- ベストアンサー
なぜ宿根草は根だけ残して冬越しできるのか?
- 宿根草は、冬になると地上部が枯れてしまいますが、根だけが生き残ります。
- 根の中には冬を越すための栄養や水分が蓄えられており、春になるとそれを利用して芽を出すことができます。
- 宿根草は、無性生殖という繁殖方法を持っており、受粉しなくても自己増殖ができます。それによって、根から新しい芽を出すことが可能になります。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
>そもそも 種でない部分から【芽が出る】というのがよくわからないのだそうです。 動物と植物の違いの大きな点の一つです。 >例えばジャガイモの根の細胞ひとつひとつにクローンを作れる何か特別なものが入っているのか? 特別なものが入っているのではなく、植物が持っている性質の一つです。 >『種でないくせに芽を出すって何なのよ!』という感覚です。 挿し木のお話をされたことはありませんか。 挿し木は枝を土に挿すだけで根が出てきます。 お豆を濡れた脱脂綿の上に置いておくと根が出てきます。 お豆は種ですが枝は種でもないのに、何で根がでるのよ!ということになります。 動物の場合怪我をすると、皮膚が元どおりに治ります。 手術で胃などを半分切り取っても元どおりの胃に戻ります。 逆に言いますと、胃が元どおりになる際には胃以外のものにはなりません。 胃が突然半分だけ肝臓になってしまうということがありません。 これが人間を含む動物の体の大きな特徴です。 これに対して植物は傷が治るときに必要なものに変わって行くという性質があります。 木を切り倒した跡の切株に芽が出てきます。 幹がそのまま上へドンドン大きくなって行くことはありません。 これは傷がついたときだけではなく、枝の横の方の何もない所に芽が出てきて新しい枝になる、ということが普通におきています。 これを利用して植木屋さんは木の形を整えます。 このように植物の体全体に必要なものに変わるという性質があります。 学術用語では分化全能性と呼ばれる性質です。 動物の場合にはこの性質を持っているのは卵などだけです。 つまり卵と種は同じ性質を持っているけれども、動物は体の各部分が機能毎に分かれた後はこの性質を無くしてしまいますが、植物は持ち続けています。 菊などの場合には葉っぱだけを挿しても立派な苗となりやがて花を咲かせます。 桜の花は枝から細い茎が出てその先に花がさきます。 サクランボについている茎がこの名残りです。 梅は太い枝に未着して咲きます。 このように枝の両脇全体から種でもないのに芽が出て伸びて蕾になり花になり実がなります。 パパイヤなどは幹からいきなり芽がでて実がなります。 宿根草の根も同じ性質を持っています。 根の適当な位置が芽となってやがて地上へ出てきて花を咲かせるようになります。 これは宿根草だけではなく古くなった大木の根元から芽が出てくることは普通にあります。ひこばえと呼ばれます。 稲刈りをした後の切株から芽が出てくることもあります。 先般話題になったiPS細胞事件は、この植物のような何にでも変わることができる細胞を簡単な実験で作り出せた、と発表した女性学者の論文がインチキだったという事件です。 ノーベル賞を貰った山中博士は精密で面倒な実験で作りだすことに成功しました。 つくり方が基本的に違っていました。 なぜ植物が分化全能性を成長後も持ち続けているのか、という点については未だに研究が続けられています。 植物細胞培養 -その確立と応用- - 京都大学生存圏研究所 www.rish.kyoto-u.ac.jp/articles/seminar/S0126_Ogita.pdf 小学校4年生が細胞とか細胞分裂ということを学習されておられるの否かが分かりませんでしたので、わかり難い説明になったかと思いますので、何かあれば補足で追加質問をお願いします。 蛇足 季節がら挿し木に適した時期ですので、沈丁花やユキヤナギ、レンギョウなどで是非挿し木を試みて下さい。 何で、茎から根がでるのか?という宿根草とは反対の現象を経験できます。
その他の回答 (5)
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
>ご回答を拝読し、あれ?これってips細胞とかとつながる部分なのかな… 他の種類のどんな細胞にも変わる事が出来るという能力(分化万能性、全能性)を持つという点では確かにiPS細胞(誘導多能性幹細胞)やPS細胞(多能性幹細胞)と共通する部分もありますが、植物細胞はこれらの幹細胞とは微妙に異なります。 動物の細胞には皮膚の細胞、骨格筋の細胞、内臓を構成する平滑筋の細胞、神経細胞、脂肪細胞、等々、様々な種類の細胞があり、その種類によって細胞の構造や働きは大幅に異なっています。 これらの様々な種類の細胞は、元々は1個の受精卵の細胞が元になっていますが、分裂を繰り返して行く内に、身体内で配置される場所や役割の違いによって異なる種類の細胞に特殊化して行きます。 この様な細胞の種類に従って特殊化する事を分化と言います。 哺乳類等の高等動物では通常の場合、分化によって特殊化が進むと、一部の遺伝子にロックが掛かり、他の種類の細胞が持っている機能や構造を発現させる遺伝子の働きの一部が停止するため、他の種類の細胞に再度分化し直す事が出来なくなります。 幹細胞というのは、完全に分化し切ってしまうよりも前の未分化の段階のままで分裂を繰り返して増殖する細胞で、分化し切っていないが故に、まだ他の種類の細胞に分化する能力を保持しています。 但し、単に未分化と言いましてもその段階は様々で、受精卵の細胞の様に分化を全くしていない段階のものもあれば、比較的分化が進んだ段階の細胞で、別の種類に変わると言ってもほんの数種類の細胞にしか分化する事が出来ないものもあります。 多能性幹細胞とは、分化があまり進んでおらず、未分化のまま分裂を繰り返して増殖出来るとともに、多くの異なる種類の細胞に分化する事も出来る細胞の事です。 幹細胞は定義の上では 「分裂して自分と同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖出来る細胞」 とされていますが、この様な性質を持つのは未分化の細胞しかなく、分化が進んだ細胞は幹細胞とは言えません。 プラナリアの様な細かく切り刻まれても再生する様な動物であってもそれは同じで、切り刻まれたプラナリアの断片が、1個体にまで再生するのは全身に幹細胞が分散して存在しているためであって、細胞の全てが幹細胞という訳ではありません。 一方、植物の細胞にも様々な種類があり、分化が進んでしまったものは、そこから直接別の種類に分化する事は出来ませんが、植物の皮の下などには幹細胞が多く存在していますし、植物の細胞の場合は一旦分化してしまった細胞が、栄養やホルモン等の刺激によって、簡単に未分化の幹細胞の状態に戻る事も出来るのです。 分化が進んだ細胞が、他の種類に分化する能力を再び持つ様になる事は動物のPS細胞(多能性幹細胞)ではありえず、その点では植物の「分化が進んだ体細胞が幹細胞に変わったもの」はiPS細胞に似ているかも知れませんが、iPS細胞の場合は、分化の進んだ細胞に外から数種類の遺伝子を入れてやる事で強制的に幹細胞に戻しているのに対し、植物の体細胞が幹細胞に戻る際には外から遺伝子を入れてやる必要は無く、ホルモン等の外部刺激だけで幹細胞化させる事が出来るのですから、iPS細胞というよりも、(存在しない事がほぼ確実となった)STAP細胞に近いと言えるかも知れません。 只、ここで間違えないで頂きたいのですが、幹細胞とはあくまで未分化な細胞の事であり、iPS細胞やSTAP細胞は分化が進んだ体細胞を基にして作られる「未分化な状態の細胞」の事なのです。 それに対し、植物の細胞の中には幹細胞も存在していますが、その他にも分化が進んだ体細胞も存在しています(と言いますか、こちらの方が多数派です)ので、植物の細胞の中でもそういった「分化が進んだ細胞」は幹細胞とは言えず、幹細胞ではない以上、PS細胞、iPS細胞、STAP細胞とは異なるものだと言えます。 尚、植物の細胞はホルモン等の化学的刺激で幹細胞化しやすいと言っても、それはあくまで動物の細胞と比べた場合の話であって、幹細胞になり易さの程度は植物の種類や細胞の種類によって異なり、幹細胞になり易いものもあれば、なり難いものもあります。 私も良くは知らないため断言は出来かねますが、もしかしますと幹細胞になる事が殆ど無い植物細胞というものもあるかも知れません。 【参考URL】 幹細胞 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E 人工多能性幹細胞 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E 分化能 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%8C%96%E8%83%BD 全能性 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E8%83%BD%E6%80%A7 万能細胞 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E8%83%BD%E7%B4%B0%E8%83%9E 刺激惹起性多能性獲得細胞 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%BA%E6%BF%80%E6%83%B9%E8%B5%B7%E6%80%A7%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E7%8D%B2%E5%BE%97%E7%B4%B0%E8%83%9E 基礎生物学研究所 > ニュース > 過去のニュースアーカイブ/2011 年 > 2011年 09月 10日/分化細胞の幹細胞化において、細胞周期制御因子が細胞周期再開と他の幹細胞化過程を協調的に制御していた http://www.nibb.ac.jp/pressroom/news/2011/09/post-40.html
お礼
再度の詳しいご回答を有難うございました。 お恥ずかしながら…私母の頭がいっぱいいっぱいで… リンクを辿らせて頂きながらゆっくり理解を進めております。 この度の質問がipsにつながるとは思ってもいなかったのですが 息子の漠然と持ち続けていたipsってなに? 小保方さんは何で怒られてるの? みたいな疑問もなんとなく解けた様です。 息子の質問を調べ様にも どこから何のワードで検索して繋げていけば良いのかも分からなかったもので助かりました。 ありがとうございました。
No.4です わざわざお礼を記入頂き有難うございます。 お礼に追加の質問がありましたので説明させて頂きます。 「根の細胞自体が芽や根や茎として違う細胞として再生してくる。植物はips細胞みたいなもの。種類によってips細胞っぽい部分は異なるけれど(分化全能性)…という理解になったのですが」という御理解で間違いはありません。 言葉としましては「ips細胞っぽい」のではなく、植物の細胞といいますのは、どの部分でもPS細胞(多能性幹細胞=組織幹細胞)の性質を持っています。 この性質を利用した組織培養という方法があります。 小学校4年生ではなかなか難しいかと思いますが、下記のサイトに動物や植物が始めは一つの細胞からダンダンに分裂して各々の器官に分かれていく過程を説明した図がありますのでご覧願います。 高校生物:発生 - LaCoocan 初期ページ spider.art.coocan.jp/biology2/embryology2012.htm 動物の発生 第2節 発生のしくみ 図1-2 幹細胞と分化細胞 全能性幹細胞→多能性幹細胞(組織幹細胞)→単能性幹細胞→分化細胞の順番で細胞分裂を繰り返して各器官ができます。 動物は分化細胞の段階になりますと、多能性幹細胞の性質を失いますが、植物は持ち続けているということです 多能性幹細胞(pluripotent stem cells)につきましては下記のサイトの説明が分かり易いかと思います 多能性幹細胞とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書 www.weblio.jp/content/多能性幹細胞 組織培養を家庭でもできる方法を説明したサイトがあります 植物の組織培養 -PCRB- www.river.sannet.ne.jp/copanda/Plants/TCindex.html 各項目をクリックしてください。 ただし、実際に家庭で無菌状態を維持するのは相当に難しいかと思います。 蛇足 小学生であれば細胞のイメージはみかんで説明してください。 みかんの房のジュースが詰まった小さな粒粒の袋が一つの細胞です。 鶏の卵も実は一つの細胞です。 学童向けの顕微鏡などがあれば、それで葉っぱを薄く削いで覗けば細胞を見ることができます。 もやしの根の先端を見ると成長点の様子が分かります。
お礼
再度のご回答有難うございました。 前ご回答も息子の疑問ひとつづつに丁寧にお答え下さっていて 大変分かり易く、息子と一緒に拝読させて頂きました。 ips細胞についてもいままで「ips細胞って何?」と聞かれながら 「こども新聞に書いてなかった?」(←最近購読を始めましたので)と逃げていましたが ichikawaseiji様のご回答を拝読させて頂きまして 「なんだ~そういう事なんだ~。」と…今まで 結構長い間漠然とipsってなに?スタップってなに?と思っていたのも なんとなく分かったそうです。 母親の私は、お恥ずかしながらいま流行の【ビリギャル】ならぬ竹の子族世代の【ビリ[のまま]ギャル】でしたのもので… (世代が全く違ってご存じなかったらすみません!) 今回の息子の質問に、あ…高校生物をちゃんとお勉強されていた方はこんんな事分かるって感じなのかなぁ…。 (サイトなどで調べながら)分からな過ぎてイラッとする~…。〇○の知りたい事とつながらない…と愚痴をこぼしつつ 諦めてこちらでご質問させて頂いておりました。 なにやかにやとこちらのサイトの博学な皆様にお助け頂いております。 今後も『息子の…』とご質問させて頂く事と思いますが 何卒宜しくお願い致します。 有難うございました。
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
球根、地下茎、塊根、等々で増える増え方を栄養繁殖と言います。 【参考URL】 栄養繁殖 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%84%E9%A4%8A%E7%B9%81%E6%AE%96 例えば木の枝を切ると、切り口のすぐ根元側に新しい芽が出来て、そこから新しい枝が伸びて、枝が無くなった所を補いますが、別に切り口の所から根まで生えて別の株となって独立する訳ではありませんね? 又、幹を根元から切り倒した場合にも、切り株から芽が生えて、切り倒された地上部分を補います。 動物でも、イモリなどは脚を切り落とすと傷跡が盛り上がって再び脚が生えて来ますし、トカゲやオタマジャクシでも尻尾が切れて無くなれば又生えて来ます。 人間でも小さな子供の内は、指先の第一関節よりも先の部分であれば、切れて無くなってしまっても又生えて来るそうです。 >うでから 突然赤ちゃんがびょーんって出てくる と考えるから違和感があるのだと思います。 赤ちゃんが出来るのではなく、怪我で無くなった部分が再生されるのと同じ様なものだと考えて下さい。 動物でもプラナリアやヒトデ等では、切り刻まれてバラバラにされても、その断片の1つ1つが新たな個体として再生します。 それと同様に、植物の多くは体の一部からでも全体を再生する事が出来る訳です。 球根や芋、零余子などは、その再生能力を応用して、敢えて元の個体から切り離されて別の個体となる事を前提として、前もって栄養を蓄える様に進化した結果なのです。 宿根草が根だけで越冬するのも、季節によって環境の変化が激しい地上部分を残すためにエネルギーを割くのを止めて、根だけで生き残る様に進化した結果ではないかと思います。 因みに、クラゲやイソギンチャク等の一部の動物では、正に >うでから 突然赤ちゃんがびょーんって出てくる 様に、身体の一部から新たな個体が生えて来て、分離して増える場合もあります。(これを「出芽」と言います) 中には、卵をめったに作らず、出芽を主な繁殖手段としている種類も少なくありません。 又、ヒトデやイソギンチャクの中には、出芽の極端な例として、「分裂」を主な繁殖手段としている種類もあります。
お礼
ご回答ありがとうございました。 ご回答を拝読し、あれ?これってips細胞とかとつながる部分なのかな… と、調べていました。 植物の中で再生能力を進化させた形…という理解ができました。 ありがとうございました。
- qwe2010
- ベストアンサー率19% (2193/11072)
根だけが生き残っているのではありません、 来年芽立つための準備をして地下茎だけを残して生き延びているのです。 桜などの落葉樹も、来年の為の、新芽になる元をつくって、葉っぱを落としているのです。
お礼
ご回答ありがとうございました。
- tzd78886
- ベストアンサー率15% (2590/17104)
根が生き残るものは、寒くなる地域に生息するものが大半です。根に栄養分が蓄えられて新たに芽を出します。これを前年と同じ個体と見做すかどうかは考え方次第です。遺伝子的には同じですが、一卵性のきょうだいのような考え方もできます。
お礼
ご回答ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございました。 丁度kagakusuki様からのご回答に あれ?iPS細胞が脚光を浴びているという事は… と気が付き、頭の中を整理&調べていたところでした。 お言葉に甘えまして…ご質問させて下さい。 植物の中にはipsみたいな細胞の能力があり、特にそれを進化させて増殖(繁殖?)していく。地下茎の部分を進化させていたり 塊根であったり 塊根の形ををとらず根の形で増殖していくものがある。 根の場合(茎の場合も)そこに冬芽みたいなものを残しているわけではなく、根の細胞自体が芽や根や茎として違う細胞として再生してくる。植物はips細胞みたいなもの。種類によってips細胞っぽい部分は異なるけれど(分化全能性)…という理解になったのですが ただしいのでしょうか。 お手数をおかけいたします。