任意の点を(x,y,z,u)とした4次元空間で
(1)3次元の立体を表す式は
ax+by+cz+du=e
でいいですか?
(2)2次元の平面を表す式は一般にどのような形になりますか?
上記のことに疑問を持った理由。
2次元空間で1次元の直線を表す式は、一般にax+by=cとなる。
これは、2点(x,y),(xo,yo)を通り、方向ベクトルが(a',b')で媒介変数tとして
x=a't+xo
y=b't+yo
と書くこともできる。
3次元空間で2次元の平面を表す式は、一般にax+by+cz=d
となる。
これは、
平面上の2点(x,y,z)と(xo,yo,zo)を結ぶベクトルとこの平面に垂直な直線の方向ベクトル(a,b,c)の内積が0であるという条件より導かれる。
実際に計算すると
a(x-xo)+b(y-yo)+c(z-zo)=0
ax+by+cz=axo+byo+czo
になり、ax+by+cz=dという形と同値であることが確認できる。
【別な考え】
3次元空間内の平面は、異なる3つの点によって決定するので、異なる3点を
P(xo,yo,zo)、Q(x1,y1,z1)、R(x2,y2,z2)
とする。この平面上の任意の点X(x,y,z)は、媒介変数t,sを使って
OX↑=OP↑+tPQ↑+sPR↑
と書ける。
成分表示にするために
OP↑=(xo,yo,zo)
PQ↑=(a,b,c)
PR↑=(a',b'c')
と方向ベクトルを定義すると、
x=xo+at+a's......(1)
y=yo+bt+b's......(2)
z=zo+ct+c's......(3)
という書き方も平面を表す式である。
実際に(1)と(2)から未知数t,sについてx,yの式で表すことができるので、それを(3)式に代入すれば、(1)(2)(3)式は、一つの式
a"x+b"y+c"z=d'という形になる。
直線を表す式は、媒介変数tを使って
x=at+xo
y=bt+yo
z=ct+zo
または、
(x-xo)/a=(y-yo)/b=(z-zo)/c=t
となる。
4次元空間で同じように、
直線や平面や立体を考えてみた。
2次元では、(1,0)と(0,1)が直交の基底ベクトル。
3次元では、(1,0,0)と(0,1,0)と(0,0,1)が直交の基底ベクトル。
したがって、
4次元では、(1,0,0,0)と(0,1,0,0)と(0,0,1,0)と(0,0,0,1)が直交の基底ベクトル。
4次元空間では、点は4つの成分で表される。
4次元空間での直線について。
直線は2点が与えられば書ける。
2点(x,y,z,u)と(xo,yo,zo,uo)を通り、その直線の方向ベクトルが(a,b,c,d)だとしたら、媒介変数tを使って、
x=at+xo
y=bt+yo
z=ct+zo
u=dt+uo
となって
(x-xo)/a=(y-yo)/b=(z-zo)/c=(u-uo)/d=t
次に4次元空間での3次元立体について。
2次元空間では、それより一つ次数が低い1次元の直線は一つの式
ax+by=c
で与えられた。
3次元空間では、それより一つ次数の低い2次元の平面は、一つ式
ax+by+cz=d
で表さられた。
したがって、4次元空間では、それより一つ次数の低い3次元の立体は、
ax+by+cz+du=e
で表されるだろう。
【別な考え】
4次元空間では、ある方向ベクトル(a,b,c,d)に直交する立体は一つしかない。なぜなら、4次元空間での基底ベクトルは4つで空間(立体)は3つの基底ベクトルで決定されて、残り一つが残っているからだ。
立体上の2点(x,y,z,u)と(xo,yo,zo,uo)を結ぶベクトルとこの立体に垂直な直線の方向ベクトル(a,b,c,d)の内積が0であるという条件で計算すると
a(x-xo)+b(y-yo)+c(z-zo)+d(u-uo)=
0
ax+by+cz+du=axo+byo+czo+duo
になり、ax+by+cz+du=eという形になる。
2次元の平面はどうだろうか?
(ここからが本題)
4次元空間では、ある方向ベクトル(a,b,c,d)に直交する平面は、2つあるはずだ。
なぜなら、4次元空間での基底ベクトルは4つで平面は2つの基底ベクトルで決定されて、残り2つが残っていて、それはこの平面に直交するように選べるからだ。
平面は、異なる3つの点によって決定するので、異なる3点を
P(xo,yo,zo,uo)、Q(x1,y1,z1,u1)、R(x2,y2,z2,u2)、
とする。この平面上の任意の点X(x,y,z,u)は、媒介変数t,sを使って
OX↑=OP↑+tPQ↑+sPR↑
と書ける。
成分表示にするために
OP↑=(xo,yo,zo,uo)
PQ↑=(a,b,c,d)
PR↑=(a',b',c',d')
と方向ベクトルを定義すると、
x=xo+at+a's......(1)
y=yo+bt+b's......(2)
z=zo+ct+c's......(3)
u=uo+dt+d's.....(4)
という書き方も平面を表す式である。
(1)と(2)を連立して、未知数t,sについてx,yの式で表すことができるので、それを(3)式と(4)式代入すれば、(1)(2)(3)(4)式は、2つの式
a"x+b"y+c"z+d"u=e'
a"'x+b"'y+c"'z+d"'u=e"
になる。
この2つの式からuを消去すれば、結局、
Ax+By+Cz=D
という形になる。
zを消去すれば、
Ax+By+Cu=D
yを消去すれば、
Ax+Bu+Cz=D
xを消去すれば、
Au+By+Cz=D
補足
なるほど5胞体ですね。 つまり二次元空間では、3本の等しい線分(1次元図形)で囲まれものが正三角形。 三次元空間では、4つの等しい正三角形(2次元図形)で囲まれたものが正四面体。 四次元空間では、5つの等しい正四面体(3次元図形)で囲まれたものが正五胞体。 五次元空間では、6つの等しい正五胞体で囲まれたものが正超?六胞体?