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法人税の無条件減税に反対する理由とは?
- 法人税の無条件減税に反対する理由の一つは、推進派のレトリックが稚拙であることです。
- 日本の対内直接投資残高対GDP比率は3.4%で低いですが、アメリカは18.8%です。
- 法人税率と対内直接投資残高のリンクをアメリカの例で崩壊させることができます。
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簡単に言っちゃうと、この論者によれば、まず法人税減税派を、「法人税が安い国に、企業(人やカネ)が集まってくる」と、幼稚な主張していると定義付けています。 その証拠として、「実際には、日本より税金が高いアメリカの方が、企業が集まってるじゃないか!」と言っているワケです。 従い、全体的な論調としては、大きな間違いは無いとは思います。 ただ、この論者は、「レトリック(修辞技法)」を、「詭弁」などの悪い意味で用いている様ですが、この論者自身も、強調的なレトリックをかなり使ってて、「アメリカの事例を出すだけで崩壊」なんてのがソレですね。 実際には、「法人税と対内直接投資残高は、絶対的な相関関係があるワケではない。(例外もある。)」くらいが妥当ではないか?と思います。 あるいは「まるで発展途上国のごとき主張」などと言いつつ、では「日本とアメリカの経済や市場は類似」と言う論証もありません。 日本はかつて、アジア経済の窓口的に、高い水準の対内直接投資を得ていましたが、現在は中国(北京,上海)や香港,シンガポールなど、周辺各国にも窓口機能が分散してきています。 日本はアジアスタンダードから、アジアスタンダードの一つになりつつあるワケです。 一方のアメリカは、今も昔もグローバルスタンダードの一つで・・。 そんなアメリカと比べるのは、さすがに経済大国の日本でも、ちょっと難しい部分はあるかと。 即ち、「アメリカと言う例外がある!」と言う場合、単にアメリカそのものが例外なのかも知れません。
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- elimakitok
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「対内投資比率が高い」を現象A、「経済的に成長する」を現象B、「法人税率が低い」を現象C、として、問題の文章を 「法人税引き下げ推進派は、[(1)日本はNotAである。(2)NotAならNotBである。(3)CならばAになる。]と主張しているが、日本を米国と比較すると、[CだがNotAである]状態であり、(3)の反例となっている。即ち、(3)は、一般論としては成立しない。」と書き直してみたら分り易くなりませんか。
お礼
回答ありがとうございました。 勉強になりました。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
簡単に言えば ・日本の対内投資が少ないのは税率が高いからであり、対内投資を増やすためには税率を下げるべきだ という命題を主張する人に対して、 ・アメリカは日本よりも税率が高いが対内投資が多い という例を出して命題を否定している、ということです。 もっとも、たった一国だけ、しかも他の要因を一切コントロールせずに税率と対内投資だけしか見ないのは、下り坂に差し掛かった車がブレーキを踏んで速度を落とした一台の車だけを見て「下り坂では速度が落ちる」と言っているのと同じように、あまり賢いことだとは思いません。 比較が容易だからついついやりたくなるのは分かりますけれどもね。
お礼
凄く分かりやすかったです。 ありがとうございました。
- fujic-1990
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> 日本よりも法人税率が高いアメリカ18.8%。 > なぜこれで「アメリカの事例を出すだけで崩壊」 > という結論にいたるのでしょうか? 質問者さんは、数学はお好きでしょうか? お好きなら、中学か高校の数学で「背理法」という証明方法を学んだのを覚えていらっしゃるでしょう。 「AとはすなわちBである」とかなんとか、「命題」を立てて、それが真か偽かを「論証(証明)」する方法です。 質問者さんが引用された文章の作者は、それをやっているツモリなのだと思われます。 例えば、「祭りの夜店で売られている鶏の雛はすべて♂である」という命題を立てたとします。 ところが、買ってきた鶏の雛を密室で飼い続けたら、その密室に卵が1個あった。「オスは卵を産まない」のは自明の公理ですので、少なくても夜店で売られていたその鶏のなかの1羽はメスであると判明したわけです。 となるとこの場合、「祭りの夜店で売られている鶏の雛はすべて♂である」という命題は「偽」であった、と「証明された」ことになるのです。 「祭りの夜店で売られている鶏の雛はすべて♂である」と言ったヤツは、頭をかかえて泣き叫べ! 恥ずかしさのあまりアナを掘って逃げ込め!、というわけです。 繰り返しますが、命題と矛盾する「反証が1つ」あれば、命題は崩壊し、「命題が間違いであることが証明された」ことになるのです。 そこまではよろしいでしょうか。で、さて話は戻ります。 『日本は対内直接投資(外国からの直接投資の受入)が少ない。だから成長しない』というのを命題と"考えた場合"、それと矛盾した反証が1つあれば、その命題は崩壊し、「その命題が間違いであることが証明された」ことになるのです。 反証を1つ出すことよって、『・・・ 』の命題が間違っていたことの「証明」になるのです。そう考える、それが論理学。 で、著者は「アメリカの例」を1つ出しました。立派な反証です、論理学的には。まさに、「アメリカの事例を出すだけで(その命題は)崩壊します」となります。 したがって、著者は先の主張を論破したつもりになっているのです。『・・・ 』と言ったヤツは恥じて死ね!という気分なんだろうと思われますねぇ。 以上、典型的な文系人間の解説でしたが、ご理解いただけましたでしょうか。 えっと、背理法というのだったと思いますが、違ったかな。文系なもんで。 f(^_^;; 余談ですが、社会的には「命題」なんてものはないですね。それに対して論理学で対応しても、結局言葉遊びにしかならんところに気がつかないのが、優秀な学者や官僚の限界だと思います。バブル破壊などもその1つでしょう。
お礼
色々と説明していただき、とても勉強になりました。
お礼
回答ありがとうございます。 本当に勉強になりました。
補足
一番分かりやすかったし、色々と補足していただいたので、ベストアンサーにさせていただきます。