期末在庫が利益に影響する?
期末在庫が利益や税金に影響するという話はとてもよく聞きますし、ネットでも多数見かけられます。
その反面、それはナンセンスという回答も多く見られます。
どちらが本当なのでしょうか。
ここは商社だとします。
100円のものを仕入れ、130円で販売するとします。
期首在庫 100個 10,000円
期中仕入 50個 5,000円
販売 30個 3,900円
期末在庫 120個 12,000円
この場合、粗利は3,900円-(10,000円+5,000円-12,000円)=900円になります。(粗利率23.08%)
ここまでは問題ないと思います。
で、よく言われる期末在庫が増えると利益が増えるということを考えてみます。
期末在庫が140個となり、金額が14,000円になったとします。
この場合売上原価は 10,000+5,000-14,000円となり売上原価は1,000になり、確かに当初の売上原価とは変わってきます。
ですが、期首在庫が100個が変わらないとすれば、期末在庫が140になるには、販売か仕入れが変動しないと帳尻が合いません。
販売数が同じで、期末在庫が140に増えるということは、仕入れが70になるということです。
期首在庫 100個 10,000円
期中仕入 70個 7,000円
販売 30個 3,900円
期末在庫 140個 14,000円
この場合、売上原価は 10,000+7,000-14,000=3,000になるため、実際は上記のような売上原価が1,000円になることはあり得えず、当初の期末在庫120個と同じ売上原価3,000円になります。
3.900-(10,000+7.000-14,000)=900円で粗利率は23.08%です。
では販売が不振で、50仕入れたが10しか売れなかったため、期末在庫が140になった場合です。
期首在庫 100個 10,000円
期中仕入 50個 5,000円
販売 10個 1,300円
期末在庫 140個 14,000円
この場合、売上原価は1,000円となり、確かに変わります。
変わりますが、売上が減って1,300円になっているのですから、1,300-1,000円で粗利は300円になり、逆に減っています。(利益率23.08)
期末在庫が増えても、利益は増えるどころか減っていますよね?
ただ、上記パターンはどれも利益率は同じであり、結局のところ、仕入れを増やそうが、販売を減らそうが、期末在庫をどうしようが、売っただけの売上に対して税金がかかるのであって、こんな小細工は全く無意味なのでは?と思います。
考えたところ、仕入れや販売に関係なく期末在庫を変えるとすると、期末在庫の評価方法で変更するしかないのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか。
期末在庫が増えると、利益は増えるのでしょうか、減るのでしょうか。
他でも聞いたのですが、回答を聞いても全く納得できないので聞いてみました。