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通貨高の国がインフレになる理由とは(輸入品まで
オーストラリアは資源大国であることもあって、2000年以後から豪ドルは基本的に(リーマン・ショック時期を除いては)通貨価値は上昇を続けて来ました。 しかし先日のニュースでオーストラリアがインフレで困っていて、500mlのコカ・コーラが350円もするとやっていました。普通通貨価値が上がれば海外から安く物が買えるようになり、物価は下落しますよね、コカ・コーラなど。 なんで通貨価値が上昇して来た国が、高いインフレで困ることになるのでしょう?
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- fujic-1990
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あらかじめお断りしますが、私は豪ドルレートの推移や、豪州のインフレ状況を知りません。「通貨価値が上昇してきた豪州が、今、高いインフレで困っている」のはなぜか、ということを逆算的に考えてみた結果です。 インフレというのは、ザックリ言うと、国内に通貨が余っていて物資が足りない状況です。 通貨が余っているのは、豪州の中央銀行が豪ドルをたくさん市中に流したからです。中央銀行が豪ドルを刷らなければ流れません。 なぜ流したのかというと、豪州政府がインフレを狙っているという話は聞いたことがナイことや豪州が資源国である(発展途上国型だ)ということを考えると、アメリカの投資・投機資金が流入したのではないかと思われます。 そういう資金が入ってくると、それに見合った豪ドルを出さざるをえませんから、市中にだぶつきます。インフレになります。 そこでインフレになるかどうかのもうひとつの要素、資金移動・回転の速さも問題になります。 金は天下の回りものと言いますが、大量の資金が市中に出回っても、みんなタンス預金になって資金の回転が止まればインフレはおきません。逆に少量の資金でも、ばば抜きするように、みんなが争って品物に交換しようとしたら、インフレになります。 豪州の場合、外来の資金によって景気が良くなり、ドンドン設備投資などにお金の回転速度が高くなったものと思います。好景気なので通貨も高くなるでしょうが、国内的には品物に対する需要が高くなっただろうと思われます。 こういう場合、品物を輸入して需要に見合う供給をすればいいのですが、外来の資金が「投機」である場合、「すぐ逃げ出す」ことを警戒しなければなりません。 逃げるとは、豪ドルを売って米ドルに換え、米ドルを国外に持ち出すことです。 逃げ出すとき、市中に豪ドルがだぶついていれば(それに見合うだけの大量の米ドルが中央銀行の金庫に眠っているはず)、市中の”余っていた豪ドル”が中央銀行の手元に戻り、中央銀行が持っていた米ドルが減るということで元に戻るだけです。 しかし、(品物をたくさん輸入したせいで)中央銀行の米ドルが減っていたら、少ない米ドルを買うために大量の豪ドル必要になる(豪ドルレートが下がる)。大量の豪ドルが市中から消え中央銀行に戻りますので、市中に豪ドル不足が生じます。 急速なデフレです。資金不足から破綻などが相次ぐことになりかねません。 「それよりは、あまり輸入しないで、豪ドルをだぶつきぎみにしておこう」と、私が豪州政府なら考えるのではないかと思います。 インフレは、その結果なのではないかと思います。 現にいくつかの発展途上国では、アメリカの景気回復に伴い、資金が逃走(撤退)し始めて困っているようです。 それらの国でも、最初は投機資金で国内が好景気に沸き、喜んでいたものの、その後インフレが進むので金利を下げて流入を抑え、さらに後のアメリカへの資金回帰に伴い、それを防ぐために金利を上げていたはずです(NHK特集 名前は「資金大移動」でしたっけ?)。 ですから、一口で言えば、「資金が"過剰"に流入した国では、為替レートと無関係に、インフレになるものだ」ということになるのではないでしょうか。