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「さらめき」の意味とは?今昔物語での出典と解釈について解説します
- 「さらめき」とは、古語辞書には載っていない言葉です。
- 「ゆづ」と「しじまり」は、ある程度の意味は推測できます。
- 今昔物語には、辞書に載っていない言葉が多く登場します。その理由についても考えてみましょう。
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使用しているテキストの違いが大きいのでしょう。 蓬左文庫蔵本を底本とした岩波文庫版では次の通りです。 「其れを亦(また)同じ湯に指入れてさらめき、湯に初の如く茹(ゆず)れば、鼻糸(いと)小さく萎(しぼ)み脧(しじまり)て、例の人の小き鼻に成(なり)ぬ。」 ですから、このようなテキストからであればご質問は自ずから解消されるのではないでしょうか。 およそ、教科書に採用されるような名高い箇所の大方は学習用の全訳付き古語辞書には例文として載っているものです。 >「さらめき(「さらめし」の連体形?)」 : 他動詞(カ行四段)「さらめく」の連用形です。さらさらという擬態語で煮立てた様子を表す動詞です。「「さら」は擬声語。「めく」は接尾語。」として訳文には「それ(禅智内供ノ鼻)をまた(先程と)同じ湯にさし入れてさらさらと(煮立て)、」(「全訳古語例解辞典」小学館)とあります。 >「ゆづ」 : 上掲書の「さらめく」の項には例文として後段も「湯にはじめのごとく茹(ゆ)づれば」とあり、「茹づ」という動詞は立項されていませんがその漢字表示から、已然形「茹づれ」+接続助詞「ば」として、順接確定条件(偶然的関係)が想像できます。 >「しじまり(「しじまる」の連用形?)」 : 自動詞(ラ行四段)「しじまる」は、「蹙(しじ)まる」や「縮(しじ)まる」の表示として「鼻いと小さく萎みじじまりて」が訳付きで紹介されています。別の辞書でも箇所は違いますが今昔物語「肝身蹙(しじ)まりておそろしと思ひ居たる程に」(巻第31-第15話)(「全訳読解古語辞典」三省堂)が例文になっています。 およそ、「今昔物語集」は12世紀前半の院政期、いわば古代から中世への転成期に成立した漢文訓読体での多彩な説話集として、いわば二つの時代にまたがり、また国の内外に広がり、仏教説話から民間伝承にわたる二話一類様式の驚嘆の書籍です。その膨大さと、自立語は漢字で用言の語尾などは片仮名の小書きの漢文訓読体であることも相俟ってそのテキストや訳注の善し悪しでは学習の難度は大きく左右されるでしょう。
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- bgm38489
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http://www.weblio.jp/content/%E3%81%95%E3%82%89%E3%82%81%E3%81%8D に、カ行4段活用の「さらめく」の連用形、またはそれが名詞化したもの、とのっていた。「さらめく」の意味もそこから調べるべし。 古語辞典を見るより、単語をググれば?この場合だと、さらめく でね。このサイトの簡単な説明に満足できなければ、詳しく書いてあるサイトもあるし。古語辞典より、収録単語は多いかも。
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早速のご回答有難うございました。 「さらめく」という単語があるのですね。 参考サイト、非常に参考になりました。 ありがとうございました。
お礼
詳細なご教示ありがとうございました。 原典は句読点など無かったところに読点を入れる、 だからその入れ方でころっと変わって来るということですね。 私の読んでいます本は「さらめき湯」となっていますので、 てっきり「さらめき」は「湯」を修飾している形容詞? と思っていました。 なおかつ私の辞書には「さらめかす」という言葉は載っていますが、 「さらめく」は載っていませんでしたので ハマってしまっていたようです。 「同じ湯に指入れてさらめき、」とか 「同じ湯に指入れてさらめきて、」だったら よく意味がわかります。 (読点の位置で氷解しました) なお「ゆづ」と「しじまり」は ご教示のような意味だろうとは思っていましたが、 もやもやが晴れました。 今昔物語は当時の風俗や世情を知ることができ 面白いのですが時々難解な箇所があり困っていました。 原典が漢文の訓読体であるということ、 よく頭に叩きこんで読んでいくようにします。 非常に参考になるご教示をいただき 目から鱗が落ちた感がします。 ありがとうございました。