If P, Q. の用法で
次の一節は20世紀最後の10年間の情報革命について述べたエッセーにあるものです。
If the political revolutions of the eighteenth century produced the lonely terrorist in prison, and the Industrial Revolution produced the solitary worker at his weaving machine, the Information Revolution has produced the lonely viewer who spends hours alone in front of a computer's display screen. And, as was true of the other "revolutions," the Information Revolution may damage health: wrist pain and eye fatigue are two physical illnesses which have increased as a result of increased time spent by workers looking at video panels.
(東京外国語大学、1996年前期入試問題の大問5の第6段落。字数制限の関係で全文の引用は今はできませんが、必要でしたらどなたかが回答していただいた折りに「補足」欄で行います。)
このエッセー全体の概要は次のとおりです。
「20世紀最後の10年間の情報革命は,歴史上の産業革命や政治革命と同じく民衆に期待と希望を与えている. 新しい情報技術は使用する人の参加を約束するが,それがすべての国で歓迎されているわけではない.新しい情報よりも社会的安定を好み、政府が情報を統制をしようとする国もある.また民主主義の国でさえ全面的に歓迎されているわけではない.以前は,個々人が集団の経験や情報を共有していたが,情報革命によって社会参加の必要性が減ってきている.《この段落》 このように,歴史上の他の革命と同様,情報革命が実際にもたらすものは期待ほどではない.」
さて、この第1文のifの用法がよくわかりません。第1文を、
・If P1, and P2, Q.
ただし、
・P1: The political revolutions of the eighteenth century produced the lonely terrorist in prison.(18世紀の政治革命が刑務所に収容された孤独なテロリストを生んだ。)
・P2: The Industrial Revolution produced the solitary worker at his weaving machine.(産業革命が機織機に向かう孤独な労働者を生んだ。)
・Q: The Information Revolution has produced the lonely viewer who spends hours alone in front of a computer's display screen.(情報革命はひとりコンピュータのディスプレイ画面の前で何時間も過ごす,孤独な視聴者をつくった。)
としたとき、「P1及びP2」と「Q」の関係をどのように考えればいいのでしょうか? 基本は、「因果関係」を示し、「P1及びP2」が真だとすれば、「Q」も真である、ということかなと思うのですが、もう一歩踏み込むとどういうことになるのかがわからないのです。
文脈から、著者はきっとQが真であると主張したいのであろうと想像するわけですが、Qが真であることを主張するのに、「P1及びP2」をなぜifを用いて述べる必要があるのでしょうか? 対照を表す接続詞whileを用いて、While P1 and P2, Q. あるいはもっと単純に、P1 and P2, and Q. とした場合との違いは何なのでしょうか。
Whileを用いれば「P1及びP2」が真であることを前提とした表現であるのに対して、ifを用いると「P1及びP2」が真であることを断定しきることを避けることができる表現という見方をしてよろしいのでしょうか?
もし「P1及びP2」と言ってよければ、Qと言ってもよい。(本当は、「P1及びP2」が真であり、Qも真であると言いたいのだが、そこまでは言い切れないのでこういう表現をとったが。)………という気持ちがある表現ではないか、と勝手な推測をしています。
● 質問をまとめます。
1. 私の推測の正誤も含めて、このifの用法をお教えください。
2. このifの用法の他の例文、文法書や辞書などの先達の解説や説明をご存知でしたらご紹介ください。
よろしくお願いいたします。