司法試験の制度改革は結果的に失敗したのではないでしょうか?
こんにちは。国立大の法学部の学生です。
新司法試験、法科大学院入試に向けて勉強をしているのですが、最近、そもそも新司法試験・法科大学院の制度そのものに疑問を感じています。
私が大学に入学する少し前から法科大学院の設置が始まったのですが、当初は「将来の法曹需要増大に対し量的質的に十分な法曹を確保するという目的」として、社会人や法学部以外の学生にも法曹への道を開き、医師国家試験なみの7~8割の合格率を見込んで設置されたわけですよね。
しかし新司法試験が始まって数年、現在は合格率2~3割、社会人の法科大学院入学者数も減少傾向にあり、合格者の質が低下しているという声をうけて、これからさらに合格率を下げようとする意見も出始めていると聞きます。
また、「従来の司法試験において、受験生は、いわゆる司法試験予備校に依存し、受験技術を優先した勉強により合格することが増えた」ので「従来の大学における法学教育よりも法曹養成に特化した教育」を行うと言いつつも、実際に学部で学んでいる人間からすると、新司法試験でも予備校に行かなければならない状況は変わっていないような気がします。
このように新司法試験導入の前後で実質的な変化が乏しい中、以前は、学部生でも在学年数等の基準を満たせば司法試験の受験資格がもらえたのに、法科大学院を卒業しないと受験資格がもらえない現在の制度は、単に学生に時間とお金の浪費を強いる制度としか思えないのです。
かといって今から旧司法試験を受験しようにも、廃止に向けて合格率が下げられ、現在では1%を切っていますし、新司法試験の受験資格がもらえる新司法試験予備試験はまだ始まらず、また旧司法試験1次試験をモデルとしているということなので、あまり期待できません。
もう少し早く生まれてきていれば、以前の制度の下で受験できたのにと思うと、ひどく不公平な気がしてなりません。
こうした状況に対して、法曹界や大学関係者から声はあがっていないのでしょうか?