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磁石の磁極の強さを決める方法とは?
- 磁石の磁極の強さを決める方法について疑問があります。具体的には、電流と磁極の関係や比例定数などについて知りたいです。
- 電流と磁極の関係について考えると、磁石の磁極の強さを求める実験や換算式は存在するのか疑問です。
- クーロンの法則による式では磁極の強さを決めることができるが、磁荷と磁束の関係について納得がいかない点があります。磁極の強さはどのように定義されているのか疑問です。
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>クーロンの法則の式は、F=(1/4πμ)mm'/r^2 となりますが、この実験により比例定数が(1/4πμ)となるでしょうか。 いいえ、本質的には比例定数が1/4πμになるように1[Wb]の磁荷の大きさが定義されているという事になります。 >μは電流の実験によって求めたものですよね。 いいえ、μ=4π×10^(-7) H/mは定義値であって、実験値ではありません。μがこの値になるように1[A]の電流の大きさが定義されているのです。 >mは「磁極の強さ」であって「磁束」とは異なるものだと思うので、 >それを同じ[Wb]とするのは少し無理がある気がします。 はい、異なるものと考えて差し支えはありませんが、 基本的には、磁極から湧き出る磁束の量が「磁極の強さ」のみで決まるから、 その磁束の量を使って「磁極の強さ」なる量を表現しているというイメージになるでしょう。 >もし電磁石の実験で比例定数が(1/4πμ)ではないとすると、電流から定義された >磁束から、磁石の磁極の強さを求める換算実験と換算式などがないといけない >ことになります。 「電流から定義された磁束」とは何ですか?一般的には磁束の概念は、電流とは無関係に定義されていると思います。 >これにより、磁極の強さがm[Wb]の磁石の先端からもμm[本]の磁 >束線が出ていると思っていましたが、それは間違っているのでしょうか。 きちんと考えていませんがおそらく間違っています。 あくまでも、磁極が磁石の外部(特に対となる磁極と逆方向)に作る磁場だけを見て、磁極の強さの概念が定義されているものと思います。 >以上のことから私の現在の結論は、磁石の磁極の強さを決める実験などは >クーロンの法則(F=(1/4πμ)・mm'/r^2)以外になく、磁極の強さは、「この式 >が成り立つように定義されている」としか考えられません。 磁極の強さを定義するとしたら、そうするのが普通でしょうね。
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ddtddtddtです。 ここでの応答を読ませて頂いた限り、余り過激(?(^^;))な方向にも行かずに妥当なラインで納得して頂けたと、安心しました(^^)。#2さんの仰る意味で、 >・・・磁石の磁極の強さを決める実験などは、クーロンの法則(F=(1/4πμ)・mm'/r^2)以外になく、磁極の強さは、「この式 が成り立つように定義されている」としか考えられません。 は、本質的にその通りです。だって「磁荷」は仮想実体なんですから、1[Wb]はいくらでも人間の都合で設定可能です。ただし「磁荷があるとすれば」、それには逆二乗則が成り立ちます。それは多くの実験や理論的検討から得られた結論です。それが#2さんの仰る「縛り」でしょう。 [電流-磁荷の換算式について] 電流の磁気作用を表す基本法則は、アンペールの法則です。静磁場の場合それは、 dH=1/(4π)×J・dL/r^2 (1) と書けます。(1)のHやLの前のdは、それが微小である事を表します。つまりJ・dLは、電流J[A]を流す導線の微小な一部であり、長さdL[m]のJ[A]が、そこからの距離r[m]の地点に作る磁場がdHだと、(1)は言ってます。dLが微小なので、J・dLは微小な「点」電流のようなものであり、発生源が微小だから、結果のdHも微小だよね?、という式です。 (1)からは、以下の事が理論的に導け、それぞれ実験的に検証されています。 アンペールの法則⇒アンペール力(ビオ・サバールの法則)⇒透磁率μの測定(定義). アンペールの法則⇒[分子電流(円電流)=磁気双極子]⇒棒磁石の磁極の存在⇒磁極間の逆二乗則. また、磁荷と磁荷間の逆二乗則を仮定した磁気双極子モデルでは、 磁気双極子⇒棒磁石の磁極の存在⇒磁極間の逆二乗則. が導けます。このように多くの理論的考察と検証結果から、「点」磁荷に関するクーロンの法則、 dH=1/(4πμ)×dM/r^2 (2) と、(1)とを直接比較する事は、じつは妥当なんです(Mの前のdは、Mが微小な事を表すだけです)。ただし(1)や(2)では、磁場の方向は無視して大きさだけ書いてます(ベクトル表記省略)。この意味は、(1)と(2)の方向は違う(直交する)、という事です。にも関わらず、(1)と(2)を直接比較できるのは、多くの理論的考察と実験結果から、電流の作る磁場と磁荷の作る磁場は同じものだ!、という「確信」があるからです。全ては、「この確信」に基づいています。 (1)=(2)とすれば、 dH=1/(4π)×J・dL/r^2=1/(4πμ)×dM/r^2 (3) なので、J・dL=dM/μとなります。何の事やら不明だと思いますが、(3)をdLで割ります。 dH/dL=1/(4π)×J/r^2=1/(4πμ)×(dM/dL)/r^2 (4) です。(4)のdH/dLは、J・dLの導線を任意に短くしたり長くした時の、その長さ変化に対する磁場Hの変化率です。それは電流Jに比例しますが、その値は、dM/dLに等しくなります。 つまりアンペール力の式を考慮すると、一様に流れる直線電流は、一様に並べられた直線磁荷の「線密度の1/μ倍に等しい」、という結論になります。 慣れて来ると、 μ・J=dM/dL (5) みたいな式を見ても、物理的/数学的イメージはすぐに沸くようになるのですが、(5)に理論的/実用的価値はほとんどないです。状況に応じて使い分けるべき式だからですが、その状況は本当に見当たりません。 前回で(5)をいきなり出して、他の色んな関係式をいじくり回すような過激(?)な方向に進んで欲しくなかったので、前回で(5)を出す事は自重しました。でも杞憂だったですね・・・(^^;)。
- eatern27
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ん~、誤解を招きそうな書き方をした気がしますが、 「磁極の強さ」という概念が、クーロンの法則に基づいて導入されているのではなく、 「磁極の強さ」という概念を導入するとクーロンの法則が近似的に成り立つ(また、実験的にもそれは正しい)という事があって、クーロンの法則の比例定数が特定の値になるように磁極の強さの単位を定義している という感じです。 なので、磁極についてのクーロンの法則は定義式と呼べるようなものではないと思います。例えば距離依存性がどうなるかというのは「磁極の強さ」の単位の決定とは何も関係のない話ですからね。
お礼
はい、そのあたりは認識しております。磁束と磁極の強さが 同じ単位であっても、それぞれの大きさの決定が別々の式による ものであることがわからなかったのです。 本当に助かりました。ありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。これで大体謎は解けました。 高校の教科書や参考書などは、磁極の強さがF=(1/4πμ)・mm'/r^2 から定義されていることはどこも言及していません。 ただ、F=(1/4πμ)・mm'/r^2をクーロンの法則と言って、あたかも その法則性が発見されたように書かれています。 磁極に関しては法則というよりも、定義式と言わないというべきでは ないでしょうか。ここまでわかるのに本当に苦労しました。 みんな物理が嫌いになる原因も、根拠なしに体系だけを列挙する無機質な 教科書や教材に原因があると、本当に感じます。 この物理の世の中に出回る教材のひどさ、いつか必ずこの手で打開して 見たいと思います。 とにかく、ご回答ありがとうございました。