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露点実験と湿度の問題について
- 露点実験や湿度の問題についてご質問です。露点とは、空気中の水蒸気が飽和状態に達した際に水滴が発生する現象です。一般的に、露点は温度が下がるにつれて下がり、ある温度で水滴が発生します。中学の湿度の問題でよく出されるのは、このような露点実験の想定です。
- 一方、コップに氷水を入れて水滴が付く実験は、開放系で行われるため、中学の湿度の問題とは異なります。この場合、シャルルの法則によりコップの周りの空気の体積が減少し、水蒸気の含有量は室温の時よりも多くなります。したがって、露が出る前に水滴が付くことが考えられます。
- 以上のように、露点実験では温度の下がりに伴い水滴が発生する一方、コップに氷水を入れる実験では水滴の付着が露点よりも早く起こる可能性があります。このような現象は、湿度の問題でよく出題される内容と関連しています。
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#2です。 >温度が下がるのに水蒸気圧が不変ということは水蒸気量は増えるということですよね? そうです。ただしこの水蒸気量は容器の中全体に含まれている水蒸気量です。 あなたが単位体積当たりの水蒸気量で考えるという立場に立っておられますので容器を考えたのです。容器の中にある気体の温度、圧力は容器内の場所によらず一定であるとしています。温度を変えることができるという設定ですが穴が開いていますから圧力は外部と同じ値になります。 容器の体積は変わらないとしていますので >室温と露点で体積が1.1倍違うとしたら、 ということは起こりません。 体積が一定、圧力も一定であれば温度が下がれば物質量が増加します。空気の量、水蒸気の量が同じように増加します。(これはボイル・シャルルの法則から出てくることではありません。ボイル・シャルルの法則は気体の量は変化しない、状態だけが変わるという時のものです。PV/T=一定という式で表されます。気体の量が変化する場合はこの式のVをモル体積に読み変えることになります。これは気体の状態方程式PV=nRTで考えるというのと同じです。PVが一定なのでnTが一定になります。#2ではnoTo=nTという式を書きました。これは水蒸気をふくんだ空気についてのものですが、水蒸気、空気を別々のものとして考えても当てはまります。) この水蒸気量がこの容器内に含まれる限界の水蒸気量を超えると水蒸気から水への状態変化が起こります。何度まで温度を下げれば水蒸気から水への変化が起こるのか、その温度が露点ですね。 室温では飽和ではなかったのですから容器の温度をT(<To)としたというだけではまだその温度が露点であるとは限りません。いきなり露点に持って行くと多分、わからなくなると思います。 3つの温度を考える必要があります。 To:室温 T:容器内の気体の温度をToよりも低い温度に設定した ・・・しかしまだ飽和には達していない(容器内の水蒸気量がまだ限界の水蒸気量に達していない) Tw:露点温度 ・・・容器内の水蒸気量が限界量に達した。 To>T>Tw です。 容器内の水蒸気量(質量)を順番にmo、m、mwとすると mo<m<mw です。 mwは露点での限界水蒸気量です。容器内の水蒸気量はmoからmwまで増加するのです。 この温度が何℃になるかを簡単に求めることはできません。飽和蒸気圧で考えるよりも単位体積中に含まれている水蒸気量で考える方が楽だということではありません。圧力で考えるのには馴染んでいないということであれば定性的に考えるという範囲に議論を絞ることになります。 解くとしたらグラフ的なものになるでしょう。 nT=noTo という関係を使う必要があります。 これを 水蒸気について mT=moTo と読み直します。 このm,moは単位体積中の水蒸気量(質量)としていいです。 限界の水蒸気量の表が与えられているとします。 湿度がa%であれば表からmoが分かります。moを直接表に対応させることが出来ないというところがややこしくなっている点です。mT=moToという関係を満たすようにmとTを変えて行って表の中のmw、Twに一致する点を探すことになります。 単位体積中に含むことのできる水蒸気量を温度Tに対してグラフにします。 このグラフに反比例のグラフを重ねて書いて交点を求めるのです。 温度Tは絶対温度です。 (グラフで解くということは、蒸気量と温度の関係を表す式から表を作って飽和蒸気量の表と突き合わせるということと同じです。) 閉じた系での露点を飽和水蒸気圧で求めるというのもグラフ的なものになります。 (各温度での飽和蒸気圧を示すグラフとP=αTというグラフの交点を取ります。室温での蒸気圧が分かっていますのでαは決まります。) 飽和蒸気量で考える、飽和蒸気圧で考えるのどちらであっても、簡単になる場合とややこしくなる場合とがあります。穴の開いている容器の場合は飽和蒸気圧で考える方が楽です。閉じた容器の場合は飽和蒸気量で考える方が楽です。条件によって温度を変えても変わらない量が変わるからです。 穴があいている場合、内部と外部の圧力が等しいという条件が成り立ちますので蒸気圧も変わりません。表を見て水蒸気圧が飽和水蒸気圧と等しくなる温度を探せば露点が分かります。 閉じている場合は水蒸気量が変わりません。表を見て水蒸気量が飽和水蒸気量と等しくなる温度を探せば露点が分かります。 中学生ということで圧力での表現を避けたいということですが閉じた箱の中の水蒸気であれば水蒸気量で考える方が楽になりますのでもっぱらそういう場面が例に取り上げられるのです。でもコップの縁で冷やされて水滴に戻るというような解放系での場合(#2で考えた穴のあいた容器の場合)、は圧力で考える方が楽なのです。水蒸気量で考えるというのは別の手順が必要になりますから圧力を習ってから取り上げる例にするほうがいいだろうということです。それまでは定性的な説明にとどめておくというのがいいでしょう。
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- htms42
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「水蒸気量」、「飽和水蒸気量」という言葉で理解しようとしているところに原因がありそうです。 考えるのは「水蒸気圧」、「飽和水蒸気圧」です。 氷水の入ったコップの問題では温度勾配が存在しています。 コップのすぐ近くと離れたところとで温度が違います。 飽和水蒸気圧は温度によって異なります。温度が低いと飽和水蒸気圧が低くなります。 コップから離れたところではまだ飽和水蒸気圧に達していなくても、コップのすぐ近くでは飽和蒸気圧の値を超えるということが起こります。その超えた分が液体に戻ります。そういうことによって水蒸気圧が飽和水蒸気圧に等しい状態が維持されるのです。 単位体積中に含まれる水蒸気量という立場で考えるのはややこしくなるでしょうね。 コップのごく近くの、温度が一定とみなせるような狭い領域を取る必要があります。その外にもっと温度の高い領域を取ります。温度勾配に応じていくつも領域を取る必要が出てきます。 >コップの周りの空気の体積はシャルルの法則により小さくなり 減った分が他から供給されますから、 単位体積あたりに含まれる水蒸気は室温の時より多いのではないでしょうか? これは間違いではありません。 >つまり、水蒸気量が飽和水蒸気量と等しくなる以前に露が出るのではないでしょうか? これがおかしいのです。水蒸気圧ではなくて水蒸気量で考えたので考え違いが出てきてしまったのです。 簡単にした別のモデルを考えてみます。 体積Vの容器を考えます。小さな穴が空いていて空気が出入りすることができます。 室温をTo,大気圧をPoとします。 容器の中の気体の温度は初め室温に等しいです。 中にある気体の量noは状態方程式で求めることができます。PoV=noRTo で決まります。 水蒸気圧(水蒸気の分圧)をpとします。この温度での飽和水蒸気圧をpoとすると湿度は(100p/po)%です。普通は湿度が50%以下でしょう。 容器の温度をTまで下げます。 温度が下がると圧力が下がりますので部屋の空気が穴を通って容器の中に入って行きます。圧力が等しくなったところで釣り合います。PoV=nRTに変わります。2つの式からnT=noToが出てきます。 温度が低くなると容器の中の気体の物質量は増加します。水蒸気の量も同様に増加します。あなたが書いておられる通りです。 水蒸気も気体ですから空気中に含まれている水蒸気は酸素や窒素と同じように扱ってかまいません。 ただ違うところは温度によって決まる限界圧力(飽和水蒸気圧)が存在するというところです。 圧力が等しくなるところで釣り合うというのがポイントです。温度が低くなったのですが圧力は変わっていません。水蒸気圧も変わっていません。 温度Tでの飽和水蒸気圧をpo’とします。 p<po'であれば 単位体積中の水蒸気量が増えても何の問題もないのです。 単位体積中の水蒸気量が越えることが出来ないのはpo’に相当する水蒸気量についてです。 p>po' になったとします。オーバーした分が液体の水に戻って圧力が下がります。p=po'になったところまで止まります。これによってわずかですが容器の中の気体の圧力が下がります。容器の外の空気が少し流れ込んできます。水蒸気の分圧がpであるような空気が流れ込んできますからまた少し水蒸気圧が上がります。また液化が起こります。でも液化により生じた圧力の減少分を補うだけしか入ってきませんので入ってくる空気の量は少ないです。 コップの中に氷水が入っているコップが部屋の中に置かれているという場合は穴から空気が入ってくるというのに比べて空気の量に違いがあります。コップの縁で冷やされた空気は含んでいた水蒸気の大半を失います。でも接触しているのごくわずかの空気です。そのままであればコップを置いてあるテーブルがべとべとに濡れてしまうということは起こりそうにありません。上で考えた容器の場合とコップの場合で異なるところはどこでしょうか。 容器の場合、水蒸気を失った空気がそのまま容器の中に存在しています。液化によって減少した分だけが外部から補充されます。コップの場合は冷やされた空気が下にさがり、新たに上から暖かい空気が供給されるという対流が起こります。次々と新しい含まれている水蒸気量の多い空気がコップに接しくして行きますのでトータルで液体に戻る水の量はテーブルがべとべとになるぐらい多くなってしまうのです。 参考 水の飽和蒸気圧 0℃ 4.6mmHg 30℃ 31.8mmHg 1気圧は760mmHgですから15mmHgから5mmHgになったとしても全体としての圧力の減少はわずかです。 この圧力減少に相当する水の量が1gだとします。 0℃の空気(コップの縁に接触する空気)は何Lぐらい必要だと思われますか。 0℃、1気圧、22.4Lで18gです。 0℃、(10/76)気圧、xL、1g とすると計算出来ます。 約9.5Lです。 コップの縁にこれだけの量の空気を接触させないといけないのです。 対流が無ければ難しいというのが分かると思います。
補足
回答ありがとうございます。 水蒸気圧という概念が存在することも知っていますが 中学で教えるのは水蒸気量ですので、両方で述べていきたいと思います。 >簡単にした別のモデルを考えてみます。 (中略) >圧力が等しくなるところで釣り合うというのがポイントです。 >温度が低くなったのですが圧力は変わっていません。水蒸気圧も変わっていません。 おっしゃられる通りだと思います。 温度が下がるのに水蒸気圧が不変ということは水蒸気量は増えるということですよね? だとしたら、室温と露点で体積が1.1倍違うとしたら、 空気に含まれる水蒸気量×1.1となる点が露点になる筈だと思いますが違いますか? 私が問題にしたいのは露点であり、p=p0となった点のことですので p>p0'の場合については省略させていただきたいと思います。 コップの実験についても、空気に流れがないといけないことはわかります。 しかし多少なりともコップの近くを通る時に空気は縮む筈だと思いますが違いますか? だとしたら、上に書いた1.1倍のような計算をしないといけないのではないでしょうか?