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古文 敬語について
(1)物語の多くさぶらふなる、ある限り見せたまへ。 都には物語がたくさんあるとかいう事です。それらを全て見せて下さい。 (2)かの撫子のらうたく侍りしかば、 あの愛し子がかわいくございましたので、 双方とも形容詞の真下に敬語が使われていますが 前者さぶらふは丁寧語、後者侍りは丁寧の補助動詞らしいのです。 (1)は丁寧語しか意味の取りようが無いのは分かるんですが (2)の場合補助動詞ではなく「あり、をり」の丁寧語と考えて “かわいくありましたので”としても良いのではないかと思えてしまいます。 丁寧語と補助動詞の用法はどう区別すればいいのでしょうか?
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敬語を引き算すると分かりやすくなります。 (1)は引き算すると「多くあり(多く存在する)」となりますが (2)は「ろうたくあり(かわいく存在する)」でなく「ろうたし(かわいい)」です。 「ろうたくあり」がなぜ不自然なのかは、そのような表現が標準語法として使われてこなかったからだということでしょう。 ちなみに、あなたの引用文から「はべり」を引き算すると「ろうたくありしかば」でなく「ろうたかりしかば」です。 この「ろうたかり」は「ろうたし」の「カリ活用」での連用形です。 一般に、補助動詞「はべり」は、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の連用形に接続します。
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