新しい手話単語の意義って?
〔新しい手話単語〕が毎年、約100語も洪水の如く作られ、発表(冊子としても発売)されている。
投稿者も以前は、新しい手話単語のすべてを覚え込もうと、意地になっていた時期があった。また毎年、新しい冊子が出版されるたびに、全冊子の総索引を作成し、手話サークルの仲間や親しいろう者に差し上げていた。
数年前に次のような経験をして、考えさせられた。投稿者も、この疑問をどう解いて良いか分からない。1番望ましいのは、新しい手話単語を考案・作成されている当事者方々のご回答をいただくことであるが、どなたか有識者のご教示をこうむりたい。
〔経験1〕上記の総索引を毎年差し上げていた方から、「100ほども新しい手話単語が毎年作られているけど、せっかく覚えても、ろう者との会話に使ったら、それ何? と言われた。我々ろう者には、新しい手話単語なんか関係ないし、覚えなくても生活に何の問題もない。これからろう者に対して使わないほうが良い、覚えても意味がないよ、とも言っていた。あなたは、どう思う?」と聞かれ、返答に窮した。
〔経験2〕今度は、ろう者に直接言われてしまったこと。
「あなた、手話もうまいし、手話の単語もいっぱい知っていたりして手話についての知識も深い。しかし、新しい手話単語を我々に教えてくれたり、会話で使っていたりしているけど、これからはやめて欲しい。本音を言うと、我々にとって新しい手話単語など不必要なので、覚える気がない。それに、会話の中で、新しい手話単語を使われると思考が途切れ、会話が楽しくなくなるので、今後やめてもらいたい」と言われ、それまでしてきた努力は何だったのかと、やる気がいっぺんに失せてしまった。
その年を境に、新しい手話に関心がなくなった。冊子も買わなくなり、もちろん総索引作りもやめた。人が、新しい手話単語を使って話しかけてきたり、(あなた、新しい手話単語を知らないのね)と思われたりしていても、何とも思わなくなった。
しかし、自分は年齢も年齢だし、悟りを開いたような境地になっていても良いが、後輩たちから「新しい手話単語の意義」などについて尋ねられたりした時に、どう説明したら良いか、ご教示ください。