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トランジスタのベース・エミッタ間飽和電圧とは
電子回路の本を読んでいて、トランジスタに「ベース・エミッタ間飽和電圧」という用語があるのを知りました。 以下のことを知りたいと思い検索してみましたが、なかなか良い情報にたどり着けませんでした。 1. この電圧の定義 : ベース端子とエミッタ端子の間の電圧なのか? 2. この電圧の特性 : 大きければいいのか、小さいほうがいいのか? 3. 飽和の意味: コレクタ電流が最大になった状態という意味で正しいのか? 上記に関する情報または情報源についてよろしくお願いいたします。
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>1. この電圧の定義 : ベース端子とエミッタ端子の間の電圧なのか? 回答>>そうです。 >2. この電圧の特性 : 大きければいいのか、小さいほうがいいのか? 回答>>どちらかと言えば小さい方が良い。 >3. 飽和の意味: コレクタ電流が最大になった状態という意味で正しいのか? 回答>>ベース・エミッタ間飽和電圧はコレクタ電流が最大になった状態とは違います。 まず、コレクタには外部から定電流源で規定の電流、例えば100mAを流しておきます。このときベースにも規定の電流を外部から定電流源で、例えば10mAを流します。このベース電流は半導体メーカによりますが、コレクタ電流の1/10または1/20を流します。通常hFEは100くらいか、それ以上の値を持ってますのでこのベース電流は過剰な電流と言うことになります。例えばhFEが100あったとすれば、ベース電流が10mAならコレクタ電流はそのhFE倍、すなわち1000mA流せることになります。逆にコレクタ電流を100mA流すのに必要な最低のベース電流はその1/hFEでよいわけですから、1mAもあればよいわけです。 「ベース・エミッタ間飽和電圧」の仕様はトランジスタをデジタル的に動かしてスイッチとして使う場合を想定したものです。 例えばコレクタ負荷が抵抗で構成されてる場合にトランジスタがONしてコレクタ電流として100mA流す場合、トランジスタをしっかりONさせるためにベースにはhFEから考えてぎりぎりの1mAより多くの電流を流します。 このように必要以上にベース電流を流すことをオーバードライブと言いますが、そのオーバードライブの度合いをオーバードライブ係数、Kov=Ic/Ib で定義します。コレクタ電流を100mA流し、ベース電流を10mA流せばオーバードライブ係数、Kovは 10になります。 実際にトランジスタをスイッチとして使用する場合はこのオーバードライブ係数を目安にして、ベース電流を流すように設計します。その際、ベースーエミッタ間の電圧VBEが計算上必要になりますのでこのベース・エミッタ間飽和電圧を使います。例えば、NPNトランジスタをONさせてコレクタに100mA流す場合、ベースにコレクタ電流のKov分の1の電流を流すようにベースと信号源の間の抵抗値RBを計算します。信号源の「H」の電圧が2.5Vの場合、RBはベース・エミッタ間飽和電圧をVBE(sat)とすれば、 RB=(2.5V-VBE(sat)/10mA のようにして求めます。
お礼
詳細な回答ありがとうございます。 hFE、 オーバードライブ、Kov、RBなどいろいろ勉強になりました。