最後の拒絶理由通知
最初に進歩性(29条2項)に基づく拒絶理由通知があり、意見書を提出しました。(補正はしていません。)
その後、記載不備(36条6項2号)に基づく2回目の拒絶理由通知が来ました。ところが、この拒絶理由がいわゆる「最後の拒絶理由通知」とされてしまいました。備考として、次のように記載されていました。
『是正することが特許法第17条の2の要件に違反しない程度であるため通知しなかった軽微な記載上の不備が補正されず依然として記載要件に関する拒絶の理由があり、その拒絶の理由のみを通知する拒絶理由通知である。』
これは審査ガイドライン5.2.1最後の拒絶理由通知とすべきものの(2)(ii)に基づくものと思われます。
問題の発明は化学的プロセスに関するものであり、指摘された記載不備とは、そのプロセスで用いる膜フィルターの厚さの規定についてのもので、「厚さ数μ」とされていた「数μ」が不明瞭であるということでした。
このような場合、一般的に審査官はこの記載を具体的数値に置き換えることを要求しているものと考えられます。
しかし、膜フィルターの厚さは発明の作用効果にとって臨界的なものではなく、出願人には厚さに関する記載を削除するという選択肢もあります。
ここで問題となるのは、『最後の拒絶理由通知に対する補正は厳しく制限される』ということです。つまり、この場合、厚さに関する記載を削除する補正は、17条の2の4項2号の要件の違反になってしまいます。
最初の拒絶理由通知の際にすでに存在していた記載不備をその時点で指摘してもらえなかったばかりに、出願人は発明を不必要に限定せざるを得なくなってしまったのです。
このようなことがあってもいいものなのでしょうか? 審査官がこのケースでの2回目の拒絶理由通知を最後の拒絶理由通知としたのは、適切なのでしょうか?
お礼
非常にレアなケースだと思いますが、ありうることですね。 ありがとうございました。
補足
限定的減縮以外の補正をし、補正はOKだが、進歩性がなかったでしょうか。