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フランス語の綴りについて
フランス語の発音は綴りの通りでありません。サイレントな文字も沢山あります。同じロマンス語のイタリア語では発音はほとんど綴りの通りです。フランス語ではどの時代につづりと発音が違ってきたのでしょうか。h以外のサイレントな文字の変遷も教えて頂けませんでしょうか。
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>フランス語の歴史的変遷を素人向けに書いたような本はありませんでしょうか ちょっと難しい気もしますが「古フランス語文法(島岡茂 著)」である程度分かります。中期以降、現代に至るまでの音声的変化はこれでは分かりません。 北部は他民族特にゲルマンの影響を受けた言語(オイル語)ですが、南部はその影響が少なく見た目にも「ラテン的」な言語(オック語)です。南北対立については下記の記事が参考になるでしょう。
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- trgovec
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>何世紀ころから子音がサイレントになってきたんでしょうか 正確には分かりません。一部の単語にはサイレントになったことが綴りの変化に現れたもの、つまり綴りから消えたものもありますが (ラテン magister) - maistre - maître 母音に挟まれた g が脱落し二重母音 ai ができ、これが [ε} に変化。第一音節末の s が脱落し後に綴りから消滅。山形アクセントが子音が抜けたことを示す この単語 maître は15世紀の La Farce de maître Pierre Pathelin という作品の原文ではまだ maistre と書かれていますがこのときすでに s がサイレントであったのかどうかは不明です。大学でこの時代の文献を読んだときは現代語の発音で読みましたが、正確な発音が分からないからでしょう。それより古い古フランス語は一応綴りの通りに、黙字なしで読んだと思います。 Chamonix については語源は不明ということでしたが、語尾に x が多いのは理由があって、本来は us という綴りの代りに x を用いたのが始まりです。s は複数形語尾、動詞の語尾に現れるため x も多くなります。 chevals - chevaus - chevax - chevaux peus - pex - peux x が u を含んでいることが忘れられ、あるいは子音字が母音を含むことが不自然と感じられたのか u が復活 フランス語はあくまでロマン系言語で、基礎はラテン語にあります。ケルトやゲルマンの影響は、借用語、発音、統語におけるものです。
お礼
早速のご回答有難うございました。2回とも具体的な例を上げてご説明くださり、よくわかりました。 15世紀くらいが一つの境なんでしょうか?隣国の状況を見ますと、小国からなっていたドイツでは16世紀ルターの聖書がことばの統一に大きな影響があったとのことです。それ以前の文の例をみるとちんぷんかんぷんです。英語の文で10世紀、15世紀、現在の文を並べたものを見ましたが、15世紀のものは何とか推測で分かるような気がしますが、10世紀のものは全く別物のようでした。(英国にはアイルランドやスコットランドなど、まだ強い方言?が残っています。)フランスは広い国なので方言も多いかと思います。今のフランス語はパリ北部の方言だとかと読みましたが、統一言語になったのは、フランスが百年戦争の後15世紀に中央集権国家になったからでしょうか?フランス語の歴史的変遷を素人向けに書いたような本はありませんでしょうか? 既に十分お答えいただきましたので満足しておりますが、お教え頂ければ幸いです。
- Oubli
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フランス語の綴りと発音の関係は、英語ほど不規則ではないですよ。ラテン語や他のロマンス語と比べて規則はやや複雑ですが、例外はあまりありません。黙字となる語末の子音も、女性形やリエゾンで復活することがありますので残す価値はあるでしょう。本当に不規則なのは-illeが[-il]か[-ij]か解らないぐらいでしょうか。あとは、絶対リエゾンしないetのtや、enの部分が全く無駄な三人称複数語尾の-entなど、ラテン語の影響を受けた(というか後から取り入れた)ものも少しあります。
お礼
有難うございました。リエゾンで復活することもあるので、完全にサイレントというわけではないですね。大変参考になりました。
- trgovec
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フランス語の綴りは子音がサイレントになることがありますが母音についてはほぼ規則通りになっています。「綴り通り」というのは現代の言語では各国ごとに規則があるため一般的な言い方はできませんが、それでもロマン系の祖であるラテン語の綴り(いわゆるローマ字読み)と乖離しているのはいくつかの理由があります。 子音も母音も長い年月の間に変化を被っていないものはほとんどありません。イタリア語やスペイン語も例外ではなく、ラテン語から変化しています。 ovum - 伊 uovo - 西 huevo - 仏 œuf 変化の仕方は地域によって違いますが、イタリア語やスペイン語はだいたいラテン語の母音 aiueo の範囲内で変わっているため、変化してもローマ字読みの範囲に収まっています。 子音が脱落することも珍しくありませんが cantat - 伊 canta - 西 canta - 仏 chante フランス語で発音しない子音字を後生大事に保存しているのは、同音異義や文法的機能を見た目で区別する役割があります。 chanter/ chantez/ chanté, chante/ chantes/ chantent これらの組は子音の脱落のため発音が同じですが見た目で区別されます(-tis → ts → z, -et → é と変化し脱落)。他のロマン系では発音が違い、それに合わせて綴りも違います。 比較すると、フランス語とその他のロマン系ではラテン語との違いの程度に大きな差が見られますが、これは地理的にケルトやゲルマンなどの民族との接触による影響が考えられます。例えば u を「ユ」と読むことはケルトの、弱い音節が脱落したり曖昧母音化することはゲルマンの影響と見られます。その変化は中世の頃の文献(ただしこの頃は綴りは変化しているなりに規則的だったと考えられます)に見られます。
お礼
早速ご回答頂き有難うございました。理解が深まりました。もう少し伺ってもよろしいでしょうか?今はサイレントな子音もその昔には発音していたんでしょうか。もしそうだとすると、何世紀ころから子音がサイレントになってきたんでしょうか。先日シャモニーに行ってきましたが、昔はシャモニックスなんて発音していたんでしょうか。フランス語はその基層語としてケルト語があると読んだことがありますが、子音がサイレントになったことと、それに加えて母音もフォネティックでない場合もあることも、ケルト語と関係があるんでしょうか。ケルト語について何も知らないのですが...お教え頂ければ幸いです。
お礼
何度もご親切にお教え頂き有難うございました。ご返事をプリントして、何度も見返すことにいたします。お教え頂いた御本は歯が立つようであれば挑戦したいと思います。