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時効硬化についての基礎知識とは?
- 時効硬化は材料中の析出物の拡散によって起こり、時間が経って拡散していた析出物が寄り集まって最適な大きさ・密度になったとき硬さが最大となる現象です。
- 時効温度が高いと原子の拡散速度が大きくなり、ピークが右にずれることがありますが、なぜ硬さの最大値まで大きくなるのかはまだ解明されていません。
- 時効温度・時効時間は、材料中の析出物が最適な大きさ・密度になるまでの時間とそのときの温度を指します。ジュラルミンは常温で時効を起こす性質を持っており、時効温度と時間は変えることができません。
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少し整理してから考えましょう。ジュラルミンを例にします。 熱力学的には「常温でα+θの二相状態が安定」である合金があります。これを高温でα一相の状態にさせた後に急冷して「(一見安定な)常温でα一相」を得ます。これは熱力学的には不安定なので、二相状態に近づこうとしています。近づくための材料内部の挙動とは「固溶した溶質原子を移動・集合させてα+θ状態に近づく」ことです。固体内での原子の移動・集合(拡散)には時間と温度が必要です。原子の集合の度合いによって硬さが変化するので最大硬さのあたりを目指して「原子の集合の度合い」を制御する(時効処理する)わけです。 「原子の集合の度合い(析出状態)」は原子の移動・集合の度合いで定まり、これは時間(時効時間)と温度(時効温度)との関数関係になります。時効温度が変動したとしたら、それを反映した析出状態になるばかりです(事実上無視)。ここから二段時効などの処理が考えられました。 さて、本題の質問がどれか不明ですが、「使用限界を定めるものは何か」として進みます。課題の意図は析出状態を考慮せよということだと考えます。過時効にならない時効条件と使用温度条件をグラフから読み取ることでしょう。熱処理条件を考えると、使用初期からの強度が欲しいので、工業的には析出をかなり促進させた時効温度・時効時間条件が欲しいでしょう。使用温度を考えると、常温であれば過時効は有限の時間にはやって来ないでしょうし、常温程度となるでしょう。時効条件と使用温度は材料の便覧などに示されるものの背景の一部がこれらのことです。これらの他に、実用上は「長時間強度(遅れ破壊)」が気になります。
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- kangaeru2
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機械材料的なご質問ですが、機械のカテゴリがないので、化学のカテゴリで質問なされたことと思います。 合金の硬化(または、強化)は、結晶格子のひずみにより、変形抵抗を増やすことによって行われます。 ジュラルミンの場合は、θ相として、Al-Cuを適当な大きさで均一に分散させることによって、時効硬化させます。適当な温度と加熱時間の制御および冷却によってこれを実現します。θ相というポテンシャルの谷に固着させるということです。 拡散の速さは、加熱温度が大きいほど速くなりますが、常温でも長時間立つと徐々に拡散が進みます。 また、拡散物は、経時変化によって、過剰に肥大化して、材料が軟化することもあります。 ご参考になれば、幸いです。
お礼
詳しく教えていただきありがとうございます。
お礼
詳しい解答ありがとうございます。 まだ、少し自分の理解に自信がないのですが・・・ つまり、ジュラルミンの使用限界を決めるものは、 時効が起こる温度であり、その温度は材料に固有の値であるということでしょうか? そしてジュラルミンは常温でも時効が起こるために、過時効となり、劣化が起きると? 補足していただけると幸いです。