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水温と気温
気温の30℃は暑いけど、水温の30℃は快適です。 気温の20℃は快適だけど、水温の20℃は冷たいです。 気温の60℃は暫く耐えられるけど、水温の60℃は即火傷します。 水温の場合は、体温に近い温度でなければダメージを受けるのでしょうか?
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主な違いは熱の伝わり方です。 熱が伝わるには、もちろん高温源から低温源へですが、それには3種類あります。 直接の接触によって熱が伝わる熱伝導、高熱源から空気などの気流で熱が伝わる対流(対流熱伝達とも)、赤外線などに代表される熱輻射(真空中でも伝わる)の3種類です。 このうち、ご質問については、熱輻射は関係していません。これは日向が暑い(暖かい)ということには、大いに関係します。 空気はもちろん、水も固体ではありません。ですので、熱湯から出したばかりのゆで卵の殻を剥こうとして、「あっちっち!」となるような、直接の接触のみで伝わる熱(熱伝導)だけで考えるわけにはいきません。基本は、それがあるんですが。 熱い(暑い)空気だって直接肌に触れています。それでも、体温より、ずっと高温の空気(100度とか)でも火傷しません。 まず100度の空気は体表面で冷やされます。しかし空気は単位体積当たり(1立方センチとか)に持てる熱量が少ないです。 単位体積当たりの分子数は、液体の状態と比べると、おおまかには気体で1/1000倍といったオーダーの密度のためです。おおよそは、単位体積当たりの分子数が、持てる熱量だと思ってくださって大丈夫です。だから、気体は液体の1/1000くらいの熱量しか持てません。 体表面で冷やされた空気は、下に降りて行きます。温度が低くなるほど、密度が高くなり、周囲の空気より重くなるためです。そこへまた100度の空気が入り込んできます。そういう風、つまり気流が続きます。 これは対流によって熱が伝わっているということです。こうして次々に入り込んでくる100度の空気で熱が伝わります。空気も体表面に接触はしていて、接触によって熱を伝えてはいるけど(熱伝導)、最も大きいのは、それによって起こる対流だということですね。 そして、そんなに速い気流ではありません。体表面付近で体温程度に冷やされた空気がゆっくり去って行き、100度の空気がゆっくり流れ込んできます。体表面付近の平均温度を見れば、100度よりずっと低い温度になっています。 もし、100度の空気の強い風が人体に当たれば、火傷することはあります。常に100度にさらされますので。たとえば、サウナ風呂より低い温度の風のヘアードライヤーで、濡れた髪は速く乾きます。サウナ風呂にいるより速いです。それは、次々と暖かい空気を強い風で送り込むからです。 気温100度に戻りまして、周囲の100度より低いとはいえ、かなりの高温の空気に人体は包まれています。そこへ、人体の防衛機能が働きます。もちろん、汗です。水が蒸発するとき、大量の熱を奪います。 熱中症で体温が上がり過ぎたとき、最も効果的なのは、着衣の上から水をたっぷりかけて、風を送ることです。氷水に浸かるより、早く体温を下げられます。汗が出て、周囲の高温の空気で汗が蒸発すれば、同様に効率よく体を冷やせます(そのため「汗がしたたり落ちる」という状態は、汗の蒸発効果が追いついていない証しで、長く続けるのは危険)。 気温30度でも、人間には暑すぎます。人間は恒温動物で一定の体温を維持できるわけですが、そのために体内で熱を作り続けています。 この常に発生する熱は、気温20度くらいでバランスします。16度差くらいでいいということですね。このときも、体表面付近の気温36度から、離れるほどに緩やかに気温が下がっています。これも対流です。 それより寒くなって、寒くなり過ぎると熱の発生が間に合わず、がたがた震えてでも熱を作ろうとします。 30度でも、湿度が高いと不快さが増します。湿度が高いと汗が蒸発しにくいためです。汗で熱を逃がしにくくなれば、気温が上がったと同じようなことになります。湿度100%になれば、汗は蒸発できませんので、体を冷やせません。風呂にずっと浸かっているようなものです。高温多湿は危険です。 これが100度の熱湯だと、あっといまに大やけどになります。熱湯(水)は、同じ体積なら空気の1000倍くらいの熱量です。冷やしにくく暖めにくい。36度の皮膚では、なかなか冷えません。 それでも、一応は水だって流れるわけですから、空気と同じように、皮膚表面で熱湯が冷やされて対流は起こっています。しかし空気の1000倍ゆっくりです。これでは対流は当てにならず、液体も固体も大差ありません。直接接触で熱が100度で伝わり続けます(熱伝導)。だから、すぐにやけどになります。 20度の水だと、どうでしょうか。やはり直接接触です。今度は熱が逃げて行きます。皮膚表面は常に20度です。熱湯でやけどするのと同じく、対流は期待できません。 空気のときのような、離れるほど緩やかに温度が下がるということがありません。皮膚表面で、いきなり16度差となります。激しく熱が逃げて行きます。だから冷たく感じます。「長く続けていはいけない!」という体からのサインです。
- アウストラロ ピテクス(@ngkdddjkk)
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体を構成するタンパク質は、約42℃以上になると凝固を起こし、不可逆性の変化をします。 空気と水では、体に熱を伝える媒体である(体に接する)分子の量が異なります。これは密度に比例します。 >気温の30℃は暑いけど、水温の30℃は快適です。 空気の場合は熱の放出が汗であるため、液体→気体の状態変化を起こさなければなりませんが、水に使っている場合は直接的に汗が出た部分を水温にしてくれます。液体→気体の状態変化を起こすまでの間に体に熱がこもるため暑く感じます。これは、人間の体内の代謝が熱の生成源であることも影響しています。人間は体温が周りの環境の温度によって体温を変化しない恒温動物であるためです。 >気温の20℃は快適だけど、水温の20℃は冷たいです。 >気温の60℃は暫く耐えられるけど、水温の60℃は即火傷します。 これも体内の熱の発生、体表での熱の放出、周囲環境の物質の密度(熱容量と伝熱能力)によってこのように感じます。 No.1さんの >身近で似たようなものに静電気がありますね。静電気でビリッとくるあれですが、あの静電気は実は数万ボルトもの高い電圧を持っているんですが、あれで死んだ人などいませんよね。ところが同じ程度の電圧の掛かっている高圧電線に触れれば無事な人はまず居ないでしょう。これは電圧が高く(温度が)てもエネルギーが小さければ問題にならないと言うのと似ています。 これは、電流がほとんど流れないからです。裂傷等の原因は電流が流れることによります。物理では基本単位系でMKSA単位系を構築している基本単位に電流の単位を用いていることからも、電流がより物理的であることがわかります(説明すると長くなるので割愛させて頂きます)。エネルギーは人間の作った概念です。 静電気は、心臓のマクロショック(心室細動を起こす)の電流値(過渡的になるため、直流よりかなり大きな値になる)よりも小さいため、平気です。体の組織破壊の前にマクロショックの方が問題になります。電撃の場合の死因はほぼこれです。 逆に、最近普及してきているAEDは、心室細動を電撃で止めるという原理になります。
- sailor
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これは温度だけ考えるととても不思議な気がしますね。でも、実は水と空気では熱の伝わり方が全く違うのと、体の表面に接している部分が持っている熱量が全く違うからと、空気であれば体は汗が乾くことで熱を逃がすことができるからなんです。 まず、同じ温度でも空気は水と比べて持っている熱エネルギーがずっと小さいので、体に触れた部分が体に与える熱の量は小さいのです。また、空気は熱の伝わりが悪いので、周囲の空気から熱が伝わってくるのも遅く、肌に触れている部分自他の温度はそれほど高くはならない上に、空気中であれば湿度が100%で無い限り、汗が蒸発(水が蒸発するときかなりの熱量を奪っていきます)する際の効果もあり、乾燥した中でなら100度を越える温度(たとえばサウナ)でも10分程度なら問題ないでしょう。 一方水は、水自体が持つ熱エネルギーが大きく熱の伝わり方も空気よりはるかにいいため、肌自体が水の温度まですぐに温まって(冷えて)しまいます。そのため60度などと言う温度ではすぐにやけどをしてしまうのです。 まとめてみると、そのものが持っている熱エネルギーは温度のみで決まるのではなく、その物質が蓄えられる熱量(比熱と言います)の大きさと温度で決まると言うこと、やけどをするかしないかは肌と触れる部分の持っている熱量と温度で決まるので、温度が高くても熱量わずかであればやけどはしない、空気中では湿度にもよるが汗の蒸発による放熱作用があるが水中では汗が蒸発できないためこの機能も働かないと言うことですね。 身近で似たようなものに静電気がありますね。静電気でビリッとくるあれですが、あの静電気は実は数万ボルトもの高い電圧を持っているんですが、あれで死んだ人などいませんよね。ところが同じ程度の電圧の掛かっている高圧電線に触れれば無事な人はまず居ないでしょう。これは電圧が高く(温度が)てもエネルギーが小さければ問題にならないと言うのと似ています。 同じように暖めた、の木の板と鉄の板に触ったときも温度が違って感じられると思いますが、これは内部にたまっている熱エネルギーの量の違いと、熱の伝わり方の違いによるものです。鉄は熱エネルギー自体も大きいのですが、それに加えて熱の伝わり方もいいため、触れた部分のエネルギーが肌に伝わって温度が下がっても、内部にある熱がどんどんその部分に伝わってくるため、肌の触れた部分の温度がなかなか下がりません。一方木の板は内部の熱量も鉄よりは小さいですし熱の伝わり方も鉄より悪いため、肌が触れて温度が下がったあと、内部の熱エネルギーが中々その部分に伝わってこないため、鉄に比べて熱く感じることは少ないでしょう。 人が火傷をしたり凍傷になったりと言うことには、温度だけではなく、熱エネルギーの量と熱の伝わり方の良否・汗の蒸発による放熱の可否が関わって決まります。
お礼
親切な回答有難うございます。