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MOSFETの選定、Pd値について
- MOSFETを用いて最大電圧60V、継続的に30Aを出力するバッテリーの主電源スイッチを変更したいと考えています。
- Pdの許容損失という値について理解できずにいます。Pdが許容される電力ならば、選定すべきMOSFETは1.8kWとなります。
- 放熱板の取り付けによって選定条件としての妥当なPd値が変わってくる可能性があります。
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Pdの選択については、MOSFET がオンの時のドレイン-ソース間の電圧降下(チェック)ドレイン電流ですから、1.8kW にはなりません。 貴目的に使えそうな製品が秋月で販売されています。東芝製TK100E10N1 スペックはこちらです。 http://akizukidenshi.com/download/ds/toshiba/TK100E10N1_datasheet_ja_20140630.pdf これによりますと、VGS=8V、ドレイン電流30A のとき、VDS(ドレイン-ソース間電圧降下)は0.1V マイナスです。(スペックの図8.1参照) 0.1Vとして、PDS = 30A(チェック)0.1V = 3W になります。 許容損失PD は、255W(スペックの「4.絶対最大定格」参照) この値は、FETのケースの温度を25℃に保った時の値です。 25℃の大気中に放熱器をつけずに置いた場合の許容損失は、1.5W になると思います。 PDmax = (Tch - Ta)/θ(c~a) = (150 - 25)/83.3 Tc: チャンネルの最大温度℃ Ta: 周囲温度℃ θ(ch~a): チャンネル~外気間の熱抵抗℃/W 実際の損失3W より大きいので放熱器(ヒートシンク)が必要です。 どのくらいの大きさのヒートシンクを使えばいいか? こちらにピッタリの資料があります。 http://www.picfun.com/heatsink.html 後ろの方に、「市販の代表的なヒートシンクの熱抵抗」が載っています。 この中の、一番上、16x25x16 で十分でしょう。 これを使った時の許容損失は次のとおりです。周囲温度は50℃とします。 PDmax = (Tch - Ta)/[(θ(ch~ca)+θ(ca~a) = (150 - 50)/(0.49 + 26.4) = 3.7W Tch: チャンネル温度℃ Ta: 周囲温度℃ θ(ch~ca): チャンネル~ケース間熱抵抗℃/W θ(ca~a):ケース~外気間の熱抵抗℃/w 周囲温度50℃において、3.7Wまで許容できます。余裕をみるなら、もう人サイズ大きいヒートシンクを使うと良いと思います。 なお、負荷が誘導性の場合、MOSFET を遮断するとき、大きな逆起電力が発生しますので、ドレイン~ソースに並列にバリスタを入れた方が良いと思います。
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- mdmp2
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No.4 です。 先の回答が文字化け?して、わかりにくくなっていましたので補足します。 X 電圧降下(チェック)ドレイン電流 掛け算記号のつもりで日本語の「ばつ」を変換して使いました。それが、(チェック)と表示されています。 他の部分に(チェック)というのがあれば、それも掛け算記号です。 なお、ついでですが、MOSFET のスイッチは、許容電流以下の電流をオン-オフすることができますが、オンするとき、許容電流を超える突入電流が流れたり、負荷に許容電流を超える過大電流が流れたり、負荷がショートしたりしたときは、即壊れます。そこがメカニカルスイッチと違うところです。 メインの開閉器をリモートでオン-オフ操作したいなら別ですが、そうでないなら、直流NFB を使ったほうが安心です。
お礼
最初の方の回答をベストアンサーにさせて頂きました。 ありがとうございました。
- 4810noja
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電動ミニカーということなので、スイッチから見た直接の負荷は電動モーターのパワーコントローラーでしょうね。 FETの動作シーンとして、OFF時に60Vの電圧がかかっていて、電源ONでパワーコントローラーに電圧供給、走行開始で最大30Aの電流が流れる。走行停止後、電源OFF。というところでしょうか。 電源電圧X電流=FETの損失 という計算は成り立ちません。負荷に電圧を送っているのでFET自身には低い電圧しかかかっていません。 (電源電圧-負荷電圧)X電流=FETの損失 走行時に最大30Aの通電があるとして、Idは50Aの規格であれば十分でしょうが、規格内であってもIdが増えればVdsも上昇しますので損失は急上昇します。なのでPdはデータシートでのId-Vds特性の確認も必要です。たとえば10A時0.5Vなら5Wが、30A時1Vなら30Wの損失となります。 電源をOFFにするとき、負荷に電流が流れていても流れていなくてもさほど問題ではありませんが、電源をONのするときに大きな電流(インラッシュ・カーレント)で負荷を充電しないか注意が必要です。これはVgsの立ち上げをコントロールすることで抑制できますが、SOAとの兼ね合いで決めます。 なお、私の大失敗経験ですが、Vgsを余裕をもって設定しなければ能力を発揮せず焼損に至ります。 デバイスの一例 http://www.infineon.com/dgdl/irf8010pbf.pdf?fileId=5546d462533600a40153560cce1f1d47 http://www.marutsu.co.jp/GoodsDetail.jsp?salesGoodsCode=46208&shopNo=3
お礼
ありがとうございます。 それぞれの要素が相互影響するため、門外漢が一目瞭然、決め打ち出来る選定条件というのはなかなか難しいのですね。 もう少し掘り下げつつ、トライ&エラーで身に付けていきたいと思います。
- 86tarou
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許容損失とは、その素子が許容出来る消費電力です。これはジャンクション温度により変わってきますので、放熱器によってその温度が抑えられるなら許容損失は上がることになります。 これを求めるにはその電流を流した時にFETに掛かる電圧(ドレイン、ソース間)と電流を掛ければ算出出来ます。または、データシートからドレイン電流対ドレインソース間抵抗のグラフから読んでもある程度は推測出来るかと(ゲート電圧も条件以上として)。 放熱器は、個体毎に消費電力から温度上昇値が決まっているので(データーシートにグラフが載ってることが多い)、最大周囲温度とFETの定格からジャンクション温度がそれより十分低くなるように選定することになります。この時放熱器とFET間の熱抵抗もあるため、これも勘案する必要があるでしょうか。 http://www.picfun.com/heatsink.html
- kuro804
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おはようございます。 ”60*30=1.8kW”という値は負荷に供給出来る(又は供給される)電力です。 今、バッテリー側の電圧が例えば60.5Vで電流が30.0A、 MOSFETの出力側の電圧が60.0V、電流が30.0Aだとすれば MOSFETで消費される電力はMOSFETで発生した電圧降下分の 電圧0.5Vと電流30.0Aを掛け合わせた電力でPd=0.5x30.0=15Wとなります。 その他、最大定格は一般に一瞬でも越えてはいけない値です。 通常のMOSFETは極めて高速な素子ですので時間で言えば1μ秒の100分の1(10n秒)程度でも問題になります。
お礼
ありがとうございました。 kuro804様の回答でおぼろげながらPdがどんな値なのか掴め、他の方の回答を理解する事ができました。 感謝です。
補足
早速の回答ありがとうございます。 Pdは回路全体に許容される電力ではなく、MOSFETそのものが消費してしまう電力という事で、Pd値が小さいものほど、ロスも発熱も抑えられるので、選定の際は他の条件を満たしつつ、よりPd値の小さなものをと考えて問題無いでしょうか?
お礼
ありがとうございました。 具体的な候補もあげて頂き、とても助かりました。 現状、DC大電流対応のトグルスイッチを使用しているのですが、手元のバイク用集合スイッチからコントロールしたくてMOSFETでのリモート化に思い至りました。 アドバイスを受け、MOSFET破損時にも電源が落とせるよう、機械式スイッチも残したまま、リモート化を進めてみようと思います。