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金型精度と穴精度について
- 金型の精度と穴の精度について質問があります。
- 現在、3枚のプレートを同じプログラムで穴加工していますが、3枚重ねると入る箇所入らない箇所が出てしまいます。
- 原因と回避方法について教えてください。また、既に加工済みのプレートを使える方法も知りたいです。
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数百箇所の穴加工で、3枚別々に加工したのでは、 重ねた時には合いませんね。 重ねて加工しかないでしょう。
ワーク素材の精度やセットアップの精度、組み付け部品の精度にも問題はない、とのことですので、やはり孔の曲がりか、加工機の位置決め精度不足の可能性が高いと思われます。 繰り返し位置決め精度を現場的に把握するには、機械のテーブルの適当な場所に材料を固定してできるだけ精度良く穴加工し、そのときの機械原点からの座標位置を記録しておきます。そうしておいて、朝・昼・晩と時間をおき、てこ式ダイヤルゲージを主軸に取り付けその穴の位置で芯出し、記録しておいた座標位置と比較すれば大まかなことはわかるでしょう。 3枚同時加工をするとなると、全体の厚みは65mmになり、下穴のドリル加工で曲がりがでて不良となる可能性が高くなるかと思います。 面倒でも、1枚ずつ下穴のφ5ドリル加工を行い、3枚組み合わせてからは、できるだけ剛性のある刃具でφ5.4の中仕上げをしてからリーマ通しが良いと思います。 工具費は確かに気にはなりますが、オシャカにして材料と時間を無駄にするよりはマシ、と思っていただいて、たとえば、OSG製のFX-SS-EBDのような型彫り用の超硬ロングシャンクφ6ですと、ボール刃の先端から12mmが切れ刃でシャンクはφ5で逃げていますので、その刃先をφ5.4に成形して用いると良いでしょう。 おそらく、再研削専門屋さんならば、数千円台の料金ですので、素材の刃具費のほうが高くつくでしょうから、手持ちの適当な超硬刃具(摩滅や損傷したエンドミルなど)を再研削して利用することがが可能ならば、刃具の費用はそれほどではないと思われます。 加工済みプレートの修正の件では、孔を拡大してブシュ圧入後に再加工、が不可能ということですと、溶接か、クロムメッキなどで肉盛りして再加工する方法が考えられます。 この場合、溶接は熱の影響が心配ですので、メッキによる肉盛りはいかがでしょうか? 金型の修正や補修などに経験のあるメッキ屋さんなら、0.5mm以上の厚付けもできます。ただしメッキが非常に硬くて切削による再加工が困難となり、治具研削するしかなくなる場合もありますので、メッキ屋さんと良く打ち合わせる必要があります。
S50Cで厚み15と20、SK3で厚み30の3枚のプレートにφ5.55の貫通孔を数百個加工し、その孔にφ5.54の「パンチャー」(プレス型のパンチならたいてい段のあるピンですが、寸胴の円筒部品でしょうか?)を組み付けると、プレート1枚1枚にはすんなり入るが、3枚重ねると孔の場所によって入ったり入らなかったりする、という問題と理解しました。 次のような原因と対策が考えられます。 1)加工機の繰り返し位置決め精度が不足で、孔位置がずれる。 この場合は、治具ボーラなどのより高精度な機械を使うか、3枚重ねて組み立てた状態で加工する以外に方法はないでしょう。加工の際の温度変化などによる位置ずれも、3枚重ねての同時加工ならば解決できるでしょう。 へリックスリーマでは刃長が不足とのことですが、リーマも物によってはロングサイズもあります。次ぎの2)の対策と一部重なりますが、下穴の真直性を上げてから、深孔に対応する刃具を用いると良いでしょう。 2)加工時に孔が曲がり、各孔が平行に加工されていない。 気になるのは、φ5.4ドリル通し後に、φ5.4のエンドミルを貫通させずに深さ8~9で止め、ドリルに交換してφ5.4を貫通させていることです。 φ5ドリル孔の位置ずれ・曲がり矯正を目的に、φ5.4のエンドミル加工を施し、その孔をガイドにして同じくφ5.4のドリルを貫通させているのだと思いますが、いささか不徹底ではないでしょうか。 φ5.4は、始めから終わりまで、芯が太く剛性のある刃具で貫通させてしまったほうが良いでしょう。 たとえば、4刃ロング刃長のφ6エンドミルをφ5.4に成形(研削)して使うことが考えられます。 この場合、刃元を刃先より細く(刃長50mmに付いてφ0.1~φ0.2ほど)いわゆるバックテーパをつけて成形してやれば、エンドミルの側刃が孔の壁に干渉してビビッたり食い込んだりというトラブルを避けることができます。このようなエンドミルの成形は社内では設備的に無理でも、再研削業者でちょっと気の利いたところならできます。 あるいは、φ5.4をボーリングで加工することも手です。中仕上げにボーリングはいささか大げさに思われるかもしれませんが、径の管理はむしろ楽ですし、真直性という点では最適です。 3)プレートの平面度が悪い。 プレートの平面度はクセモノです。ロータリー平研されたプレートはまず当てになりません。それに気付かずに加工時に締め付けると無理に平らに曲げられ、加工後に外すと元に戻り、結果的に 2)の状態になります。 プレートの平面度に疑いがあるならば、歪み取りの平面研削を行うと良いでしょう。なお、バイス、台金(敷板)などの精度も要チェックです。 4)「パンチャー」の精度不足。 センタレスで量産的に加工されているピンの類の円筒部品は、真円度、真直度にかなりのばらつきがあることもあり、ハメアイが厳密だと、モノによって入ったり入らなかったりしがちですピンの。断面が三角オムスビ形の等径歪み円になっていないか、曲がりはないか、組み付け前に確認が必要です。 加工済みのプレートの修正方法としては、製品として許されるならば、S50Cの2枚のプレートの孔をφ7.5位に拡大して同じ素材のブシュを圧入し、SK3のプレートに合わせて再加工する、という方法が考えられます。
お礼
回答ありがとうございます 1)についてですが加工機は森精機のNV5000を使用しています 位置決め精度不足はどこをどう見れば測れますでしょうか? また3枚重ねた状態の加工は下穴加工から行うべきでしょうか? それともリーマ加工のみ? 2)についてですがまさにそのとおりです。 私もエンドミルで最後まで貫通できたらと思っていましたが 市販品でロングサイズがなかったことであきらめていました エンドミルの研削という方法がありましたね しかしエンドミル研削技術は当方にはなく、外注加工すると工具代が高くついてしまうのでは?と思いました 3)についてはプレート自体平研をしています。平面度は±0.02程度に収めています また台金の精度も毎回チェックをしています 4)についてですが全数検査はしたことないですが精度は問題なさそうです 加工済みプレートの修正ですがプレートの孔を拡げてはどうかとのことですが ピッチ間が狭く、広げて圧入という方法はできません 他になにかいい方法はありませんでしょうか?