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在外子会社から受け取った配当金に関して

在外子会社から受け取った配当金に関しての連結会計上の処理について教えてください。 当社では今年も含めた向こう3年間の在外子会社から受け取る配当を予測し、その金額×5%×法人税率で「法人税等調整額/繰延税金負債」 の仕訳をきっているのですが、これの意味がよくわかりません。 5%は益金に参入できるのが5%なので、その数字だと思うのですが、この仕訳が何のためにきられているのかがわかりません。 わかりやすく教えていただけないでしょうか。 宜しくお願いいたします。

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回答No.2

 結論を先に言います。 下記の税効果会計の仕訳を行うこと自体が間違いであり、不要です。  法人税等調整額/繰延税金負債  この件は「外国子会社配当益金不算入制度」に該当するものです。 簡単に言うと、外国子会社配当益金不算入は、税効果会計の対象ではないということです。 ですから、税効果会計の仕訳も不要となります。  前置きが長くなりますが、税効果会計というものを説明します。 減価償却費を例に取ります。 車は法定耐用年数は6年である。 償却率は0.319である 200万円の車を年度始めに購入しました。 企業は(企業会計上)、減価償却費として、90万円を計上しました。 税法では、638,000(200万円x0.319)しか認めないから、差額の262,000は 申告書の別表4で加算され、その分だけ課税される利益(課税所得)が増えることになる。 企業会計では一年後の車の資産価値は2,000,000 - 900,000 =1,100,000 一方、税務上の車の資産価値は、2,000,000 - 638,000 = 1,362,000 つまり、一年後の車の資産価額は、企業会計上では1,100,000で、税務上では1,362,000となる。 差額が262,000生じている。これを「一時差異」と言います。  100年といった超長期で車の残存価値を考えた場合、企業会計上も税務上もその残存価値が0になる。 減価償却費の100年間の総額は、企業会計上も税務上も同じになり、その100年間の減価償却費の累計は両方とも200万円である。  一年後の資産価額の企業会計上と税務上の差額である262,000は、一時的なもので100年という長期でみれば減価償却費の累計総額は同じである。  故にこの企業会計上と税務上の資産価額の差異(差額)を「一時差異」という訳である。 一時差異は、時間の経過と共にいずれ解消されることになる。  この差額は税務上、企業会計上の利益に加算されるもので、当然その分だけ税金が増えることになる。 実効税率を40%とするなら、262,000 x 0.4 = 104,800だけ税金が増えることになる。  企業側(企業会計)から見るならば、この増えた税金は、税法の要請により強制されたもので、次年度以降において返還される筋合いのものである。  言うならば、税金の前払いということになる。 税金の前払いと言うと他の用語と語弊を生じるので、「繰延税金資産」と称している訳です。  税金の後払いというものもある。土地の圧縮記帳をしたような場合である。この場合は「繰延税金負債」といっている。以下にその例を示す。 所有土地300万円を1000万円で譲渡した。そして代替土地を1000万円で購入した。 (1)*** 所有土地を譲渡した時の仕訳 *** 現金 1000万円  土地 300万円                譲渡益 700万円 (2)*** 代替土地を購入した時の仕訳 *** 土地 1000万円  現金 1000万円 このままでは譲渡益700万円に税金がかかってしまい、代替土地の購入代金が払えなくなる。 そこで次の仕訳を行い譲渡益を0にする。 (3)*** 土地の圧縮損計上 *** 土地圧縮損 700万円  土地 700万円 (4)*** 土地を「将来」1000万円で譲渡した時(この時点で譲渡益が計上され、課税が発生する) *** 現金 1000万円   土地 300万円                譲渡益 700万円 つまり土地を譲渡し、代替土地を購入した時点では「課税が繰延」されたのであり、 将来、代替土地を譲渡した時点で、譲渡益に対して課税され、課税の繰延がなくなることになる。  以上述べてきた「一時差異」に比して、損金不算入の交際費や、益金不算入の受取配当金はどうであろうか。  これらの項目は、永久に損金或いは益金に算入されない。つまり一時的にではなく永久にである。 故にこれらは「永久差異」と言われる。  なぜ受取配当金は益金に算入されないのか。 配当金は税引前利益から税金を差引いた残りから支払われる。 つまり、配当金は既に税金が課せられたもので、これを益金として課税所得とするなら税金を既に差引かれた受取配当金に更に課税することになり、二重課税されることになる。 従って、受取配当金は益金不算入なのである。  海外子会社からの配当の場合、その配当等に係る費用に相当する金額としてその配当等の額の5%に相当する金額を「みなし経費」として、海外子会社の受取配当金の95%を益金不算入としている。 要するに、国は税金が欲しいので、理屈をつけて海外子会社からの受取配当金の5%には課税をしますよと、言っている訳です。つまり5%を益金として課税対象にするということである。  受取配当金は企業にとっては利益以外の何ものでもない。 従って外国子会社配当を益金としないためには、申告書の別表4の減算欄にその95%を計上する必要がある。 この結果として、受取配当金の5%が課税所得として別表4の上で計算され課税されることになる。  長々と税効果について述べてきましたが、「受取配当金」(海外子会社も含めた)は「永久差異」であり、 簡単に言うと、税効果の対象ではないということです。 従って、下記の税効果会計の仕訳は間違いであり、不要となるのです。  法人税等調整額/繰延税金負債  そもそも、別表4の減算項目に記載したから、画一的に「繰延税金負債」を計上するのは間違いです。 「繰延税金負債」は将来税金を支払わなければならない場合、それを後払いとして認識するものであり、 これに対し「受取配当金」の場合は、これに永久に税金が課されることはありません。 端的に言うと、「繰延税金負債」は生じないのです。  ご質問の文中の「向こう3年間の在外子会社から受け取る配当を予測し」などは、何の意味も持ちません。 もし意味があるとすれば、何らかの引当金に準ずるものでしょうが、かなり無理があります。  誰かが、ある時、訳がわからずに理屈を捏ね回して、作成したとしか思えません。 異常なことでも、長年同じ事をやっていれば、だれも否を唱える人もいなくなる事象の典型です。 (蛇足ですが一時差異の簡単な具体例を示します) 再び、減価償却費を例にとって説明する。 ある資産を100で購入して、2年で償却する。 初年度70、二年目に残り30を償却する。 ところが、税法では初年度50しか認めていないとする。当然二年目の減価償却費も50となる。 比較して並べると以下のようになる。 企業会計     初年度  二年度 減価償却費    70    30 税法で認められる 減価償却費    50    50 一時差異     20    -20 初年度は、企業会計上の利益に、一時差異の20を加えた金額が課税所得となり、 この金額に税率を掛けると税額が計算される。 二年度は、企業会計の利益に、一時差異の(-20)を加えた金額が課税所得となり、 この金額に税率を掛けると税額が計算される。 2年間を通算すると一時差異は0となる。「一時差異」といわれる所以である。  

yasumitsuyo
質問者

お礼

ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • suraimu99
  • ベストアンサー率33% (66/197)
回答No.1

会計処理はその会社に委ねられるので、私の解釈としては… >在外子会社から受け取った配当金 法人税上では外国法人の発行済株式数の25%以上を支払確定日6月以上引き続き有した場合は外国子会社として取り扱われます。 外国子会社から受けた配当は本邦における課税所得から排除されます。 この所得に対しては益金不算入をすることにより海外からの配当金の流入を促進させることを狙った制度です。 外国子会社から受けた配当に5%をかけるのは、本邦にも何かしらの便益があるため5%だけは日本の所得として課税されるという意味です。 その5%は日本の所得なので本邦の法人税率30%を掛けた金額が税金となるわけです。 そして仕訳の意味は、 繰延税金負債は、会計上の利益が税務上の課税所得より多くなるときに生じる科目です。 つまり実際に支払った税金が、本来支払う税金より少ないために、将来において払わなくてはいけなくなるため、初めからその配当金の額×5%×法人税率を計算しておいて本来支払うべき税金の額にしようという狙いの仕訳だと思います。 いかがでしょうか?

yasumitsuyo
質問者

お礼

ありがとうございました。

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