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パイテープの精度について
- パイテープの精度は人によって100分の5ミリほどの計測誤差があります。
- 熟練工はパイテープが正確であると言っていますが、それを基準にすることには不安があります。
- ワークが大きいため、パイテープによる計測誤差が不良品を出すリスクを高める可能性があります。
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素人回答ですから、内容に不審があれば、読み捨てて下さい。 ◆長さ計としての不確かさ パイテープの校正は、鋼製巻尺と同様に、長さ計として校正すると想像できま す。このとき、校正の不確かさが存在します。計量法による校正機関の校正能 力を参考にすると、5mの鋼製巻尺の場合、鋼製の不確かさは、0.09mmとありま す。これを直径の不確かさに換算すれば、πで割って0.03mmになります。 ◆テープ厚さに基づく不確かさ 次に、測定原理上、ワークの外径に巻き付けて周長を測定するので、長さ計の 測る直径は、パイテープの厚さ分だけ大きくなります。従って、パイテープで は、この分を補正している筈です。パイテープの仕様を参照すると、厚さは、 0.25mmのようです。テープ厚さのばらつきや、ワークとの密着の程度によって 補正分の±10%の不確かさがあると仮定すると、テープ厚さに基づく直径の不 確かさは0.025mmと見積もることができます。 ◆張力の管理に基づく不確かさ 2.25kgf=22Nの張力を掛けて測ることになっていますが、張力が±20%ばらつ くと仮定すると、テープの伸びのばらつきは、0.04mm程度であり、直径に換算 すると、0.013mm程度に見積もることができます。 ◆温度に基づく不確かさ パイテープが校正された温度と、測定時の温度に2℃の差があれば、温度係数 11ppm/℃ × 2℃ = 22ppmの不確かさが生じます。φ2000mmの測定では、 2000×22ppm=0.044mmの不確かさということです。 ◆総合不確かさ 上記4項目の不確かさを二乗和の平均をとって合成すると、直径の測定におけ る総合した不確かさは、0.06mm程度の値という結果です。 測定者によって測定値に、0.05mm程度の差が生じることは、上記の総合不確か さの値と比べて、想定の範囲と言ってよさそうに思えます。なお、温度に基づ く不確かさが最大要素ですから、再現性のよい測定値を得るには、温度管理が 重要と考えられます。 とはいうものの、φ2000もの大型ワークの温度を、パイテープを校正したとき と同じ値に合わせることは容易でありません。パイテープ及びワークの材質の 温度係数が同一であれば、パイテープの温度がワークに馴染めば、校正時との 温度差による誤差は打ち消されます。パイテープ及びワークの材質の温度係数 が異なる場合は、測定時の温度を測り、校正時との温度差による寸法変化を補 正することが必要と思います。 パイテープの測定原理は、直径=周長 ÷ πの原理を使っていますので、 ワークの形状が、真円であることが大前提です。 今回のお問い合わせは、ターニング加工ですので、加工原理上ワークの形状 が担保されているものと考えました。 測定の不確かさを追求する必要があれば、測定するワークの真円度のデータ を測定して、真円からのはずれに基づく不確かさを見積もって、総合不確かさ に大きな影響を与えないことを確認しておくと良さそうです。 <訂正> 「◆長さ計としての不確かさ」の3行目 (誤) 5mの鋼製巻尺の場合、鋼製の不確かさは、0.09mm (正) 5mの鋼製巻尺の場合、校正の不確かさは、0.09mm 不確かさに関して大事な要素を忘れていました。 テープが蛇行したり斜めに掛かった場合は、不確かさが増加します。 例えば、φ2000で最大5mm斜めに掛かった場合は、直径に換算して0.06mm程度 の不確かさが生じます。 この寸法を2mm以内に管理できれば、0.01mm程度に低減できるので、他の要素 に比べて小さくできるので、総合不確かさに殆ど影響を与えないと判断できる と思います。 素人の回答に対して、丁寧にコメント頂き有難うございます。 >上手にパイテープを真っ直ぐ巻けるか この項目は、何らかの管理基準とテープの巻き方に対する手順書を作って管理 なさることが必要と思います。 >引っ張りすぎる・・・・・ この項目については、補足なさって頂いたとおりで、測定者の手加減では管理 不十分であり、フォースゲージなどを使った管理が必須と思います。張力の管 理を行ったとしても、パイテープとワークの摩擦力が存在するので、真の張力 は、張力計の指示値とは異なる可能性があります。摩擦力のばらつきを考慮し たうえで、張力によるパイテープの伸びによる不確かさを、総合不確かさに 含めることが適切と思います。 先の回答では、張力のばらつきを±20%と推定しましたが、実情に応じてこの 値は書き換えて頂くことが必要です。その上で、総合不確かさを見積もって 下さい。 大切なことは、測定の不確かさに与える影響の大きな項目に対して、適切に 管理方法を決めることです。
検査専用の治具を製作するという手もあるのでは無いだろうか? パイテープというものを使った経験が無いのでコメントできないのですが。。 例えば既存の測定器で計測できるように例えば1300ミリのマイクロメーターが あるならば?の内径が仮にでも計測できるリング部分を捨て削りor取外し可能 なφ700リング溝を仮に取付けられれえば、理屈上は同様に計測できる筈と思う 思い付きの投稿なので余り当てにしないで欲しいが、このような検査用治具を 用意して置き、後は取付だけの問題を考えれば、使い回しも可能になるかとも 或いはボルト止めでは無く芯出しすれば、クランプでも構わないかも知れない
お礼
回答ありがとうございます。私としましては、径が大きくなるほど何らかの違う測定方法でダブルチェックは必要と思っています。 測定用の治具を作るということを若手からの意見として提案しましたが、熟練工クラスの『そんなの必要なし。』との一言で片づけられました。
初見ながら結構確かな測定具だと思います。 http://www.uno.co.jp/seihin_info/catalogue/09_measuringtapes/0390.pdf 最小読取値:0.01mm 精度:0.03mm(直径3600mm まで) 安定性ありそうな定荷重機構を備えている点など、マイクロメータよりマシかとも思う点も。 マイクロメータはミツトヨなら2000が最大のようです。 しかしヘッドストロークが倍の50、アンビル側をスライドして測定範囲を100にするなど、通常サイズ以上の誤差あることは明かで、<100分の5>とは言わぬがその半分ぐらい誤差あっても不思議でないシロモノだと思います。 また円をまたぐための半月フレームが脆弱なのも問題。 それより角柱(25×40×1mぐらい)にマイクロメータヘッドを取付けたものが良かろうと自作したことがあります。 パイテープは円の何かで校正する他無く、それどうするか俄には思い付きませんけど。 較正(×校正)をどうするかが問題です。超大径の栓ゲージを持つ処は無いだろうし、メーカ依頼しか思い付かないです。 面白いレポートを見付けました。 大寸法測長精度の現状に関する調査 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1933/27/316/27_316_280/_pdf 目盛りを刻んだ鋼テープを一定の張力で引張った状態で品物を測るようにした測定器もある。 鋼テープは比較的良い精度がえられかつ使用後はスプールに巻いて運ぶこともできて便利である ズバリですね。 自作したものは、図2がピッタリです。 マイクロメータよりこのようにダイヤルゲージの方が良いかもしれません(但し壊しやすい)。 アンビル側は円柱や球を2個使って3点測定にするのが安定性に優れるが、較正にブロックゲージやバーゲージが使えなくなるのが問題になります。 このレポートは半世紀のものですが、大物切削は戦艦大和の砲身を削った旋盤が現役な世界と聞きますから、古さは感じません。回答(3)の方の精度考察の内容も込められてます。 現代ではレーザー計測と3次元が加わったものの現場でホイホイ使えるものでもなし。 【付言】 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=279216&event=QE0004 このサイト、お仕事直結なのに (^◇^) (*^_^*) lol wwwww などと茶化し回答をしまくる輩が登場してきます。 バレない段階では点数稼ごうと他人の回答をヌスミ、長ったらしい文章で粉飾する手口。
お礼
回答ありがとうございます。確かにマイクロメーターでの計測も、径が大きくなるほど難しくなりますし、パイテープにも一長一短あると思います。 ただ、パイテープで測定するということは、ゼロ点チェックをしていないマイクロメーターで測定するのと同じことです。 マイクロメーターのゼロ点チェックに相当することをパイテープでどうするのか?その辺をしっかり対策を立てないといけないことは解ってるのですが、会社がパイテープで測れと言っている以上どうにもできません。
お礼
回答ありがとうございます。おっしゃる通り、上手にパイテープを真っ直ぐ巻けるかは個人差があり、測定者によって寸法が違うのはこの辺が影響しているのでは?と思います。 あと、所詮薄っぺらい鉄の板なので引っ張りすぎる(張力を掛けすぎる)と目盛りが100分の5とか6は平気で動くので、測定時には相当神経を使います・・・