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樹脂成形品のシルバーについて
- 古い成形機でモールドするとシルバーが出る
- 樹脂材の水分が影響している可能性がある
- ガスの影響も考えられる
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こんにちは、成形品は鉄板をインサート樹脂コーティング形で 型は固1:可2で、竪形成形機を使用ですね。 まず、シルバー発生の過程としては溶融樹脂内に発生した気泡 の薄膜が瞬間に硬化し樹脂同士が融合しないために表面に白く 見えてくる状況です。原因としては66PAの場合ですと可塑 化内で溶融樹脂が滞留し気泡が発生そのままコア内まで射出さ れる。または、ランナーに比べゲートの絞り量が極端に大きい ときにもゲート口で気泡が発生します。 また、金属(異物)のインサートがコア内にある場合は金属に 触れた部分だけ急速に溶融樹脂が硬化し薄膜が発生し、それが 製品表面に出てシルバーになることもあります。 さて、成形機の可塑化ですがノズルは地面側でホッパーは天井 側になっていますね?可塑化の温度はバンドヒーターでゾーン 分けされ、温度設定もノズルからホッパーに向かい低くなるよ う分かれていると思われますが、熱は地面から天井に向かい移 行するものですからこの場合はノズルの高温がホッパーの低温 部を加熱する状況に至ります。最近の機械はこの矛盾を解消す るよう熱の絶縁対策が施されており昔よりは良い結果が得られ ているようです。古い機械と新しい機械の大きな違いはここに あると思われます。 それなら古い機械では生産できないかというと前記の特性を理 解した上でノズルとホッパー側の温度差を大きくしないノズル の温度を可能な限り下げる対策が有効かと思います。 また、成形加工を中断する場合も設定温度を加工時より30℃ くらい下げて放置するか、加工再開時に可塑化内に滞留した樹 脂を全てパージしてから始めるなどの対策も必要でしょう。 型の方の原因は特定してからでないと判断できませんが、可動 の2面の内の片方だけに限定されるのなら精査すれば違いは必 ず見つかると思います。単純にシルバー対策を施すのならゲー トを大きくするのが良いと思われます。 後は、芯金が射出樹脂により暴れた結果、成形品の樹脂の肉厚 が偏肉になっていないか?も原因の一つですので精査してみて ください。この場合もゲートを大きくすることで射出速度を遅 くし芯金の暴れを抑える対策になります。
同一金型で、かつ同一材料(管理法も含む)条件下でのアドバイスですが、 >>古い成形機(17年前)と新しい成形機(4年前)の2台有り、古い機械でモールドするとシルバーが出ます。 機械精度の差では無いかと思います。 スクリュー、シリンダーは使用年数に相応して摩耗していると判断して、摩耗状況下では、スクリュー背圧がかかりにくくなります。背圧のかかり具合が違うという結果としてシルバーが発生していると思います。 ちょっと高めの背圧での計量時間のムラ、2つの機械で同一の背圧での違いなど比較されると判別が行いやすいと思います。実際にはスクリューを抜いての測定が最善策と判断します。 >>連続成形だと出ないが、数分(5分弱)休んだりすると出るときもあるそうですので これは単純に、相応時間熱に晒された熱分解では無いですか?
お礼
早速のご教示ありがとうございます。 おそらく機械の老朽(磨耗)による条件のばらつき等に起因していると思いますので、機械メーカーとも相談してみます。 ありがとうございました。
補足
お忙しい中、詳しい回答ありがとうございます。 非常に参考になりました。 当社成形機はホッパーが天井側でノズルが横動き(単純言うとに戦車みたい)するタイプです。 新旧成形機とも機構は同じなので、可塑化に関する基本的な考え方も同じだと思います。 金型の違いに関しては、精測していない為これから対応したいと思います。 これからもご指導お願いいたします。