ちょっとだけ考えて見た。
男は何も生えていない植木鉢を毎日みつめていた。雨の日も風の日もずっと見続けていた。その様子をみている人々の目は冷たく刺さっていた。ある人がその男に尋ねてみた「ずっと見つめているけどタネを植えたの?」とでも男はにっこりと笑うだけだった。
もう、数年も同じ事を繰り返してた。最初は不思議そうにみていた人々も次第に植木鉢の存在が気になりだした。そして、おかしな人というより夢を持っている人という事で有名に成っていった。テレビ局なども騒ぎ立てて行ったが、むしろ良い方向というより、再び変な人という形になっていった。
それからまた時間が経ったとき、ついに芽が出たのである。男の目には大粒の涙があふれ奇声を発していた。
「やっとだよ。やっとだよ。これで彼女に告白できる」とつぶやいた。
だけども、その彼女は他の男性と結婚をしていたようだ。
「夢は夢なんだ。現実とは違うんだ。でも、後悔はしていない。夢は叶ったのだから」とつぶやいて、再び植木鉢に育つ芽を大切に育てていったそうだ。
あれから、もっと時間が経った。いまあなたの横の大木はその時のもの。今は願いが叶うとかでパワースポットになっているようだ。
こんなもんでどうですか?