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1bitΔΣ型DA変換のノイズ成分について
- 1bitΔΣ型DA変換は、音声信号をデジタルデータに変換するための方法です。
- 1bitΔΣ型DA変換では、ノイズシェーピングのフィードバック動作によって高い分解能を得ることができます。
- ノイズシェーピングのフィードバック動作によって発生する低周波の揺らぎは、理想のローパスフィルタで除去され、安定した正弦波になります。
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>8bit量子化された10kHzの正弦波には可聴域にノイズが残るのでしょうか? Excelで波形(fs=44.1kHz)を作り、WaveSpectra(下記ページ)でFFTして実験してみました。 http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/soft/ws/ws.html 0.25*fsの正弦波を6bit量子化したときの量子化ノイズをFFTすると、0.25*fs成分しかありませんでした。 つまり誤差としては基本波振幅の誤差があるだけです。 おっしゃるとおり、それ以外の可聴域ノイズはありません。 0.2535*fsの正弦波を6bit量子化したときの量子化ノイズのwavファイル(音量注意)を添付します。 (FFT結果も添付したいのですが、ファイル1つしか添付できないようです) 可聴域ノイズが発生しています。 >ノイズシェーピングした10kHz正弦波のビットストリームには可聴域に線ではないスペクトルが現れる はい。そうです。
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- sakadoneko
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>出力されるビットストリームを100us(=1/10kHz)の周期で安定させることは不可能で、 >毎周期振幅がふらついていなくてはならない、 ビットストリームは毎周期違う波形になります。 ただし波形が毎回違うからと言っても、10kHz正弦波の振幅が変動しているとか、ノイズ成分が10kHzに相関があるスペクトルを持つことには繋がりません。 もしそうなら、純粋な10kHz正弦波にホワイトノイズを加算しても同じことが起き、スペクトルを見た時にホワイトノイズではない線スペクトルが現れるでしょう。 >ラダー型のD/A変換であれば理想のポストLPFを通過させれば可聴域にノイズが残ることは無いはず いえ、理想的ラダー型D/Aの量子化ノイズも、可聴域のノイズとなります。 8bit wavファイルの音をお聞きになったことはありませんか? 8bit wavファイルでは小さい音の時にワサワサとノイズが聞こえます。8bitのSN比は50dBで、そのノイズがワサワサという音になってます。 >1bitΔΣ型DACのフィードバックループが発生する低周波のふらつきには、 >低周波(可聴域)のスペクトルが含まれないのか(理想のLPFを通過させれば除去されるのか)、 可聴域のノイズが含まれます。 理想のLPFを入れても無くなりません。 ただし可聴域のノイズが小さくなるようにΔΣ変調器を設計することが出来ます。 実用的SN比になるよう可聴域のノイズを小さく設計するわけです。 SN比98dBなら16bitD/A相当となり、多くのユーザにとって十分でしょう。
お礼
有難うございました。
補足
有難うございます。8bitのwavファイルには確かにノイズが聞こえますが、8bit量子化された10kHzの正弦波には可聴域にノイズが残るのでしょうか?10kHzの正弦波を8bit量子化しても、10kHzの階段状正弦波には20kHz未満のノイズは含まれないような気がするのですが。 純粋な10kHz正弦波にホワイトノイズを加算したとき、線ではないスペクトルが可聴域に現れるのと同じようにして、ノイズシェーピングした10kHz正弦波のビットストリームには可聴域に線ではないスペクトルが現れると考えても良いでしょうか?
- sakadoneko
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>1bitΔΣ型DA変換が何故fs/f以上の分解能が得られるのか 高次のΔΣ変調器を用いるからです。 >縦(振幅)軸にもサンプリング定理のような説明があると良いのですが。 縦軸は、通常のADだと量子化ノイズが発生しますね。 http://www.beis.de/Elektronik/DeltaSigma/ADCSinus.GIF この青い波形が量子化ノイズです。この例だと周期の一定な三角波がしばらく続いているように見えます。しかし普通のオーディオ信号の場合は、量子化ノイズが入力に無相関なランダムノイズと見なすことが出来ます。スペアナで見るとホワイトノイズになります。 この青の電力の面積と緑の電力の面積の比がSN比です。 1LSB 幅で一様分布するノイズと仮定してSN比を計算すると、16bitで98dBという理論値が出てきます。1) 1bitDAのSN比はほぼ0dBです。 >1bitΔΣ型DA変換ではノイズシェーピングのフィードバック動作により >10kHzの正弦波に低周波の揺らぎを与ている 1bitΔΣ変調器に10kHzの正弦波を入力すると1bit信号が出力されますが、そのスペクトルは安定した10kHz正弦波成分と、ノイズシェイピングされたランダムノイズがミックスされています。 http://www.okuma.nuee.nagoya-u.ac.jp/~murahasi/dsm/feature.html 図1.4 ノイズスペクトルはfs/6以上では増え、fs/6以下では減少しています。その傾きは、1次ΔΣ変調器では20dB/dec、2次ΔΣ変調器では40dB/decつまり周波数が一桁上がると100倍です。 低周波の揺らぎというより、高周波の揺らぎと呼ぶべきでしょう。高周波で揺すりながら、平均が10kHz正弦波になるように変調しているわけです。ディザと原理は似ています。 その高周波のゆらぎをLPFで落とせば安定した10kHz正弦波と、可聴域ノイズがほんの少し残ります。 ほんの少しのノイズをSN比として計算すると、2次ΔΣ変調器では、3Mbps/20kHzならSN比約80dBになります。 補足1 直流や極低周波信号を入力した場合はランダム信号とは言い切れなくなり、リミットサイクルノイズが可聴域に発生することもあります。 補足2 2次以上だと高域ノイズが大きくなり、大信号を入力できなくなります。2) 参考文献 1) http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00000904 ADD・A変換回路入門 平易に解説されています。 2) http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/book_data/search/9784621078723.html ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門 専門書です
お礼
ありがとうございました。
補足
ご回答有難うございます。 ノイズシェーピングが高周波のノイズを増大させ、積分器とポストフィルタがこれを除去している動作の部分については理解しているつもりです。「低周波の揺らぎ」と申し上げたのは、例えば3MHzのビットストリームで2^16通りの振幅の10kHzの正弦波を表さなくてはならないとすれば、出力されるビットストリームを100us(=1/10kHz)の周期で安定させることは不可能で、毎周期振幅がふらついていなくてはならない、毎周期振幅がふらついているとすればそれは少なくとも10kHzより低い周波数の揺らぎと言うことができるのではないかと考えたからです。ここまでの理解は合っているでしょうか? ラダー型のD/A変換であればフィードバックループを持たないので理想のポストLPFを通過させれば可聴域にノイズが残ることは(現実は別として)理論的には無いはずだと思うのですが、1bitΔΣ型DACのフィードバックループが発生する低周波のふらつきには、低周波(可聴域)のスペクトルが含まれないのか(理想のLPFを通過させれば除去されるのか)、それとも低周波のスペクトルが含まれていて可聴域のノイズとなって不可避に残るのか、という疑問です。
お礼
実験までしていただき、お手数をお掛けして申し訳ありません。 ラダー型DACを想定してに量子化してもfsで割り切れなければ可聴域にノイズが発生するわけですね。 言われてみると確かにそうなりそうだと思います。 1bitΔΣ型DACのノイズシェイピングに動作ついて少しイメージを掴めた気がします。 有難うございました。