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無電解ニッケルめっきの水素脆性について
- 無電解ニッケルめっきの水素脆化について教えてください。
- 無電解ニッケルめっきを施した素地に熱処理を行っていますが、水素脆性の懸念があります。
- めっき⇒研削⇒熱処理という工程は指定されており、水素脆性の発生を防ぐ方法を知りたいです。
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残念ながら、ご質問の工程の場合、水素脆性のリスクは避けられないと思います。 もし可能ならば、めっき直後に、水素脆性防止のための低温ベーキングを試してみることをお勧めします。貴社の設計工程の場合、水素脆性防止と、皮膜硬化を兼用して、350℃×1hのベーキングをしているのだと思いますが、水素脆性防止だけの目的なら、150℃×1hで効果が出てきます。逆に、皮膜硬化や応力改善、組織改善といった場合は、それぞれ適した温度があり、150℃×1hではほとんど影響がないはずです。貴社の場合、硬化目的で350℃×1hになっていると推定します。確実に工数は上がりますが、どうしても、本格的熱処理の前に研削する必要があれば、 めっき→熱処理(脆性防止 150℃×1h)→研削→熱処理(硬化 350℃×1h) という方法があります。 また、水素脆性の評価ですが、一般に問題になるのは、 (1)どれだけ水素が吸蔵されているか ・・・・ではなく (2)どれだけ強度が落ちているか(または脆くなっているか等) だと思います。 ですので、破壊試験になりますが、曲げ試験や、引っ張り試験などを実施するのが一般的です。どうしても、水素吸蔵量を調べたいのであれば、PCTという水素吸蔵合金のための特性試験機がありますが、めっき業や一般製造では、一般的ではありません。 PCTについては専門でないので省略しますが、「水素吸蔵合金」で検索すれば、かなりヒットすると思います。以前わたしは、PCTを扱える環境があったので、亜鉛めっき品の水素吸蔵量を調べようと思ったことがありますが、大きな試料が扱えず、結局、引っ張り試験の方が簡単だと、断念したことがあります。 >無電解ニッケルめっきの水素脆性防止の為のベーキングですが、この処理を>行った後、また長時間放置してしまうと水素の入り込みは起こってしまうも>のなのでしょうか? 大丈夫だと思います。水素脆性が起こるのは、その対象物が水素を吸蔵できる条件下にあって、かつ、周りに水素がある場合です。 めっき中は、化学反応によって水素ガスが発生するので、表面はある意味水素に取りかもまれている状態ですが、通常の大気中にはほとんど存在しません。また、水素を吸蔵するためには、圧力や温度、電気化学反応など、ある一定条件を満たさないと吸蔵しません。通常の保管状態ではそういう状態にはないと思います。
素人なのではっきりしたことは言えませんが、無電解ニッケルメッキの工程を確認された方がよいように思います。 無電解ということを踏まえて水素脆性を起こす工程を含んでいるのか確認してみたらいかがでしょうか? また、ベーキングは通常4h以内に低温で長時間行うのがよいのだと思います。
お礼
早速のご回答、ありがとうございます。 無電解ニッケルの理由としては、高P含率皮膜の磁力特性を狙ってのことと聞いております。 現段階で他社にて生産が行われている製品でしたので、客先指定の工程順序で特に問題ないだろうと考えていたので・・・ 他社で作製の際も、各工程は一環して行われていないらしく、めっき工程はめっき屋に、研削工程は研削専門の業者に・・・と出しているようなのですが、めっき屋でベーキング処理など行っているのでしょうか。 また、研削後の熱処理では時間が経ち過ぎていて、水素脆性防止のベーキング処理の効果はなくなってしまうのでしょうか? ご存知でしたらアドバイス宜しくお願いします。
お礼
丁寧なアドバイス、ありがとうございます。 PCTという試験機については初めて聞きました。早速調べようと思います。 ド素人の質問で大変恐縮ですが、もう一つ教えてください。 無電解ニッケルめっきの水素脆性防止の為のベーキングですが、この処理を行った後、また長時間放置してしまうと水素の入り込みは起こってしまうものなのでしょうか? ご回答の程、宜しくお願い致します。