ロバーバル機構の解析と証明
質問ではないのですが投稿させて頂きます
「 再:平行リンクのクランプ力計算 」において arigatosanq さんと約束していた
「ロバーバル機構の解析」について僭越ながも発表させて頂きます。また、1670年に
発表された本機構の証明は1804年の一世紀以上後に同じ数学者によりなされたようす
生憎それがどのような証明かは知りませんが、後述の証明方法を私も閃いてしまった
ロバーバル機構の証明>
はじめに>
ロバーバル機構についてマトリクス法でPCで解析してみたところどうも3%程度の誤差が生じ吊り合わなかった。
もしかして「ロバーバル機構」は厳密には吊り合わないのではないのか?という疑問が生じて論文を探したが↓
くらいしか見つけられない。この論文中の軸力 F1=F3 としている部分について言えば誤差にしては大き過ぎるかと
詳細な説明>
「ロバーバル機構の証明」図↓を簡単に説明する。赤色を剛体と考え青色の上下の主・複さおは弾性はりと考える
すると左右の枝(腕)の長さの違いからモーメントの差から節点2、9の回転角は左右の荷重の作用線の傾きに繋がる
従ってこの作用線の延長線上の交点は支点5,6の延長線からε偏心した位置での合力となる。Rは主・複さおの
同一曲率半径であるからε/R はその比から極小になるから殆ど実際上は左右の荷重の誤差が問題になることは、
まづ無く実際実験で証明しようとしても寸法精度や摩擦、材料の剛性、さおの自重等の影響が大きく困難だろう
利用>
戻って、2つの荷重の力の作用線から合力を導き作用点が支点と偏心すると手法は実に単純明快で理解しやすい
但し、静定構造に於いて実際の変形量を考慮した解法などは私の知る限りは存在していなかったと記憶します
よって、この解法は力学上の新手法と言えなくもないのではないかとも思えるが威張る程のものでも無いですね
結論>
「ロバーバル機構」は厳密には吊り合わない。極小の偏心から理論上は必ず誤差が生じる
追記>
更に近年の「電子天びん」も本基本原理が使われている。つまり理論上の誤差等を補正して誤魔化している?
とも言える。秤メーカーではこの誤差を「偏置誤差」と称しているが、初めから誤差が存在する機構だと思う
もしも、理論上にも誤差が生じない「リンク機構」が発見されれば一気に関連特許は10個以上は取れるだろう
新たに「ロバーバル機構の解析 ver101」↓をupしました
部材15を支点間に追加し解析し直しと若干一部修正しました
精度をあげましたが支点7,8のX方向の違いは計算誤差では無いようです
棹の比率によって誤差も少なくなるだろうと思うが無くなりはしないだろう
主・複さおと追加部材15で反力のズレをモーメントとして受けているのが
解析図で目視できます。部材の剛性を上げれば弾性ひずみエネルギー(ひずみ)
として減衰できる量も増えるからこの誤差を小さくしていくことも可能でしょう
現実的には部材や摩擦などの精度と比較すれば完全に吊り合っていると言えますが
理論上はやはり支点に水平方向のズレが生じ僅かに吊り合わないということにする
ことは、それ程までに異論が出ることでは無いだろうと思われます
そう言う意味から言えば、私の「ロバーバル機構の証明」は分り易い
以上をもって、新たな「質問倍返し」が無ければ閉じようと思いますので御連絡
ただ唯一アルミ起歪体の一体構造では、どうなるか興味があるが、そのような
解析環境に無いだけに、文献をみてみたい。恐らく特許の関係上からも極秘の
部分になるだろう。高速選別機等は早く弾性復帰する必要からも振動減衰等の
難しいことも考えなければならないだろうが、これ以上は好奇心が吸収された
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「ロバーバル機構の解析 ver101」
http://www.fastpic.jp/images.php?file=7690813394.jpg
画像2つをuploadしました
「ロバーバル機構の解析 ver102」
http://www.fastpic.jp/images.php?file=3131120171.jpg
前回の誤差の原因を修正しました。これで完全に釣り合います
更に軸力も若干ミスがあり変わりました。済みません最新版で御座います
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「ロバーバル機構の解析 ver200」
http://www.fastpic.jp/images.php?file=1243957072.jpg
上皿の位置が支持棒の真上にあるtypeをlumiheartさんの御要望でB.M.Dのみ
精度をあげようと、あれこれしている内に謝って間違った解析をしてしまった
前回の「ロバーバル機構の解析 ver102」は間違いであった。詳細に言うならば
ヒンジ部分回りで入力ミスがありまして、これが全体のミスに繋がったと思う
っということで、恐らくこれが↓決定版となるであろう・・・
「ロバーバル機構の解析 ver103」
http://www.fastpic.jp/images.php?file=1472607021.jpg
■不静定構造物の次数・・・更に静定構造と思っていたが違ったようです
判別式 n=m+r+p-2k=11+4+4-2*10=-1<0 不安定(構造物とならない)
→考えてみれば荷重差によりフラフラするようでは安定構造の訳は無いのよね
構造物では余り使わないヒンジを多用しなければリンク機構解析は難しいようだ
「ロバーバル機構の解析 ver201」をupしました
ヒンジ部を修正しましたので若干 B.M.D. が違うことが確認できます
http://www.fastpic.jp/images.php?file=1274586195.jpg
「ロバーバル機構の解析 ver103」をupしました
ヒンジ部を修正しましたので若干 B.M.D. が違うことが確認できます
前回ヒンジ部の剛性を下げ過ぎて逆に却って実際から離れてしまったようだ
ヒンジによる誤差は避けられないし、この構造ソフトにおいては仕方のない部分
があります。従ってヒンジ部に若干のモーメントが残るのは誤差の許容範囲と
して考えて頂きたい。さらに今回のB.M.D.では四角形に繋がった構造ゆえ曲げ
モーメントがヒンジ部に生じるものと思われる。これが今の時点での見解です
http://www.fastpic.jp/images.php?file=1472607021.jpg
以上をもって回答を締め切ります。ロバーバル機構を知ることによって力学の
面白さを再確認したと共に、その難しさと奥深さに改めて触れることができた
ことは今後の私の機械設計士としてのスキルにも多大な影響があっただろう
長らく、ご清聴ありがとうございました。当面、構造ソフトが手元から離れて
しまうので解析もできないことから、これにて一時終了させていただきます
ロバーバル機構の解析
ロバーバル機構論文
ロバーバル機構の証明
ロバーバル機構
http://www.fastpic.jp/images.php?file=2288635763p.jpg
http://ci.nii.ac.jp/els/110001825204.pdf?id=ART0001981880&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1380679925&cp=
http://www.fastpic.jp/images.php?file=3958916184p.jpg
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/balance.htm