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ゴムの静的せん断弾性率とは?
JIS K 6254やJIS K 6386に規定されている、「静的せん断弾性率」とは、何が分かる"率"なのでしょうか?また、何のために行われる試験なのでしょうか? また、前記弾性率を求めるための、「25%伸長応力」とは何が分かる試験なのでしょうか? どなたか、ご存知の方、何卒ご教授いただけますようお願いいたします。
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No.1の者です。 弾性率が高い材料は、変形しにくいわけです。セラミックなどは弾性率が高く、ゴムは弾性率が低いですね。 0.8N/mm2についてですが、ちょっと注意が必要です。前回コメントしたように、 弾性率=応力÷ひずみ という関係式から弾性率が求まります。ここで、「ひずみ」は単位長さ当たりの伸びです。 例えば、1mの棒が1cm(=0.01m)伸びた場合、 ひずみ=0.01÷1=0.01 となります。ここで、単位は「無し」になることに注意して下さい。「m÷m」になっていますからね。 で、もう一度「弾性率=応力÷ひずみ」の式を見ると、「ひずみ」は「単位無し」ですから、弾性率と応力の単位は同じになりますね。 よって、もし「0.8N/mm2」が応力を表すならば、「1平方ミリメートル当たりに0.8N(約80グラム)の荷重がかかる」ということになります。 しかし、「0.8N/mm2」が弾性率を表すならば、「ひずみ=1を得るのに0.8N/mm2の応力が必要」ということになりますね。ひずみ=1というのは、10cmの棒を10cm伸ばして20cmにする変形です。 わかりにくいかも知れませんので、逆の言い方をします。例えば、断面積10mm2、長さ100mmの棒に1kgの物体を吊る下げたら1mm伸びたとします。 応力=1kg÷10mm2=9.8N÷(10/1000000)m2 =(9.8/10)×10^6N/m2 簡単のため、9.8/10=1とします。10の6乗は「M(メガ)」ですね。また、N/m2のことを「Pa(パスカル)」と呼びますので、 応力=1MPa となります。 次に、 ひずみ=1mm÷100mm=0.01(単位無し) となり、よってこの材料の弾性率は 弾性率=1MPa÷0.01=100MPa=0.1GPa=10^8N/m2 という数値が得られます。平方ミリにするなら100N/mm2ですね。 なお、以上は「引張」について述べたものですが、せん断は正方形を平行四辺形にずらすような変形です。長さ、断面積、ひずみの方向などに注意が必要です。また、多くの材料で、「せん断弾性率=引張弾性率÷2.6」とか言う換算式(自信がないのでお調べ下さい)により、近似的にせん断弾性率を求めることができたような気がします。ゴムの場合は2.6ではなくて2.9ぐらいだったような記憶がありますが…数値としては2×(1+ポアソン比)だと思うのですが、手元に何も資料がないので確認できません。 余談ですが、世間一般では「かたい」という表現を使いますが、材料の専門家は「弾性率が高い」あるいは「こわい」と言い、「かたい」という語を使いません。ちなみに「硬さ」という物性値はJIS等で測定方法がいろいろと指定されていて、測定方法によって「硬さ」の数値は違います。
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- shota_TK
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弾性率は変形にしにくさを表す物性値で, 弾性率=応力÷ひずみ で表されます.応力は単位断面積当たりの荷重,ひずみは単位長さ当たりの伸びです. 荷重の方向が引張であれば引張弾性率と呼び,荷重の方向がせん断であればせん断弾性率と呼びます.「静的」というのは「ゆっくり変形させた」という意味です. 材料力学の教科書を読まれることをオススメします.なお,ゴムの弾性率は温度の影響を非常に受けやすいので注意した方がいいですよ.
お礼
shota_TK様 ご回答ありがとうございました。 変形のしにくさを表すものなのですね。 非常に分かりやすいご説明でありがとうございました。 自分は文系出身で、材料力学等の理系には疎いのですが、オススメの通り読んで見たいと思います。 ありがとうございました。 0.8N/mm^2と云うのは、1mm^2当たり0.8Nの力が必要という意味なのですね。(間違っていたら申し訳ありません・・・)
お礼
とても詳しく、私のような文系で、理数系が苦手な者にでも分かりやすくご説明いただき、本当にありがとうございました。 shota_TK様のアドバイスを仕事で活かしたいと思います。 この度は本当にありがとうございました。