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投資理論についての解説
- 資本の使用者費用が増加すると投資は減少する
- 資本の限界生産物の増加は投資を増やす
- 生産技術の進歩により、資本の限界生産物が増加することで投資が増える
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> ア 資本の限界生産物は資本の水準が高まるにつれて逓減すると仮定すれば、 資本の限界生産物とは、資本を1単位増やしたときに増える生産物ですね。 例えば、自動車工場で100万円かけて改修工事を行ったとします(=100万円の投資)。工場の設備的価値は100万円上がります(資本の水準が高まる)。生産量が1日当たり車100台だったが120台に増えるとしとき、120-100=20台という増えた分が限界生産物となります。 しかし、もう100万円かけてみたら日産130台になったとしたら、130-120=10台しか増えていません。さらに100万円かけても5台しか増えなかった、となって、ついには100万円かけて改修しても日産が1台も増えないという事態に至ったとします。 そうなると、100万円をかけて(=資本の水準を高めて)、改修工事をする(=投資をする)ことはありませんよね。 > 新古典派の投資理論では、資本の使用者費用の増加は投資を減らすと考えられる。 新古典派の投資理論で具体的に何を指すか、ちょっと私では分かりかねます。すみません。 上記のような状況であれば、自動車工場に100万円の追加投資をする魅力や意欲は、だんだん下がりますね。そうなると、投資したくなくなるわけで、投資は減ることになるのです。しかし、解説で言っているのは別のことのようです。 > 解説 > 資本の使用者費用とは、資本を1単位利用する際に発生する費用を意味する。 上記の自動車工場の例でいうと、100万円かけて改修した部分が、べらぼうに電気を食うとします。すると、改修100万円かけて日産台数は増やしたんだけど、例えば電気代が20万円もかさむようになったら、作った車を売った利益から増えた電気代を賄わなければならなくなります。それ(=この例では電気代)が「資本の使用者費用」ということです。 > この使用者費用は、資本を調達する際に発生する利子率や減価償却などから構成される。 これを資本という観点で共通して起こる要素で考えると、借金して投資したら(よくある投資行動で、たいていは手持ちでは足りず、だから世の中には銀行がある)、投資費用そのものに加えて利子も返済していかねばならなくなります。資本を投資して得る利潤から利子分が減り、投資意欲を削ぐ要因になります。 さらに、上記の自動車工場の例でいえば、改修した部分は改修直後の評価額は改修にかけた金と等しいとしても、翌年は評価額が下がります。だんだん下がって20年後くらいにはゼロになってします。毎年5%下がることになるわけですね。これは投資した資本で考えると、1年で5%、自動的に減るということになります。 単に資本を現金資金として持っていたら減らない(←預けての利息は考えないとして)。しかし、それを投資したら毎年5%減るというのは、5%を支払うのと同じことです。そう見れば、これも使用者費用ということになります。 > こうした資本の使用者費用が上昇してしまうと、生産者は投資を減らすことになる。 借金して作った資本の利子は高ければ、そもそも借りてまで資本を持ちたくない。投資したら、毎年どんどん目減りするとしたら投資したくない。ですので、使用者費用が大きいほど、投資は減ってしまうのです。借金しないほうがいいし、現金のまま持っているほうがいいからです。 > イ 資本の限界生産物は資本の水準が高まるにつれて逓減すると仮定すれば、 ここはアと同じですね。 > 新古典派の投資理論では、生産技術の進歩による資本の限界生産物の増加は投資を増やすと考えられる。 生産技術の進歩とは、同じ費用をかけても以前より生産量が増える(、そして増えた生産物を売れば、余計に儲かる)、あるいは、同じ生産量であれば以前より安く作れる(から、やはり儲けが増える)ということです。 上記の自動車工場の例でいえば、100万円かけて改修したら、以前は日産30台増しかできなかったのに、50台増にできる技術ができたみたいなことです。30台しか増えないからと100万円の投資を渋っていた投資家も、50台増えるなら投資する気も起ってくるでしょう。20台分、余計に儲かりますからね。 あるいは、日産30台増には改修費が前より少ない60万円で済むとなれば、30台で100万円の出費を惜しんでいた投資家も、30台で60万円なら出せるよ、といったことになってきます。投資を引き出しやすくしますね。つまり投資が増えることにつながるわけです。 > 解説 > 生産技術が進歩すれば、同じ資本でも多くの生産を行うことが可能となる。 生産技術の進歩を、かかる費用を基準として、費用対効果(コストパフォーマンス)の向上と見ている解説ですね。 > したがって、生産者は投資を行い資本を増加させようとする。 上記の通りです。同じ金額の投資で余計に儲かるなら投資意欲をそそる。少ない金額の投資でも以前と同じだけ儲かるなら、前より気楽に投資を決断できる。といったことです。
お礼
具体例を挙げての詳しい御説明ありがとうございます。
補足
大変遅くなり申し訳ございません。ベストアンサーとさせて頂きます。 ありがとうございました。