- 締切済み
アルミと鉄の材質と強度
- アルミと鉄(SS400)の材質と強度について考えます。軽量化を図るためにアルミがよく使用されますが、その比重とヤング率は鉄に比べて1/3です。よって、強度を一定に保つ場合は軽量化にはつながりません。
- また、アルミの使用は価格的にも高価であり、使用意義があまり見いだせません。ではなぜアルミを選ぶのでしょうか?形状やタップ加工など他の要因によってアルミが有効である場合もあります。
- 形状を工夫することで断面係数や断面2次モーメントを上げることができますが、簡単な形状では効果が限定的です。アルミを選定する基準は何でしょうか?
- みんなの回答 (7)
- 専門家の回答
みんなの回答
まあ、初心者が陥る “アルミは鉄に比べると比重は1/3ですが、ヤング率も1/3ですので、強度を一定に比較した 場合軽量化につながりません” の勘違い。 同じ鉄鋼を使用しての軽量化に、焼き入れしている高張力鋼を用います。 強度は、例えば 400N/mm2 → 2倍や3倍となりますので、板厚等を軽減でき軽量化できます。 ですが、鉄鋼類はヤング率は略一定で、焼きを入れても、力とひずみの傾斜角は同じです。 その比例限度が、2倍や3倍やそれ以上となり、強度アップ&軽量化できます。 戻って、アルミも種類によって、強度はまちまちです。 高強度のアルミは値段が高いです。 軟鋼程度のアルミ合金はありますから、それで同じ形状で構造物を製作すると重量は約1/3。 動かない構造物であれば、値段が高いだけの構造物。 動く自動車等であれば、 ◆ 軽いので、燃費が良く、ガソリン代でアルミでのアップ分を数年でペイできる ◆ 軽いので慣性力が低く、同じエンジンパワーで加速性が増し、付加価値が増す 携帯物なら、軽いので付加価値が増す(携帯電話の材料、見た目等も加え 軽量化にアルミより高いチタン系を使用したりしている≪軽さと風合い≫) 色々とメリットありますよね。
初心者は、よく「“強度”と“剛性”の違い」について混同してしまうようだ 強度とは引張強度や降伏点に代表される強さの程度といえば解り易いだろうか 次に剛性とは御存知であろうが、たわみを生じた時の弾性の程度により剛性が 大きいとか言うことが多い。これは一般にはスパンに対するたわみで使われる ここらの基本を踏まえていれば、前者は断面係数"Z"(cm3)が影響していて、 後者は断面二次モーメント"I"cm4が関わっていると気づかれるだろうと思う。 従って矩形では、Z=1/6*bh^2であるので重量比に対する強度である比強度が、 アルミの場合には大きいと言えるのは一般的に昔から言われているのである。 しかしながら、剛性が問題にならない機械など存在しないともいえるのである から、一般論としてアルミに依る軽量化は理屈では十分にあり得るのであるが 現実問題として、力が加わって剛性が必要な部分では一概に鵜呑みにできない 但し、↓にもあるが加速度が問題になるようなケース等では、重量比と共に 慣性力が大きく変わることからも軽量化が大きくモノを言うのである。何故なら 慣性モーメントは円盤ならmr^2で効くから軽量化によりrも小さくできる筈だ
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かに強度と剛性の話は、よく耳にしますが 実際の作業では、混同しがちです。 勉強不足です。
乗用車用ホイール http://tokyo.taiyakan-shop.jp/nishiogikubo/product.html?now=2 エコフォルム(軽量アルミ)【約6.0kg】 鉄ホイール(スチール) 【約10.0kg】 トラック用ホイール http://bridgestone.co.jp/business/tire/truck_bus_wheel/aluminum/index.html 新ISO方式 35.5?/本×11輪(10輪+スペア)=390.5? 22.3?/本×11輪=245.3? スチール対比145.2?の軽量化 と、記載してあります
お礼
ご回答ありがとうございます。 やはり、車のホイールではかなり有利なのですね。
質問にある通り、そんな簡単に選定されているわけではありません。 両方を製造してホイールメーカーもあります。 文献(a)の3章に、両ホイールの比較が詳細に論じられています。 ホイール重量の比較例が図3にありますが、7.9Kg対8.7Kgであり、劇的な軽量化にはなっていません。 選定基準は、表3にあるように、多くの項目が比較されています。 産業製品、特に一般ユーザー向けの製品が、如何に多くのことを考えて作られているかが判ります。是非勉強して下さい。
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かにトータルで制作にあたる必要があると 痛感いたします。
>鉄に比べると比重は1/3ですがヤング率も1/3ですので 同寸法の材料で剛性の優劣を検討するのであれば、ヤング率で比較することも 有用と思いますが、強度であれば引張り強さあるいは耐力などで比較すること が適切と思います。 例えば、アルミニウム合金のA7075(調質:T6又はT651)では、 引張り強さ570MPa、耐力505MPaであり、軽量でありながらSS400以上の 強さがあります。 >強度であれば引張り強さあるいは耐力などで比較 前の回答は、単純化しすぎだったように思います。 ◆アルミといっても種々の材質があるので、強度を重視するアプリケーション には、適切な材質を選ぶ必要があること ◆ヤング率が低いことを補うには、形状・寸法を材質が鋼の場合の設計とは 異なることを前提とすること ◆鋼とアルミ合金では、耐熱性や耐蝕性などが異なること ◆コストが異なること (金属材料の単価は、体積あたりではなく、重量あたりであることに注意) などを考慮して、総合的に判断することが必要と思います。 用途に応じてどちらが優れるか判断が分かれて当然でしょう。 例:鉄骨構造の建築は一般的ですが、アルミフレームの建築があるとは 聞いたことがありません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 また、項目ごとに分けて回答いただき ポイントが非常にわかりやすく 参考になります。
ヤング率が低いと荷重に対する変形は大きいが、荷重が耐力より低いなら使えます。 引張強さ(耐力)が最強のA7075系ではSS400に勝る。 しかしホイールには形を作るうえで(鋳造、鍛造)問題あって使わない。 鉄チンは平板から製造するため、アルミのような強度最適の形状は難しいため無駄に重い。やろうとすればコスト優位を逸する。 強度ではSS400を上回る鉄鋼材料はいくらもあるが、製造コストなど問題あり。 鉄板の欠点は最適強度設計に不自由なのが主です。 板厚を自在に変えるのが不得意なのと立体構造に限りがあり、それはデザイン的にも満足を得にくい。 チャリみたいに間をスポークで繋ぐのも一部あるが、強度面なのかコスト面なのか普及してないですね。 (7)の酔払い徘徊者が「初心者が陥る・・・・」とか戯言言ってるが、、 説明を要せず鉄の焼入は無い。 材料のプロ(4)の説どおり、アルミがよい鉄がよいとかは一概に言えません。その資料・文献(a)もまさに適切で熟読を。 追加するならアルミより軽量で強いマグネシウムホイールは競技用に市販有り。今は造られてないチタンも有り得るし、超軽量が良いならカーボンでも。。。
お礼
ご回答ありがとうございます。 デザイン性が必要で生産コストを考えると 有利と言うことですね。
>形状を上手く取ると断面係数や断面2次モーメントが上がるのかと >簡単な形状で比較してみましたが、あまり有効ではありませんでした その通りかもしれません。 しかし、車や電車や航空機をSS材でつくったら、エネルギーの無駄使い ならまだしも動かないかもしれない。 アルミの比強度を生かした、相応の構造が必要です。 「セミモノコック構造」で検索してみてください。 因みに、比強度の観点から、航空機はチタン合金、CFRPの活用が進んで います。 チタンは、ヤング率は低いが、400度以下で金属中最高の比強度を有し ます。 A7075は比較的削りやすく、航空機部品なんか 100kW以上の主軸モータで10,000cc/minぐらい 切りくずにできちゃう、とても良い材料ですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 やはり、アルミの加工性は優れていますね。 単純な比較ですが、同じ形状であれば自重たわみは アルミも鉄も同じなので、重量が1/3になりかなり 有利と言うことになるので外力が加わりにくい 電車等は有効なのですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 動くものであれば、メリットが大きいのですね。