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四季報で財務状態判断の難しさとは?
- 四季報で企業の財務状態を判断するのは難しいです。総資産と負債の比較だけではなく、有利子負債以外の負債の存在も考慮する必要があります。
- 株主持分比率が高いからといって必ずしも財務状態が悪いわけではありません。他のメーカーとの比較や倒産の兆候は多角的に評価する必要があります。
- 個々の企業の財務状態を四季報だけで判断するのはリスクがあります。詳細な財務データや幅広い情報収集が必要です。
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まずはエルピーダメモリの有利子負債以外の負債を推定してみましょう↓ http://www.elpida.com/ja/ir/pdf/2012-02-02-Q3FY2011J.pdf ここでは最新の決算短信です。 総資産764624、有利子負債残高315635、純資産の部合計282821よって・・・ 有利子負債以外の負債≒764624-315635-282821=166168 ただし、少数株主持ち分をどうするかまでは検討されていません。 やはり、最新の決算短信を見てみないと、細かい計算ができません。 ソニーについては決算短信を見てもらうと分かりますが、債務超過にはなっておらず、利益剰余金も十分にあります。 これは、過去に積み上げた利益がまだ蓄積されているからです↓ http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/h23_q3.pdf >また、この会社は株主持分比率が28.6%もあり、ソニーの17.2%なんかより、よっぽど高いです。 これだけで判断してはいけません、 そこでエルピーダメモリの安全性指標を計算してみます。 流動比率≒105.4%、当座比率≒71.4%、インタレストカバレッジレシオ=5.28倍(2011/03/31) 流動比率≒68.4%、当座比率≒41.3%、インタレストカバレッジレシオ=-15.29倍(2011/12/31) なお、インタレストカバレッジレシオは(営業利益+受取利息+配当金+持ち分法投資損益)÷支払利息で計算しています。 流動比率、当座比率ともに時間の経過とともに資金繰りが悪化している事が伺えます。 インタレストカバレッジレシオが1倍を下回る事は、事業で得られる利益よりも支払利息が多い状態を指します。 なお、ここでは補助金収入、貸倒金関係は除外しています。 インタレストカバレッジレシオがマイナスである事は、事業利益ではマイナスで、さらに支払利息も生じている状態です。 その他にも目につくのは減損損益が特別損失として挙げられており、かなりの額になっています。 固定比率で見てみるとそんなに悪い状態ではありませんが、2011/12/31時点のデータでは流動比率、当座比率が急速に悪化しており、一般企業では危険と判断できるレベルです。 実は安愚楽牧場ではこれよりも更に低い当座比率で経営破綻しており、当座比率は目を光らせておく事が重要です。 なお、ここに書かれた事については正確性を保証するものではありません、どうしても詳しく知りたいときは、エルピーダメモリーのIR担当に聞くのが一番かも知れません。 私も100%の回答はできませんし、インタレストカバレッジレシオをどのように定義するかによっても値が異なる場合があります(一般的には事業利益を支払利息で割る)。 最終的な判断は自己責任です、質問者様の方でも考えて慎重にご判断ください。
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- qazwsx21
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シロウトの見解ですが、「利益余剰金 -95,076」と利益剰余金がマイナスの会社は危ないです。「そごう」なんかそうでした。ソニーはそうなっていないので、まだ平気なのでしょう。
お礼
おお、丁寧な解説痛み入ります。 書いてる内容が難しくて理解するのに時間がかかりそうです。現在頂いた答を見ながら調べつつ咀嚼しています。 とりあえず、なにはともあれ、回答ありがとうございました。 本当に感謝です。