- ベストアンサー
バイポーラオペアンプ使用時の発振防止方法は?
- バイポーラオペアンプ使用時の発振防止方法について、質問者は電子回路の制作に関してほとんど知識や経験がない素人であり、特定のオペアンプを使用するとノイズやボリューム調節時のノイズが発生する問題が発生している。バイポーラオペアンプ使用時の発振防止のために試した方法としてボルテージフォロワ回路の変更や帰還抵抗の追加、帰還回路へのコンデンサーの追加があり、しかし改善しなかった。位相補償や180℃の意味について理解がなく、J-FETとバイポーラの違いも理解していない。
- バイポーラオペアンプ使用時に発生する発振やノイズの問題は、ボルテージフォロワ回路の変更などいくつかの方法で対処することができるが、質問者はこれらの方法を試しても問題が改善されなかったという。また、位相補償や180℃の意味、J-FETとバイポーラの違いについての理解が不足しているため、これらについて学ぶ必要がある。
- バイポーラオペアンプを使用した回路で発生する発振やノイズの問題について、質問者はボルテージフォロワ回路の変更や帰還抵抗の追加、帰還回路へのコンデンサーの追加などの方法を試したが、問題が解決しなかった。さらに、位相補償や180℃の意味、J-FETとバイポーラの違いについての理解も不十分であるため、これらについて学習する必要がある。質問者は初めてwebでの質問を行っており、説明不足な点があると謝罪している。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ご質問は、 1.JFET入力のOPアンプとバイポーラOPアンプの違いが知りたい 2.位相補償の原理を知りたい(ボルテージフォロワは発振しやすいのか) 3.具体的にヘッドフォンアンプを完成させるための対策を知りたい ということでしょうか。 まず、1のJFETのOPアンプとバイポーラのOPアンプの決定的な違いは入力バイアス電流の大きさの違いです。JFETタイプは1nA以下がほとんどですが、バイポーラ型はだいたい数10nA以上です。細かい点はいろいろ違いますが、上記がメインの違いです。 今回の用途ではこの違いは全く無いと言っても良いでしょう。 2.バイポーラはボルテージフォロワが発振しやすい、ということもありません。ボルテージフォロワは100%負帰還をかけたアンプですから、帰還量が一番多く、その意味では一番発振しやすい回路構成であるとは言えますが、OPアンプのタイプで差が出ることはありません。(超高速OPアンプなどは別) 位相補償の原理は解ってしまえば明快なことなのですが、きちんと理解するのは、この程度の文字数の解説では難しいでしょう。肝は、ナイキストの発振条件に合致するかしないかです。低周波では負帰還であっても、周波数が高くなるに従って位相が遅れ、どこかの周波数で位相が180度(℃ではありません)遅れると、180度というのは逆相のことですから、これはもはや負帰還ではなく、正帰還になってしまいます。(ナイキストの発振条件の一つを満足してしまう) そのときにアンプと帰還経路を一巡する「ループゲイン」が1だとナイキストの二つ目の条件を満足することになります。 「ゲイン余裕」、「位相余裕」というキーワードで検索してみてください。 3.具体的にどうすれば発振が止まるかですが、まず第一にOPアンプの電源にパスコン(バイパス・コンデンサ)はちゃんとついていますね。muses02は5MHzくらいまでゲインがありますので、パスコンもこのくらいの周波数でコンデンサとして働くものを最短の配線で接続する必要があります。パスコンは原理図などでは省略されていることがありますが、実際に作るときは必須です。(1uFくらいの小さい積層セラミックコンデンサを使えばこのOPには十分ですが、念のため数10uFのアルミ電解コンデンサも並列にしておきましょう) パスコンが正しく接続されているのに発振するとなると、原因究明はそれなりにやっかいです。まず、 ●無負荷でも発振するのか。(音としてではなくオシロスコープの波形として見る必要がある) ●ただの抵抗負荷でも発振するか(ヘッドフォンと同じインピーダンスの抵抗を負荷としてみる) ●フォロワの方の出力合成抵抗(見えにくいが多分47Ω)をはずしても発振するか ●帰還抵抗を合成点からではなく、初段OPの出力から取っても発振するか ●各OPアンプのマイナス入力端子の配線が長くないか(対GND静電容量が大きくないか) このあたりを情報を集めれば原因が見えてくる可能性が大です。 いずれにしても、この回路は少々危ういところがあります。出力ブーストのためと思われますが、ボルテージフォロワで伝える信号は入力に比例した低歪み信号ではなく、ヘッドフォンの特性とも関係する誤差(歪み)を含んだ信号です。何故なら、帰還抵抗で監視している点ではないところから接続されているからです。(入力に比例するのは帰還抵抗のつながっているところだけです) >添付画像(図2)の変更点を一旦やめて、帰還抵抗の追加と、帰還回路から入力回路へコンデンサーを使い接続する形で良いのでしょうか? この文は意味が解りませんでした。 長くなったので、この辺にしますが、通常はこの手の発振はあまり手こずらずに止められるはずです。
その他の回答 (2)
- tance
- ベストアンサー率57% (402/704)
またまたtanceです。 GNDパターンは広くて切れ目のないベタでOKです。ここ、間違えないようにしてください。 「15pF以下の容量にしなくてはならない」と言ったのは、OPアンプの反転入力端子とGNDとの間の容量のことです。GNDは広いベタですから、容量を減らすには信号線を細くするしかありません。 そこで反転入力端子につながっているパターンは細くしてください、ということです。 GNDの様子は文章だけからではちょっと解らないのですが、おそらく問題ないと思います。(もっと大パワーのアンプとかD級アンプとか、高周波アンプではGNDのちょっとの配慮の差で性能が大きく変わることがありますが、ヘッドフォンアンプであれば、GNDはそんなにシビアではないと思います) 私も、どの対策で解決するかを知るのが楽しみです。
お礼
tance様 回答へのお礼が遅くなり申し訳ありません。 結論から言いますと、無事発振は収まりました。 ただ、私の無知といった理由から詳細な結果報告は難しいです。 しかし、私の説明できる範囲での報告はさせていただきます。 追伸: 教えてgooのシステムを理解していなかった為、こちらで回答が戴けない状態になってしまいましたので、別の質問にて報告します。 ひとまず今回の発振の件はたいへん参考になりました、ありがとうございます。
- tance
- ベストアンサー率57% (402/704)
再度tanceです。 パスコンは0.1uFの積層セラミックと470uFの電解コンデンサで問題ないと思います。わざわざ1uFと数10uFに取り替える必要はありません。最近はパワーインテグリティと称して、電源として今までいい加減に扱われていた高周波特性をきちんと定量化する動きが出てきていますが、少なくともオーディオ周波数の、このくらいの規模の回路ではパワーインテグリティを詳しく知る必要はないでしょう。 と、言うことは、この電源はある程度イイカゲンでも動くだろう、ということです。イイカゲンというのはセラミックコンデンサの容量が0.1uFでも1uFでも、もしかしたら0.01uFでも構わず、電解コンも10uF~1000uFなどテキトウでも良いということです。ただ、セラミックコンが無いとか電解コンが無いというと、そこまでアバウトだと発振などする可能性が大きくなる・・・といった具合です。 ちゃんとプリント基板を作って作られたのですね。それなら余程の事がない限り配線長は問題なさそうに思います。 GNDパターンが幅10mm長さ40mmというのはこの手の回路では常識的に言って問題ないレベルです。よく、アナログ回路は特にパターン幅を太くする必要があると思いこんでいる人がいますが、特にOPアンプのインバーティング入力(ー入力)は、対GNDの静電容量を極力小さくする必要があるため、細いパターンの方が発振問題には有利です。 今回の回路では、OPアンプの負帰還側の入力に、対GND容量が約18pFくらい以上あると5MHz内外で発振するでしょう。muses02というOPアンプの入力容量がどのくらいか解りませんが、おそらく2~5pFあると思います。それを含めると外部に許される浮遊容量は10~15pFくらいまでとなってしまいます。15pFというのは、基板厚が1.6mmで材質がFR4だとすると、約22mm角のパターン面積に相当します。パターン長さが10mmあると、幅2.2mmのパターンでは太すぎということです。 上記の議論は、外部に10数pFくらいまでなら容量があっても良い、という事ではなく、10数pFで発振する恐れがある、という事です。これは結構きついですね。そこで帰還抵抗の10kΩに並列に小さな容量をつけて、いわば、入力容量をキャンセルするのです。帰還抵抗に並列にする容量は3.3pF~10pFくらいが適当でしょう。 あとは、帰還点ですね。合成点から帰還するのではなく、初段のOPの出力から帰還すると状況がシンプルになります。ある意味では、この回路構成はOPアンプ2段をとおして帰還していることにもなるので、1段での位相余裕が90度以上ないと発振することになります。muses02の位相余裕は48度だそうですから、2段帰還にならないようにしなくてはなりません。実際は合成抵抗のところで1段目と合流するので、上記のとおりの計算にはなりませんが、危険ではあります。 実験の結果が出たら報告してください。原因を突き止める検討ができると思います。 毎回長文で済みません。
お礼
毎回内容の濃さに感謝しております。 >GNDパターンが幅10mm長さ40mmというのはこの手の回路では常識的に言って問題ないレベルです。 よく、アナログ回路は特にパターン幅を太くする必要があると思いこんでいる人がいますが、特にOPアンプのインバーティング入力(ー入力)は、対GNDの静電容量を極力小さくする必要があるため、 細いパターンの方が発振問題には有利です。 :これには驚きました。恥ずかしながら全く逆の考えをもっていましたので参考になります。 >外部に許される浮遊容量は10~15pFくらいまでとなってしまいます。 15pFというのは、基板厚が1.6mmで材質がFR4だとすると、約22mm角のパターン面積に相当します。パターン長さが10mmあると、幅2.2mmのパターンでは太すぎということです。 :これも上記と同じ勘違いをしていたようで、電源部のGNDパターンは長さ13.89mm×幅6.75mmの長方形にしておりました。 両面基板の裏面に単電源を±に分圧しており、三端子レギュレーターを介してGNDパターンの左端に接続しており、右端には各所からのGND線を1点アースのような形で接続しています(裏面) そして、長方形GNDパターンの中心辺りから表面のベタパターンに切り取った抵抗などの針金を使い接続させ、次に表面のベタパターンから同じように裏面のベタパターンに繋げています。 ベタパターン総面積は約9.6cm2ですが、これは誤ったベタパターンの使い方といった認識で良いのでしょうか? >そこで帰還抵抗の10kΩに並列に小さな容量をつけて、いわば、入力容量をキャンセルするのです。帰還抵抗に並列にする容量は3.3pF~10pFくらいが適当でしょう。 :コンデンサとはこのような使い方もあるのだと初めて知りました。自宅に戻ったらさっそく回路図の変更をしてみます。効果の程が楽しみで仕方ありません(苦笑) >初段のOPの出力から帰還すると状況がシンプルになります。ある意味では、この回路構成はOPアンプ2段をとおして帰還していることにもなるので、1段での位相余裕が90度以上ないと発振することになります。 :こちらも回路図の変更をします。同じく効果の程が楽しみです。 現在出張中で8月中旬まで自宅には帰れないので、せめて自宅に戻るまでに必要な知識と情報を集めておこうと質問しました。 コンデンサによる入力容量キャンセルと帰還点の変更は、素人の私でも大きな変化があると文面から感じましたので特に楽しみです。 変更後の結果につきましては、ここまで丁寧にご教示していただいたので、少し先になってしまいますが当然報告させていただく義務があると考えております。 この度は貴重な時間をいただいて質問以上の回答内容に感謝します。
お礼
大変参考になる回答を頂き感謝しております。 恥ずかしながら学生時代は電気と聞いただけで避けて通るくらいの苦手分野でしたので、正直なところ回答を読ませていただいて今の自分に理解出来る部分と出来ない内容がありましたが、少なくとも今の自分に必要な知識は何なのかわかりました。 JFETとバイポーラの大まかな違いについて知ることが出来たのと、今回の件ではその差による物が発振にはあまり関係していないと知れただけに、問題点をかなり絞り込めたので助かります。 >ボルテージフォロワは100%負帰還をかけたアンプですから、帰還量が一番多く、その意味では一番発振しやすい回路構成であるとは言えますが、OPアンプのタイプで差が出ることはありません。 これについては、webで流し読みをして誤った理解をしていた自分に責任があると感じました。 ひとまずボルテージフォロア回路のままで●のチェック項目を順に調べてみたいと思います。 バイパスコンデンサは470uFの他に、高周波特性に優れているとwebで見かけただけですが0.1uFの積層セラミックコンデンサを付けています。 恥ずかしながら、よく理解していななままwebに書いてある通り0.1uFをパラレル接続していますので、なぜ0.1uFなのか、そして何故数10uFをパラレル接続するのが効果的なのか理解出来ていません。 この件は今後において必要最低限な知識だと感じましたので自分でも調べてみます。 ●のチェック項目に関してですが、オシロスコープは今後必要だと感じましたので先日注文したばかりです。 使い方はおろか、見るのも初めての機器ですので使えるようになるまで時間がかかると思いますが、波形により問題点が見つけれるかどうか試してみます。 >●フォロワの方の出力合成抵抗(見えにくいが多分47Ω)をはずしても発振するか これはそのまま試すだけなので出張から帰ったら是非確認してみます。 また、オシロスコープが使えるようになったら、有り無しでの波形についても何か違うのか確認してみます。 >●帰還抵抗を合成点からではなく、初段OPの出力から取っても発振するか これもそのまま試してみるだけなので是非確認してみます。 ただ、これで発振が無事収まったとして、理由はおろか、これによって何故発振するのかしないのか確認のポイントがわからないのと、これをwebで調べる場合の検索項目も残念ながらわかりません。 理解するには時間がかかりそうですが頑張ってみます。 >●各OPアンプのマイナス入力端子の配線が長くないか(対GND静電容量が大きくないか) これは完全に製作するにあたって頭から抜け落ちてました。 電源部回路のGNDは太く短くしていますが、そこから増幅部までの距離はザッと見た感じ4cm位あります。 配線に関しては生プリント基板から次作しており、太さは10mmとなっております。 この長さや太さの単位が適切なのかダメなのかわかりませんが、スペースや回路の関係で太さはこれ以上太くする事は出来ませんが、長さについてはまだ短く出来ますので限界まで短くしてみます。 電気は学生時代専攻していませんでしたので、知識としては中学生レベルくらいです。 せっかく適切な回答を頂いたのに完全に生かせないのが申し訳なく感じておりますが、一つ一つ勉強していきます。 今回は本当にありがとうございます。