/(tmin*bxmin)=(0.64~0.74) ;A.4.9 【P935】 穴側に溝を加工することは、格段に困難です。上級者ならIT8、9は可能 あくまでご参考です。一切免責とさせていただきます。 本件に対する御質問者以外の閲覧者の記述は、御無用に願います。 幾度か見直しましたが、誤記は御了承下さい。WORDにはりつけて ご覧ください。 < 誤差に関する参考書;(簡便法、誤差の伝播;?のP77) > ?;計測における誤差解析入門 林、馬場 東京科学同人 2000年3月 ?;工業計測演習 和田、村川 工学図書 S44 URLの参考 http://gijyutsu-keisan.com/mech/engineer/general/tol/tol_2.php <計算例は、同規格、付属書A(参考)P933、はO-リングの種類がFシリーズであるが、これをP番に置き換えて記載する。 A.5 ロッドシール用途の場合の寸法設定P935> ロッド径φ34とします。 累積公差は完全互換を用います。利用図は、図JA.2-ロッドシール用のハウジング つぶし率は、図JB.1 d2=3.53よりC=11~22とする。 【d2=3.53は新規格】 また、静的用途では、図JB.3でC=13~30となる。静的とは圧力があまり変動しないと思われる。 図JA.2 の d5、d6を決定する。 O―リングサイズ;P34とする。 < その1 > JISハンドブックB2401-2 P916~917 d5; 34 0/-0.08 表3-運動用及び固定用(円筒面)のハウジングの形状・寸法(続き)P915~ d6; 40+0.08/0 同上 d2;O-リング太さ 3.5±0.10 同上 非つぶし比(=1-つぶし率/100)=Oリング溝高さ/Oリング線径; 付属書JB図JB.1 d2=3.53よりC%=11~22、C=0.11~0.22が最適値 (尚表3では、つぶし代0.32~0.60 つぶし率9.4~16.7%である。) 計算 非つぶし高さ;th th=(d6-d5)/2 寸法の中央値表示 d5m=(d5max+d5min)/2=34+(0-0.08)/2=34-0.04=33.96 公差?d5=±0.04 d6m=(d6max+d6min)/2=40+(0.08+0)/2=40+0.04=40.04 公差?d6=±0.04 th=(d6m-d5m)/2=(40.04-33.96)/2 3.04 thの公差;?t=(?d5+?d6)/2= (0.04+0.04)/2=0.04 0.04 非つぶし比; C’max=tmax/d2min=(3.04+0.04+)/(3.5-0.1)=3.08/3.4 0.9059 C’min=tmin/d2max=(3.04-0.04)/(3.5+0.1)=3.00/3.6 0.8333 つぶし率; 附属書 JB 図JB.1d2=3.53の値 より 判定値;11~22 Cmax%=(100-C’min*100)= 16.7 Cmin%=(100-C’max*100)= 9.4 これらの値は、表3 P917の値と一致している。 軸寸法、d5に対しO-リング溝d6は、締め代は過小気味で良好とは言えません。がほぼ満足です。 JISつぶし率は寸法のmax//min値で計算されている。 付属書JB図JB.1 d2=3.53よりC%=11~22 に対し9.4%は満足していない。 理由が解説書に記載がされて可能性もあるので御一読ください。 < その2 > O-リング室高さth;の公差 ;利用図、図JB.1―油圧動的用途の場合 目的;A5 寸法設定// 軸D5、34f7に対するD6をつぶし率11~22%になるように計算する。 計算式 非つぶし高さ;th=(d6-d5)/2 &非つぶし比;C’ 、C’=th/d2 C=1-C’=0.11~0.22 となるd6を求める。 C’=1-C=0.78~0.89 C’max=0.89 C’min=0.78 th=thm±?th thm=0.5*(d6m-d5m) ;-1 ?th=(?d6+?d5)/2 ;完全互換法 ;-2 d2=d2m±?d2 = 3.5±0.1 d5=d5m±?d5 d5m=(d5max+d5min)/2 d5=34 f7 -0.025/-0.050 d5max= 33.975 d5min= 33.95 d5m=(33.975+33.95)/2=33.9625 ?d5=(d5max-d5min)/2=0.025/2=0.0125 thmax=thm+?th ;-3 thmin=thm-?th ;-4 d2max=d2m+?d2 ;-5 d2min=d2m-?d2 ;-6 C’max=thmax/d2min=(thm+?th)/(d2m-?d2) ;-7 C’min=thmin/d2max=(thm-?th)/(d2m+?d2) ;-8 thm+?th=(d2m-?d2)C’max ;-9 +) thm-?th=(d2m+Δd2)C’mim ;-10 -------------------------------------------------------- 2thm=(d2m-?d2)C’max+(d2m+?d2)C’mim ;-11 = (3.5-0.1)0.89+(3.5+0.1)0.78=5.834 thm=(2thm)/2= 2.917 ?th=(d2m-?d2)C’max-thm ;-12 = (3.5-0.1)0.89-2.917= 0.109 式1より d6m=d5m+2thm =33.9625+2*2.917= 39.7965 検算 C’max=thmax/d2min=(thm+?th)/(d2m-?d2) =(2.917+0.109)/(3.5-0.1)= 0.89 C’min=thmin/d2max=(thm-?th)/(d2m+Δd2)=(2.917-0.109)/(3.5+0.1)= 0.78 Cmax=1-C’min=1-0.78= 0.22 ⇒22% ok Cmin=1-C’max=1-0.89= 0.11 ⇒11% ok ?d6の算出 式-2より求める ?th=(?d6+?d5)/2 ?d6=2*?th―?d5 =2*0.109―0.0125=0.2055 よって d6=39.7965±0.2055 となる。 d6max=40.002 d6min=39.591 この他の制限 ;A.5.6;O-リングの最大内径 (max内径;d1max) d1max=0.98d5max;; O-リングの制限;max軸径の98% d5max=34 d1max=33.7+0.33=34.03 O-リングP34寸法 ;(33.7±0.33)X(3.5±0.1) d1max/d5max=34.03/34=1.0009 ≠0.98 判定;NG となる。 d5m= 33.9625±0 d1m=33.7 d1m/d5m=33.7/33.9625=0.992 <その他> ? O-リング装着時の線径について O-リング-リングの引き延ばし(軸径>内径)使用時の線径変化を計算する。 線径は体積(V)一定の計算で求める V=π/4*d2^2*(d1+d2)π (パップスの定理;V=断面積*図心回転長さ) V‘=π/4*d2’^2*(d1‘+d2’)π V=V‘ より d2’をゴールシークの変化セルとして、EXCELにて求める。 d2’の計算式解法は、3次関数のため 解法が困難である。 本例の最小O-リング33.7-0.33、3.5-0.1、軸max34におけるd2’は3.372 となる。 つぶし比minは、1-(2.917+0.109)/(3.372)=0.103 でわずかに0.11を切っている。O-リングの引き延ばしの影響は最大で7%程度である。 (0.103/0.11=0.93) ? O-リング溝加工時の許容振れ 6= 図JA.2に溝の外径には、振れyがあり、d6≦50の時y=0.025、d6≧50の時y=0.05、本件ではd6=39.7965なので、y=0.025となる。 このyを寸法で吸収するためには、y分の公差を収縮する。すなわち0.2055-0.025/2=0.193、よって、 d6=39.796±0.193 となる。 d6max=39.990、 d6min=39.603 が振れまで考慮した溝外径である。 尚、JIS値P34は、40+0.08/0、d6=40.08~40でJIS値は過大である。 補記 表3のd、b以外、例えば、つぶし代 や つぶし率 は参考として記載されている。 しかし、つぶし代やつぶし率は、寸法から算出できる値であり、これらが参考なら、寸法d、bも参考とすべきと思慮する。O-リングの使用際し、重要なポイントは、つぶし代と、はみ出し である。 つぶし代については、附属書JBに4種類表示されている。基本的には、附属書の“つぶし率”によることを基本とすべきと思われる。 尚、某社メーカー、のOリングの設計基準(円筒面)は、つぶし率=8~25%、(耐久性20~25)、 充填率=75%狙い、max90%、内径伸張率0~5% 外径張り率0~3% と記載されている。JISの最小つぶし率は、7.9%と記載がある。 そのページは、JISハンドブック B2401-2 P919 呼び番号P150A~P200。 Fmax=π/4*d2*max^2/(tmin*bxmin)=(0.64~0.74) bxmin=π/4*d2*max^2/(Fmax*tmin) d2*max=3.6 tmin=thm-?th=2.917-0.109=2.808 Fmax=0.74 bxmin=b1min=π/4*3.6^2/(0.74*2.808)=4.9 表3値のb1は、4.7 +0.25/0 b1min=4.7は過小となる。 以上 径結果は、JIS規格表3を満足しなかった。理由は計算の根拠とする“つぶし率”が 規格で異なった値を表示していることにある。この理由は、規格の解説に記載されている可能性はあるが、小生は矛盾の調査はしない。以上ご参考まで。 www.mitsubishi-cable.co.jp/ja/products/pdf/kiki/12/yuatsu_seals.pdf http://www.nok.co.jp/product/o-rings/p_series.html 最後にご質問に対して小生の規格の解釈を申し上げます。 B2401-2 表3 (ハンドブックP914)P20の固定用、ハウジングにO-リングを設置する時寸法は、どれを選定すればよいですか?。と解釈します。 規格に描かれている図は、P910 図1-b) またはP937附属書JA 図JA.2です。 図JA.2の方が詳しく表示されています。 直径基本値はd5、d6、d10を表3より選択することになります。 d5;20 0/0.06 参考でh9、f8、e7とあります。これら公差記号は、0/0.06に入るとみなせるので、この記号を使用してよい。と解釈できます。 d6;24 +0.06/0 参考でH9 (+0.052/0)を使用してもよい。 d10;ロッド内径(ロッドは誤記正しくはハウジング) P番ではd10寸法の記載がない。シリーズF;表JA.5(図JA.2)によれば、d5/d10=f7/H8の常用する穴基準のはめあいを採用している。20f7-0.020/-0.041 、H8+0.033/0で最小隙間は0.020となる。 すなわち、直径20mmで、はめあい最小すきまは20μm必要としている。このような箇所の最小隙間が大きいと判断される場合、fg(fとgの幾何平均値)を上の寸法許容差とすれば、寸法20の箇所には、記載されていないので、計算は、(f*g)^0.5 =(-20*-7)^0.5=(140)^0.5=12μm=0.012mm を上限と決める。下の寸法許容差は、IT7とすれば21μm=0.021であるから、0.012+0.021=0.033これに負号を付け-0.033. すなわち軸側は20fg7-0.012/-0.033と算出する。ただ20に対しfg7という表現を記載してよいかは、規格協会に問い合わせてほしい。NG場合、記号削除し数値のみ記載すればよい。 20H8/fg7の隙間は、0.033/0、-0.012/-0.033=0.012/0.066となる。 最大直径は、0.066mmで0.066/25.4=2.6/1000in。 硬度#70の時;2.35*1000psi=16.1Mpa, #90の時;7.2*1000psi=49.4MPaとなる。 尚、御質問者のつぶし率は、水静的ですので、図JB.3のd2=3.35 C=13~30を採用し計算すればよいと存じます。 最近JISはISOに準拠するようになっていますので、非常に良好になっております。社内規格を改訂しても、旧製品が皆無になるわけではありません。しかし実施しないと周囲から遅れとりますので、決断が必要です。 <Oリングの種類におけるJIS規格> 日本工業規格 JIS B2401-1:2012 4種類 4.1 リングの種類 O リングの種類は,表 1 による。 表 1-O リングの種類 O リングの種類 種類を表す記号 運動用 O リング P 固定用 O リング G 真空フランジ用 O リング V ISO 一般工業用 O リング F ISO 精密機器用 O リング S B 2401-1:2012 表 JA.4-シリーズ F の O リングの呼び番号,寸法表示,及び内径の基準寸法・許容差 太さの基準寸法(d2) :3.53 mm,太さの許容差:±0.10 mm
軸がアキシャル方向に動く場合として 穴側にφ24の溝を切るのであれば、公差は+0.06/-0.00でよいです。 φ20部の嵌め合いは、出来るなら軸基準ならF8/h8くらい。穴基準ならH8/f8くらい。ここの隙間が大きくなりすがるとOリングが軸運動時にねじ切れる場合もあります。もちろん潤滑は必要です。 固定用のシールの場合はもう少しラフに考えても良いと思います。高いシール性が要求される場合には、溝深さを0.1位浅くするのもありです。
小生は、三十年弱前に、JIS公差(Oリングカタログ資料内容)通りにして失敗しました。 > ?JIS B2401-2 より、Oリング取付時の穴/軸の寸法許容差 H9/e8 等が表になっています ???です、これはOリングより使用目的での、穴/軸公差が最優先です。 そして、軸サイズにあったOリング溝径をアレンジし、軸と穴に隙間が多ければ、バックアップ リングみたいな物で防止策をとる手順が一般的です。 また、 A)軸(PVC)なので、Oリングとの摩擦係数が大きく、摩耗やめくれがしんぱいですから、 グリースを溝に充分塗布やグリースが補充できる工夫が必要と思われます B)ハウジングに溝より、軸に溝の方が、組付け時Oリングに傷をつけ難い、付けた感が 判り易いと、製造の方に云われましたし、納得なので、どちらでも良ければ変更が望ましい を、追加アドバイスとしておきます。
お礼
アドバイスありがとうございます。 私もハウジングに溝を切るより軸に溝を切りたいと提言したのですが、 PVCに溝を切る場合は精度をとるのが難しいとも聞きました。 この辺りの実際も気になっています。
JIS規格は一般適用のため 性能を保証するものではありません 自社製品が機能として満たされるシール製 があるかどうか 評価実験はちゃんとやるべきです 昔やってたこと つぶれ代 永久ひずみ シール製 組み立て時のOリングの削れ 膨潤性 ヒートショック 破壊耐久 などなど
お礼
おっしゃる通りだと思います。試験は行います。 まずは暫定の公差を決定するのに、皆様の知見をお借りさせていただきました。 大変参考になっております。
以前も何度かOリングについて投稿したことがあるのですが、↓技術資料には つぶし代と密封流体の圧力関係なども明記されていたと思いました。 ここら辺を参考にして、決められたら如何でしょうか? 摺動抵抗を少なくしたいのであれば、つぶし代を極力少なく良いと思います。 何でも杓子定規に決めるよりも設計の考え方も盛り込むべきと思う。 只しご質問の公差では、僅かなのでゴムだし殆ど変わらない気がします。
お礼
規格に対してやっきになっていました。 確かに設計思想を反映した公差をとるべきですね、ハッとしました。 ご回答いただいたように、公差の差がわずかですのでほとんど変わらないとは思うのですが、規格として公差が2通り設定されているので、その意図の違いが読み取れず気になっています。 今まで社内の止水構造がざっくりでしたので、この際しっかり見直したいと考えています。添付いただいた資料参考になります、ご回答ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 大変参考になります。 自分の中で解決しました! φ20のハウジングから溝の深さKを削っていくという図面の書き方にしていました。 円筒面に溝を切る場合は、φ20のハウジングに対してφ24の溝を切るというニュアンスが一般的なのですね。 はめあい部ははめあい公差を用いて、はめあいと関係のないφ24の溝には+0.06/-0.00のような公差設定をすると。 ありがとうございます。 やはり固定用は少しラフに考えていいのですね。 経験者の感覚がわかって参考になりました、ありがとうございます。