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私鉄の電車にパンタが多いのはなぜ?
JR西日本の一部の電車、JR東日本車両の予備パンタや霜取りパンタを除くと、JRの電車では特急型以外の車両でWパンタを装備した電車をあまり見かけませんが、多くの私鉄電車には通勤型でもWパンタを装備した車両を見かけます。 あまり正確に調べたわけではありませんので、私の思い過ごしなのかもしれませんが、なぜか私鉄の電車はJRの電車に比べて、Wパンタ以外でもパンタグラフが多く装備されているようなのですが、これはどういった理由からなのでしょうか。 なお、この質問はあくまで電車のパンタについてであって、電気機関車のことではありません。
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こんばんは。 首都圏の私鉄で電車の運転士をしております。 今はJRも私鉄も、基本的に共通の設計車両(車両メーカー標準の車両をカスタマイズ)しているので、基本的にはどちらも変わりません。 どちらかというと、気のせいというハナシとなります。 ○PT(パンタグラフ)の搭載数の違いは、ユニット間の高圧引き通し(DC1500Vの引き通し)をしているか、していないか。 ○その時代背景と、車両の設計思想。 この違いによるものでして、JRか私鉄の差異ではなく、仕様の差異になります。 JRは複数ユニットでの高圧引き通しはしないのが基本なので、各ユニットにPTは一つが基本になります。 ○PTが多数ある⇒その分、すり板交換などの費用がかさむ。 ○PTは架線を押し上げる力を加えています⇒PTが近接する場合、その押し上げ力の位置関係から離線しやすくなる。 ○PTは騒音の発信源。 しかしながら、 複数ある場合、PTが架線から離線しても電気供給に滞りないという利点もあります。 ワタシも乗務中経験があるのですが、PT離線⇒即、SIV停止⇒室内灯消灯、予備灯のみ点灯 ・・・こういう事もありましたので。 JRでも高速走行する新幹線では、むしろ編成中にPTは1つ2つの場合もあります。 私鉄でも、京王9000形や相鉄8000形・9000形の場合は、電動車ユニットごとでは無く、各車に1PT搭載しています。 ワタシの会社でも1両にPTを2台搭載している車両が居るのですが、 ○先述したPT離線に伴う弊害をなくす為。 ○PT搭載車両を減らす⇒SIVを搭載している車両に限定する事で、高圧引き通しを省略する。 ・・・・こういう理由があります。 その車両の諸元と路線環境、使用方、設計思想(哲学)から来るモノなので、 JRだから、私鉄だから、というハナシでは無く、また一括りに語れるハナシでもありません。 その車両それぞれの個性と受け止めて頂けると幸いです。 また、各車両についてお尋ね頂いた方が、もう少し深いお話しが出来るかなと思います。
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- kuni-chan
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電車のブレーキに回生ブレーキがあります。 これはモーターを発電機にして発生した電気を別の車両等で消費させる事でブレーキ力を得ます。 他に消費させるには電力をパンタグラフで架線へ戻す事が重要です。 もし架線とパンタグラフが離れたら回生ブレーキは作動しなくなります。 架線とパンタグラフは常に接触しているように見えますが、振動などにより瞬間的に離れる事があります。 1つですとその1つが離れたら回生ブレーキが停止しますが2つですと1つ離れてももう1つありますから作動します。 回生ブレーキが停止しても空気ブレーキで補われますから安全上の問題は起きませんが、省エネを考えますと回生ブレーキが作動した方が良いのは確かです。 そこで回生ブレーキが安定して作動するようパンタグラフが多く搭載される傾向になりました。営団の6000系はモーターの無い先頭車にもパンタグラフを搭載していました。10両編成で7個。 国鉄の201系は試作車の段階ではパンタグラフを1ユニットで2個搭載していましたが、試験の結果1個でも問題無いという事になり量産車は1ユニット1個になりました。その流れで203系以降も1ユニット1個となりました。10両編成で3個。 鉄道会社の考え方もあるでしょう。
お礼
なるほど! 平易な言葉遣いで、分かりやすく解説していただき、ありがとうございました。
- kuma-gorou
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個々の私鉄で実情が違うので、一括りでは語れませんが、私鉄の場合、地下鉄と相互乗り入れしている場合が多い。 地下では、トンネル断面の関係で、架線の吊架方式は、剛体架線方式。 明り区間で使われるシンプルカテナリー方式に比べ、パンタの追従性能が劣るので、断線を防ぐ為、パンタの数を増やさざるを得ない。 また、国鉄時代の電車設計は、M'M ユニット方式が基本。 つまり、電動車2両を1ユニットとし、制御機器を分散搭載する方法。 この考え方は、VVVF 制御で、0.5M に変わりつつあります。 一方、私鉄の方は、1M方式を基本としていますので、パンタの数が増える傾向に有ると推測します。
お礼
なるほど! 早速に、明快なご回答をいただき、ありがとうございました。
お礼
なるほど! 質問が舌足らずな文章であったにも関わらず、丁寧に解説していただき、ありがとうございました。やはり、思いすごしの部分もあったようですね。