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業務上横領事件を起こした者を雇っていた法人を訴える

業務上横領事件を起こした者を雇っていたNPO法人を、使用者責任云々で訴えることが出来ると聞きましたが、本人が退職した後でも可能ですか? 金銭的な損害を被ったので損害賠償請求できると思いますが。 また、警察はそれらの事実を知っても本人を刑事告訴していれば雇い主側の法人を告訴することはないのでしょうか? 参考までに色々教えてください。

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  • kuzuhan
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回答No.1

まず業務上横領罪は刑法253条に定められているものであって、使用者責任について規定している民法715条とは規定が全く異なります。前者は刑事事件、後者は民事事件です。 使用者責任を果たしていないことによる損害賠償請求は、「実損害があるか」「実損害がある場合それが補償されたか」「使用者が業務上における監督責任を果たせていたか」「請求時効を迎えていないか」あたりが請求できるかどうかのポイントです。 単純に業務上横領をした者を雇っていただけでは請求は出来ません。実損害が不明だからです。 次に、業務上横領が発生したことにより、こちらに何らかの実損害が与えられているか。例えば、業務上横領をしたことにより品質基準を不当に下げられた(本当は100万円分のものを発注したのに50万円のものが用意され、50万円が横領された場合)場合は該当します。業務上横領をしていても、こちらに渡された品物が注文どおりであった場合は実損害はないと考えられます。 次に使用者責任と言う観点で、使用者側が通常の業務内でこの横領を見抜くことが可能であったかとうかという部分です。例えば「その横領の事実のあった期間の初回の監査によって横領の事実が判明した」場合は過失とまでは言えません。横領の事実を知ったにもかかわらず、公表を遅らせたりした場合は使用者も損害を隠していたことになりますので過失になります。これは「当時雇い入れていた事実がある」のであれば、横領した当人が退職していても責任を問うことは可能です。 最後に請求権の時効は民法724条で「不法行為を知ったときから3年」と規定されています。この知りえたときとは、横領の事実が明るみに出た時点を起算日とします。3年経過しているならどんな場合でも請求は行えません。 使用者責任に寄らず「A社との契約上、A社で発覚した不法行為によってこれこれという損害を被ったことに対する損害賠償」を求めた方が早いと思われますが、このあたりは弁護士とよく相談されるべきでしょう。 刑事事件としての「業務上横領罪」は個人に対しての刑罰ですので法人を告訴するのは難しいと考えられます。横領行為を行ったのはあくまで個人である、会社ぐるみであった場合はその関わった個人全員に対して業務上横領罪が成立することになります。 警察自身は告訴をしません。捜査上、罪があると判断できる場合に逮捕状を請求し検察へ書類送検するまでが守備範囲です。法人としては無理でも、例えば「雇い主にあたる何々会社の何とか社長も関与している」と告発することは可能ですが、不当に告発した場合は虚偽告訴罪(刑法172条)としてこちらが逮捕されます。 普通は「A社の何々君との取引の中で不正と思われる会計処理が発覚した。横領に当たる」と明確な証拠を持って告訴がされます。そして、警察は何々君周辺その他を捜査し、刑事罰をうけなければならないと考えられる関係者を逮捕する、という形になります。

natsumega
質問者

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詳しくありがとうございました♪

その他の回答 (1)

  • hekiyu
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回答No.2

"業務上横領事件を起こした者を雇っていたNPO法人を、 使用者責任云々で訴えることが出来ると聞きましたが、 本人が退職した後でも可能ですか?"  ↑ 本人が退職しても可能ですが、それ以前の問題があります。 NPO法人が、横領した人間を訴えることは出来ます。 被害者ですから、当然です。 訴えて、刑事、民事の責任を追及することは可能です。 刑事の責任を追及するのは警察、検察になりますが。 だからといって、NPO法人を訴えることは無理です。 被害者に過ぎません。 使用者責任、というのは、従業員などが第三者に損害を 与えた場合、第三者が使用者の責任も一緒に追及できる、という もので、民事の問題になります。 ”金銭的な損害を被ったので損害賠償請求できると思いますが。”      ↑ 業務上横領で損害を被るのは、通常は法人ですが。 第三者が損害を受けた場合は、法人に使用者責任として 損害を請求出来る場合があります。 ”また、警察はそれらの事実を知っても本人を刑事告訴していれば 雇い主側の法人を告訴することはないのでしょうか?”         ↑ 法人を告訴できるためには、法人そのものの犯罪と 言える場合であることが必要です。 そういう場合は、刑法などではなく、法人の犯罪を認めた 一部の特別法の領域に なります。 刑法は、あくまでも個人の犯罪を規定したものだからです。 尚、刑事告訴するのは警察ではなく、検察です。

natsumega
質問者

お礼

ありがとうございました♪

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