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民法について分からないことはあります
問題文1は、 Bは商店Aから量販品の服を購入し、所定の期日にBがAに赴いて引渡しを受けることとしていた。Aは、当該服を準備して梱包の上倉庫に保管し、所定の期日前にBに対して引渡しの準備ができた旨の通知したが、Aは、引渡期日前にAの責めに帰すべからざる事由によって当該服を紛失した。BはAに対して損害賠償を請求できるか? 1の答えは、 Aの引渡債務は取立債務であり、Aは弁済の準備をした上でBに通知しているので、口頭の提供が認められる。よって、Aは債務不履行に陥っていないので、BはAに対して損害賠償を請求することはできない。 問題文2は、 Bは家具店Aから量販店のテーブルを購入し、所定の期日に配達してもらうこととしていたが、Aは、配達中に、Aの責めに帰すべからず事由によって当該テーブルを紛失してしまった。 2の答えは、 債務不履行が認められるには、債務者に帰責性があることが必要であるが、目的物の滅失についてAに帰責性はないので、Aは損害賠償責任を負わない。 分からないのは、 問題文1も債務者に帰責性がないのだから、取立債務であることや、口頭の提供があることなどを書かなくても、「債務不履行が認められるには、債務者に帰責性があることが必要であるが、目的物の滅失についてAに帰責性はないので、Aは損害賠償責任を負わない。」のような解答ではいいのではないか? ということです。馬鹿なので詳しく教えて下さい。
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- fujic-1990
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まず、問題文1の回答で「口頭の提供が認められる」と書いてあるのは、「間違いだ」ということは前回のご質問に対する回答で書いた通りです。 口頭の提供が認められるのは、債権者が事前に受け取りを拒否している場合と、債権者が債務者の「現実の提供」を妨害した時だけです(民493条但書)。 第1問では、債権者Bは拒否も妨害もしていないので、口頭の提供は許されず、原則通り「現実の提供」をしなければなりません(民493条)。 なので、「口頭の提供があることなどを『書かなくても』」ではなくて、口頭の提供があるなどと「書いちゃダメ」、なのです。間違ったことを書いたら減点対象です。 さて、今回初めてのご質問部分ですが、 「債務不履行」は、客観的な事実の問題で、「債務の本旨に従った履行をしないこと」を債務不履行といいます。とりあえず、「有責かどうか」は債務不履行であるかどうかとは関係ありません。 どこの条文にも、有責であるかどうかは、債務不履行の条件とされていないからです。条文にない条件、但し書きを勝手に付け加えることは、解釈論の域を逸脱していると言えます。(条文どうしが矛盾している場合のように、よほどの理由がアル場合は認められますが本件の場合には該当しない) 原則として、「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる」とされています(民415条本文)。 但し、民415条には「債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも同様とする」とありますので、 反対解釈として「債務者の責めに帰す "べからざる" 事由によって履行をすることができなくなったときは同様としない(債権者は賠償請求できない)」と解釈することも可能になります。 ※※ この反対解釈によっても「債権者は損害賠償請求できない」ことになるだけで、「債務者の行為が債務不履行ではなくなる」と解釈することはできません。 それを踏まえて、第1問、第2問を見ますと、売買の対象は「量販品」です。 店の責めに帰すべからざる事由によって、その商品が存在しなくなったとしても、履行は可能です。 店に飾ってあった「ピカソの真筆」を売買したというなら、紛失によって『履行することができなくなった』というのは、ある程度は、分かります(紛失したんだからどこかにあるんだろ? 探せよぉ・・・ という突っ込みはしないでおきます)。 しかし、量販店の量販商品の1つを紛失すると、「履行は不可能」になるものなのでしょうか? 代わりに商品棚にある同じ物を持ってきて渡したり、届けたりするのがなぜ許されないのですか? スーパーで、レジ係が買い物籠の中の腐ったリンゴを新しいものに取り替えてくれることがありますが、自然に腐った(リンゴが腐るのは店主の責任ではない)リンゴ1個の売買契約がそれで完了して、履行完了で、代わりの商品を渡すことができない(不可能)なら、スーパーのレジがやっているのは売買契約違反ですよね。 そういう現実離れした解釈でいいと思いますか? 設問1も2も、問題作者が、「責めに帰すべからざる事由により」と言っているので認めるとしても、量販品ですから、紛失によって「履行ができなくなった」とは言えますまい。 ゆえに私は、問い1の回答も問い2の回答も、『債務不履行が認められるには、債務者に帰責性があることが必要であるが、目的物の滅失についてAに帰責性はないので、Aは損害賠償責任を負わない』という回答も、「間違いだ」と断じたいと思います。
- 8739dokusin
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問題文1は量販品のため種類債務となり特定が生じている(なぜなら取立債務で選り分けと口頭の提供があるから)。そして問題文1では特定された服を紛失しているので、履行不能が生じています。そして、債務者に帰責事由がないので、債権者が危険を負担することになり、債権者は債務者に債務不履行責任は問えないです。債務者が責任を負うかどうかは特定が生じていることがポイントになるので、書く必要があるといえます。なお、特定が生じていないならまだ履行不能にはなっていません(民法534条1項2項)。 これに対して、問題文2は特定物の契約ないし契約段階で特定が生じているとすると、債務者の紛失により履行不能が生じます。債務者に帰責事由がない本問では債権者が危険を負担するので、Aに損害賠償を問えません(民法534条1項)。 なお、量販店というところが多少引っかかるのですが、問題文2も同じ種類債務とすると、特定が生じていないとも言えます。送付債務として持参債務と同様になるなら、債務の本旨に従った現実の提供により特定が生じます。配達中に紛失してしまい特定が生じていないので、履行不能にはなっていません。A はまだ債務の本旨に従った履行をしていない。この場合は履行遅滞と同様に考えられます。 でも、量販品と量販店で引っ掛けているのかな?テーブルは量販品ではない、種類物ではない、あるいは個性に着目した特定物といえるのか… とりあえず、問題文1は量販品なので同種…の物があり、種類物といえるので、先に言った通り、履行不能になっていることを示すため特定(選り分けと口頭の提供)の有無を書く必要があるといえます。