- 締切済み
無声放電の放電パルスについてなんですが!
無声放電の放電パルスのことについてなんですが、まず電極板間に誘電体と空気が直列にならんだ形となっていて、そこに交流電源をつないだ形となった回路図を考えるのですが、印加電圧を大きくすると放電開始電圧まで達し、放電し電圧が落ちるのですが、なぜ放電すると電圧が落ちるのですか?その電圧はどこにいったのですか?また、電圧上昇中放電開始電圧から電圧最高値まで放電するのですが、なぜ最高値から放電開始電圧の下降時の間では、放電開始電圧以上なのに放電がおきないのですか?ヒントでもよろしいのでお願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- LCR707
- ベストアンサー率70% (95/135)
回答範囲を絞れないので、ちょっと広く浅い話をします。(雑談みたいになるかも) 放電現象は、#1でも述べたように負性抵抗領域を持つので、必ずと言って良いほど何らかの電流制限素子を直列に入れます。(入れずに放電させれば、それは事故みたいなもので、悪くすれば溶断・破裂・爆発などを起こします)。例えば、小さなネオン球であれば抵抗を入れます。グロー式蛍光灯なら、安定器というインダクタです。インバータ式蛍光灯の場合は、電子回路が電流制限機能を果たすでしょうが、さらにコンデンサを直列に入れたものもあるようです。 今回質問の無声放電は、電極部に誘電体を入れ、コンデンサを集中定数では無く分布定数として実現することにより、微小な放電が電極の各部で均等に生じるように工夫されたものです。集中定数回路の場合は、放電が電極の一部に集中してしまうことにより、強い光と高熱による放電音を生じますが、誘電体を入れて電極全面に放電を分散させることにより、音や強い光の生じない無声放電が実現できます。これはイオンやオゾン発生器を組み込んだ製品に良く使われているようです。 電気回路としては、集中定数回路で考えても同じなので、放電開始から放電終了までを簡単に解析してみます。 電源電圧を e 、コンデンサ電圧を Vc 、放電ギャップ間電圧(この場合2つの電極間ではなく、実際に放電する空間の電圧。例えば電極と誘電体表面など)を Vg とすると、 e = Vc + Vg … (1) であり、放電電流を i 、コンデンサ容量を C とすると Vc = (1/C) ∫i dt … (2) という2つの式ができます。 ここで横軸を電流、縦軸を電圧としたグラフに Vg の特性を書くと、Nという字を少し傾けたようなグラフになります。このとき、左上の頂点は放電開始電圧であり、右下の頂点は放電を維持する最低電圧です。 負荷線は、抵抗の場合、左上から右下に下がる直線であり、これとN字型グラフとの交点が動作点になりますが、コンデンサの場合は、傾き0の水平線になります。そしてその負荷線の電圧は、 Vg = e - Vc … (3) となり、電源電圧からコンデンサ電圧を引いた値になります。 1.最初放電していない場合、電流が流れていないので Vc は一定であり、(3)式により電源電圧上昇と共にギャップ電圧も上昇します。 2.Vg が放電開始電圧に達すると、放電を開始し、動作点はN字グラフの右上、非常に大電流の所に移動します。 3.(2)式により、コンデンサは急速に充電されるので、負荷線は下がり、動作点はN字の右下あたりに移動します。 4.電源電圧が増加しているとき、その増加率を Vsr [V/s] とすれば、これによる充電電流 Isr は Isr = Vsr・C なので、放電は、 Isr の動作点あたりに落ち着きます。 5.電源電圧の増加率が減ったり、逆に電源電圧が低下を始めると、放電電流が減少して動作点はN字の右下に達し、放電を維持するに必要な電圧を割り込むので、放電が終了します。 コンデンサを電流制限に用いた場合、その放電エネルギーは電源の周波数にほぼ比例します。従って、発振周波数を変化させることにより、容易にイオンやオゾンなどの発生量を制御できるという特色があります。
- LCR707
- ベストアンサー率70% (95/135)
>なぜある電圧値まで止まるのですか? すみませんが、上記質問の意味がわかりません。もう少し詳しくお願いします。
- LCR707
- ベストアンサー率70% (95/135)
電極間に誘電体と空気が直列になっているのは、コンデンサと放電ギャップが直列になっているのと同じでしょう。放電ギャップが放電を開始して電流が流れると、それはコンデンサを充電して充電電圧を生じるので、ギャップ間電圧が低下します。しかし、電源電圧が上昇を続けていれば、放電電流を維持できるので、放電が継続します。 放電現象は、電流が増えるほど放電電圧が減少するという負性抵抗領域を持つので、放電中のギャップ電圧は、放電開始電圧より低いはずです。従って電源の電圧最高値では、その電圧の大部分をコンデンサの充電電圧が占めます。そのため、電源電圧がピークから下がり始めると、すぐにギャップ電圧が0Vになり、放電が停止します。 電源電圧の波形が正負対象であれば、次の半サイクルではコンデンサの充電電圧が付加されるので、かなり低い電圧から放電を開始するでしょう。
補足
なぜ、放電すると電圧が下がるのかは、LRC707さんのおかげでわかったのですが、なぜある電圧値まで止まるのですか?