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東北の津波対策
東日本大震災の津波による被害を受け、仮設住宅で暮らす多くの方々は、元の家があった場所に戻りたいと願っているようですが、それには海岸線沿いに丘を築き上げるしかないのではないかと思うのです。 コンクリートの壁を作り上げていった方が手っ取り早いのでしょうが、それでは景観が失われ、観光で東北沿岸に来る人々は今後減っていってしまうと思われます。 東北沿岸にずっと丘を築き、松などを植えて、景観美しい国定自然公園のようなものを造れば、万里の長城ではありませんが、世界遺産の対象ともなり、観光客の数も増え、仮設住宅に住む方々も元々の所有地で暮らすことが出来るのではないかと考えます。 もうすぐリニアモーターカーの整備が東京から大阪まで行われようとしています。 なるべく直線距離を保つために殆ど地下を掘って整備されるのですが、その時出た残土を東北へ持って行って、丘を築き上げられはしないかと考えています。 そこで分からないことは 海岸線に丘を築くことで、津波からの被害を避けることが出来るのか? 詳しいお方がおられましたら、教えて下さいます様お願い申しあげます。
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- kabo-cha
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質問にお答えしますと、海岸線に丘を築けば、その丘の高さや堅牢性にもよりますが、その場所およびその背後は、津波の被害をかなり軽減することはできます。 ただし、その丘のまわりで被害が増幅されます。(以下、丘=防潮堤として記述します) たとえば安政の南海地震で被災した和歌山県広川町は、その後、立派な防潮堤(築堤)を築きました。その結果、その背後の集落は、昭和の南海地震でほとんど被害が出ませんでした。ことの経緯は「稲むらの火」などで検索して調べてみてください。 しかし問題は、その防潮堤のまわりの集落でひどい被害が生じたことです。 防潮堤を作っても、津波のエネルギーの総量を減らせるわけではありません。防潮堤によって津波のエネルギーを減らせなかったぶん、そのまわりでエネルギーを消費しようとします。 大津波のエネルギーを効率よく消費するのは、津波による陸域の浸水や遡上です。だから、防潮堤のまわりで浸水や遡上が増長されるのです。 そういったことを防ごうとすると、もう日本全国の海岸線をすべて防潮堤で囲ってしまうしかありません。現実味のない大事業です。 しかも、日本全国を防潮堤で囲ってしまうと、行き場を失った津波のエネルギーはどうなるでしょうか。 1.湾内などでは何日も津波が残る 2.日本沿岸で反射した津波が海外で被害を与える 3.防潮堤を破壊したり乗り越えたりするエネルギーに変わる ですので、3を防ぐためには相当に堅牢かつ高い防潮堤が必要となります。 そのうえで、いつまでもわが国近海や近隣諸国に津波が残ることを覚悟する必要があります。 この策がそれほど有効とは思えません。 やはり、低地には居住地を作らず高台移転するか、大津波のときは家は流されることを前提に徹底的な避難対策を取ることのほうが現実的と思われます。
- 植松 一三(@jf2kgu)
- ベストアンサー率32% (2268/7030)
津波は 川を遡上します 津波は海からだけではなく 川上からも来ますよ 実際に東日本大震災でも 上から海水が来た場所も有ります やるなら 人が住むところ全部海抜30m以上にしないと(それでもヤバイ所も有るでしょう)
お礼
解答して頂きまして有難う御座います。 大変参考になりました。 昨日26日、「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書」についての記者会見の記事を読みました。 政府の調査検討会は、日本海で起きる地震によって最大20メートル超の津波が想定されると発表致して居ります。 ますますリニアの整備で出る残土を有効利用するべきだと思いました。 人の住むところを全て嵩上げすることは不可能ですので、やはり海岸線に丘を築くしかないと考えます。 以前、復興支援に東北へ行った時、支援団体の職員の方が言われていたのですが、600万ばかり支援されても新たに土地と家を購入するほど裕福な環境にある人は稀だと話されておりました。 もし購入出来たとしても、元々住んでいた家よりずっと小さなものになってしまうとも。 少しでも、被災者の方々が元の場所に戻れるよう、出来うることはやってみたいと思います。
- Epsilon03
- ベストアンサー率24% (868/3495)
> 観光で東北沿岸に来る人々は今後減っていってしまうと思われます。 「思われます」であって単なる想像ですね。 実際は震災前よりは確かに少ないとは言えるでしょうが、年々数も戻ってきている様ですし、聞く所によると 被災地の今の現状を観に来る人達も増えてはいるらしいですし、被災地でも来てくれるだけで歓迎の様です。 > 海岸線に丘を築くことで、津波からの被害を避けることが出来るのか? 津波被害を避けるとなると、10m以上も嵩上げしないと難しいでしょうし、地盤が安定するまでには 相当年数も掛かるでしょうね。 現在各地で行っている嵩上げは、被害を避けると言うより被害を小さくすると言う事が主目的であり、避難する時間を稼ぐ事も目的。 従って嵩上げ出来る所は嵩上げを行うが、嵩上げ出来ない所は居住禁止区域となり商用区域などになるでしょう。 質問主さんも一度宮城~岩手の各被災地を巡って今の状況を目で見、肌で感じて復興の将来設計を現地で 聞いてみた方が疑問に答えが出るでしょうね。
お礼
回答して頂き有難う御座います。 大変参考になりました。 被災地の復興がほぼ終えてしまったあと、そこにある風景というものを創造したとき、観光に訪れた人々がまた来ようと思うか、一度でいいと思うのかということも、非常に重要な課題であると考えるのです。 現状日本が建設するものに於いて、世界遺産的なものは知りません。 有るかも知れませんが。 仕事が暫く暇になりそうなので、被災地をめぐってみようかと思います。
- trajaa
- ベストアンサー率22% (2662/11921)
質問は 「海岸線に丘を築くことで、津波からの被害を避けることが出来るのか?」 で良いのかな? 極限まで高い山を築けばそれは防ぐ事はできる でも、そんなのは現実的では無い 今現在は、 ・100%の防御は合理的ではない ・最低限として人命の犠牲を出来うる限り減らす ・かといって、人の住めないゴーストタウンにもしない こういった原則の下で、地域毎に再建案を作っているか作った 多くの場合、職住分離とか地域全体の地盤嵩上げとか防潮堤の再整備とか高台移転とかそう言ったモノの組み合わせで行われる予定 少なくとも、何百キロも離れた場所の建設残土を運んできましょうなんて議論は無い
お礼
解答して頂きまして有難う御座います。 大変参考になりました。 地盤嵩上げ工事の報道番組を観た時、それに使用される土などで海岸線に防潮丘を築けば、より効率的に広い範囲の津波対策となるのではないかということが切っ掛けでした。 因みに、私の住む神奈川県横浜市では、建設残土を東北の被災地に送っていると聞きました。 また、わたくしの考えに近い活動を行っている団体を見付けました。 いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会 http://morinobouchoutei.com/ 国土交通省に問い合わせたところ、「あなたの言う方向に進むと思う」というような内容の話をして下さいました。 ダメ元です。 やるだけやってみます。
お礼
大変貴重なご意見、有難うございました。 先日、今後再び起こるであろう津波の対策を検討しつつ、宮城県の松島から気仙沼までの海岸線を車で北上してみました。 小さな湾が非常に入り組んだ地形で、ご指摘の通り、防潮堤を築く事によって、津波の反射の影響による被害は起こり得るでしょう。 地形条件による津波のふるまいについて十分考慮して対策を立てることの重要性を「稲村の火」からも教わることが出来ました。 「低地には居住地を作らず高台移転するか、大津波のときは家は流されることを前提に徹底的な避難対策を取ること」 わたくしもそのように思うに至りましたが 「いのちの森の防潮堤」http://morinobouchoutei.com/ これは津波を反射することだけを考えているものでなく、津波の力を吸収させる効果をうむものなので応援していきたいと思います。 質問の回答を打ち切らず良かったです。 有難うございました。