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ボルト締付用インパクトソケットの材質と熱処理について
- ボルト締結の自動機を設計する際、インパクトソケットの材質選定で困っています。
- 現在の仕様ではソケット寿命のバラツキが大きく、品質と強度に問題があるため、適切な材質と熱処理が必要です。
- インパクトソケットメーカーに発注するのが最適ですが、価格と納期、態度に問題があります。割れにくい材質と熱処理の方法について教えてください。
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他の回答者さんの内容とダブりますが、『寿命』のバラツキは具体的には ? 亀裂や破断で壊れてしまう ? 磨耗が原因でソケットとして、使用できなくなる 等がありますが、その対策は、 ?は、肉厚等を上げ、破損要因をなくする ?は、硬度を上げる(特に表面硬度を) 等となります。 さて、現在使用しているSCM435は、熱処理で硬度が上がらなく、全体に 熱処理が効果が出て、全体に硬度が上がります。 SCM415は、そのままの熱処理では、SCM435より硬度は落ちますが、 浸炭(深さ0.8mm)処理にて、表面の硬度はHRc54~61程度となります。 整理すると、以下の様になり SCM435;HRc33~38、引張強さ105kg/mm2程度 SCM415;HRc22~35、引張強さ 80kg/mm2程度 浸炭処理の表面は SCM415;HRc54~61、引張強さ 205kg/mm2程度 SCM415浸炭焼入れ焼き戻し処理をしますと、 ※ 表面硬度がSCM415より上がり、耐磨耗性に優れます ※ 表面の硬度(引張強さ)が上がり、剛性アップになります ※ 内部はあまり硬度が上がらないので、ねばり強い性質となる となります。 結論的には、?の要因があるなら、?の対策を行なった後に、 材質と熱処理方法を、“SCM415浸炭焼入れ焼き戻し処理”とした方が 良いでしょう。以下に、参考資料を添付します。 http://furuike.co.jp/composition[3].html http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/gear_reference/KHK486.html 追加です。 硬度を上げると脆くなるので、応力集中する形状等は避けるべきです。 * 表面仕上げは、▽▽程度を基本とする(熱処理の後は、磨く) * Rは極力大きくとる 等です。以下が参考資料です。 http://www.ai-link.jp/free/learning/kouza/04/answer/answer-p5.htm#top
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アプローチの仕方が?です。また、考察も。 さて、大学等での知識は、社会に出て直接役に立つ事は少ないが、 今まで超一流の大学を出た方々(外国も含めて)定説です。 社会に出て、希望の職種で仕事をして、色々な事を覚え、責任ある仕事に 付く事ができた時、その問題等を大学時代に培ったアプローチ方法で、 解決していく。<学生時代の知識等を、仕事に対して整理し直す> 良い機会ではないでしょうか。 さて、納期がキツイ物は、実績のある方法で実施し、スペアパーツも 含めて納品すれば良いでしょう。<問題は残ったままですが…> そして、貴殿の知識と情報収集で、新しい(材質の)ソケットを製作して テストして問題を解決していけば良いと考えます。 相手先に事情を説明して、サンプル品提供し、テスト確認してもらう 方法もあります。 貴殿の先輩や営業と合議して、最良方法で問題解決して下さい。
●放電加工は不可 溶かす加工なので、磨いて影響層を取除かないと割れの原因になる。 厳しい用途では適用不可とすることすら行われる。 ●加工方法は鍛造 虫ねじの六角穴など内側にバリを出す切削方式もあるようだが、強度面 では鍛造が勝るはず。 ●業者、材料、加工方法、熱処理がバラバラでは、対策の打ちようがない。 数量少の場合、鍛造では嫌われるのはやむなしなので、まとめ発注の可 能性も考慮すべき。 ここまでは間違いないかと思います。以下は自信ありません。 材質、焼入れ硬さですが、 ご承知のように、市販ソケットレンチはKTCなどの高級品と安物で極端な値開きと性能差があります。 前者の材質はニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、マンガンのオリジナル合金と銘打ってます。安物でもクロモリバナと称してますが、これもJISに無い鋼種のようです。これで初めて焼入れ性が良く、靱性も充分な工具が出来ます。 同様な例として六角レンチの輸入品では、HRc58 ぐらいの硬さと推定します。 そこまで望めないなら、SCM415よりは焼入れ性の良い SCM435~440 で妥協する。靱性重視として <HRc50 程度でどうでしょう。
SCM415浸炭(深さ0.8mm)焼入れ焼き戻し、HRc55~60で加工できる業者を 探して下さい。 <大阪地区等の工具屋さん系列の加工屋さんなら、簡単にできますよ> また、周辺仕様で、肉厚が厚くできないなら、 ※ 浸炭の深さを0.6mmにする ※ SCM435より硬度が高い=引張強さが大きい 単純硬度換算で、約2倍引張強さが増します 結局、肉厚を増加させたのと同じ効果が得られます <応力集中さえ考慮すれば、割れ等での破損も軽減できます> 等々で、尚更SCM415に変更するべきです。
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お世話になります。 現状の加工業者さんでもSCM415の浸炭焼が可能なのは確認しています。 問題は往々にして最終納期に問題が発生するため、弊社の管理がより簡単な工程を望んでおり、設計に対して妥協を求めてくる事です。 現状の設計フローで言えば、最初は標準方法(ex.SCM435+高周波)で製作し、割れの不具合が発生した場合は、高強度品に替える(ex.SCM415+浸炭焼)といった具合です。高強度品に替える時に、形状・材・熱処理を変えるのですが、どの変更点が結果的に効果が有ったのか解らず、先ずは材・熱処理からまとめたくこちらに相談した次第です。 別件の相談になるのですが、耐衝撃部品でも硬度が優先されるのでしょうか? 弊社は締付機だけではなく各種設備製作しているのですが、圧入工程治具などはSKD11+真空焼に絶対の信頼を寄せています。が、ちょっとした引張衝撃が掛かると脆くも応力集中部から破断した苦い経験が有ります。 薄肉ソケットに戻って、薄肉部の厚みは最薄部で2mm以下となります。その場合にSCM415+浸炭焼で完全焼入されてしまった場合、数百回程度で割れが発生するのでは?と勝手に決めつけています。 ※客先に不安な品を渡すのは勇気が要るためです・・ この誤解を解いていただけるとありがたいのですが、全部説明すれば本一冊では済まないでしょうからお暇なときに回答頂けるとありがたいです。 卒論は材料物性でしたがこういう大事なところは大学では教えてくれないですね・・
図面指示と違う材質・熱処理を加工屋が平気で行ない、それを平気で受け入れている現状を考えると、最適な材質・熱処理を図面指示しても意味がないように思いますが。 ソケットの割れも問題ですが、図面の意味がないという本質を直さないと改善されません。 必要な締付けトルクに対して、十分な肉厚が確保できないのであれば、締結体あるいはその周辺の干渉物の設計変更も考えるべきでしょう。
ソケット寿命について一定の方向で進めたいご希望なのか、特に何を 希求されているのか明確ではありませんが、是までの生産工程などお聞きできましたら解答も正確に出来るかと思いますが? 長寿命可を目指すのであれば指定硬度を上げる方向だと思いますが。 相手のボルトの頭部硬度なども調査するべきだと考えます。 それと、6角の内径寸法精度なども関係してくるかと! 弊社取引先に鍛造、高周波により生産されているメーカーさんもあります。 高周波により硬さの均一化を図っています。当社はその工程中、高周波焼入れ を担当しております。 生産工程を一度お知らせ下さい。
お礼
お世話になります。 できれば熱処理工程でアドバイスを頂きたかったのですが、またお暇なときにでも教えていただけると幸いです。
お礼
理論的な説明感謝いたします。 私の経験する客先からのクレームは「割れ」による破損のみです。 恐らく摩耗の場合はだましだましでも使えるからだと思います。 やはり一品物の耐衝撃・耐摩耗品となれば、SCM415の浸炭焼になるようですね。 SCM415の浸炭焼で指示を出しても、加工屋さんでプラ金型用プリハードン鋼で製作しますといった返答が有ります。 ただし、「割れ」が発生するソケットはワーク形状の制限から肉厚が薄い物に限られます。 (逆に言えば肉厚が確保できる物で「割れ」が発生する事はまずあり得ないと言う事です。) 肉厚が薄ければ浸炭焼の場合ほとんど硬化されて逆に割れがおきやすくなるため、加工屋さんが気を利かせてくれている可能性も有ります。 他の改善方法として、粘り材にカニゼンメッキで表面硬度を上げる方法もしていますが、今一つ評価出来ていないためよく解りません。 最近の進歩で何か革新的な方法が無いかと思ったのですが、ここは基本に立ち返って浸炭を見直してみます。 ありがとうございました、。