- ベストアンサー
モータの電気特性について
インバータを介してのモータ駆動の場合です。 200V・3φ・3.7kWのモータを動かす場合で、定格負荷運転をしているとします。 力率・効率・電力の関係は下記で合っているでしょうか? (1)モータ消費電力=モータ入力電力=3.7kW/モータ効率=3.7kW+モータ熱損失 (2)インバータ入力電力=モータ消費電力/インバーター効率 (3)モータ消費電力=インバータ2次側電圧×インバータ2次側電流×√3×力率(インバータ~モータ間) (4)インバータ入力電力=インバータ1次側電圧×インバータ1次側電流×√3×力率(電源~インバータ間)
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「負荷が一定であれば、周波数に比例して消費電力は下がる」 の意味が良く理解できませんので、解答が違うかも知れませんが。 一般的にモータの回転速度N[r/min]は周波数に比例しますので、 周波数に増加しますと、モータの軸動力P(W)も比例して増加する と考えます。 「負荷」の用語をモータに加わる負荷として考えますと、モータの 出力(W)と同等として考えます。 モータの出力(W)の大きさは、回転速度とトルクにより計算でき、 次の式で表すことができます。 なお、トルク[N・m]=力[N]×半径[m]です。 P(W)=ω×T=2×π×N[r/s]×T[N・m] P(W)=2×π×N/60[r/min]×T[N・m] P(W)=(2π/60)×N[r/min]×T[N・m] この式からP(W)が一定で、モータに加わる周波数を上げますと 比例して回転速度が上昇しますので、回転速度が上昇してもモータ の出力を一定にするには、モータに加わるトルクを逆比例して小さ くする必要があります。 このような負荷特性を持つ機械装置の代表的な例としては、巻取り 機や巻き出し機などがあります。 このように「負荷が一定でも・・・・消費電力が下がる」との質問 の意味がどのようなことを言いたいのかにより、解答が難しいもの になります。 いずれにしてもモータやインバータを考える場合、モータの回転速 度とトルクの関係を考える必要があります。 この回転速度とトルクの関係を「回転速度-トルク特性」とか「負荷 特性」と言います。 機械装置の代表的な「回転速度-トルク特性」には次のようなもの があります。 1)定出力特性 ----------- 巻取り機や巻き出し機など 2)定トルク特性 ---------- コンベアなど 3)二乗低減トルク特性 ---- 一般的なファン・ポンプ また、モータの効率は回転速度にある程度関係しますが、ある回転 速度の時のモータに加えた電圧(インバータ出力電圧)に関係すると 考えた方が良いでしょう。 モータに電圧を加えますと電流が流れトルクが発生します。 この時必要以上に高い電圧を加えますと、より大きな電流が流れる ため余分な損失(熱)が発生します。 この損失によりモータの効率が低下します。 逆に電圧が低くしますとモータが発生するトルクが小さくなり、負荷 の必要とするトルクにより回転速度が遅くなります。 モータの特性上大きな電流が流れます。この電流により損失が 大きくなり、モータの効率が低下します。 (負荷とはモータの回転軸を押さえて回転させないように働いている と考えます。「モータから見れば反抗トルクと言う考え方をします」 モータはこの押さえる力より大きな力を発生して回転を継続してい ます。 この回転を継続するために電気エネルギーを消費しています。) これらの結果からモータ効率を良くしたい場合は各周波数に於ける 電圧(インバータの出力電圧)を最適になるよう調整します。 なお、本来は低速でも大きなトルクを発生させる機能として「トルク ブースト」の調整がありますが、最近の機種では必要なトルク(電流) を演算して自動制御するような機能や省エネルギー運転することに より損失が最小になるように最適な電圧に自動調整する機能が 追加されています。 より詳しくはインバータメーカが講習会を開催していますので、 受講して質問されると良いと思います。
その他の回答 (3)
- foobar
- ベストアンサー率44% (1423/3185)
インバータの周波数を変えると、軸速度が変わるので「負荷が一定」という状況にはならないかと思います。 軸トルクが一定なら、概ねインバータの出力は周波数に比例します。概ね、というのは、電圧を周波数に比例して制御する場合、モータの電流が周波数によらず一定になって巻線での抵抗損が一定になるためです。 モータが駆動する相手がファンのようなものだと、トルクが回転数低下に伴って急激に下がるため、インバータの出力も急激に低下します。 こういうファンのような負荷の場合にインバータで周波数を下げるときに電圧を周波数の変化以上に大きく下げるのは、モータでの損失を低く抑えて効率を維持する最適化をするためです。(トルクが下がっても磁束を作る電流は変わらないので、そのままでは巻線の損失があまり減らない。そこで、電圧を下げて磁束を作るための電流を下げて、全体の電流を低く抑える。この電圧低減運転はトルクブーストとは呼ばないかと思います。)
- fujiyama32
- ベストアンサー率43% (2298/5278)
合ってますかと言われると各項とも合っているが多少の[注釈]の 追加が必要でしょうと言いたくなります。 (1)モータ消費電力=モータ入力電力=3.7kW/モータ効率=3.7kW+ モータ熱損失 =3.7kW+モータ熱損失--->=3.7kW+モータ損失 [モータ熱損失]ではなく[モータ損失]です。 詳しく考えますと、モータの熱損失以外に鉄心部分の渦電流により 鉄損やヒステリシス損と言う損失があります。 また、僅かですが、ベアリング部分での摩擦損があり、さらに モータ軸にモータ内部や外部を冷却するための羽根が設けられて いますので、この羽根部分で生じる風損(騒音も加味される)を追加 する必要があります。これらを含めて[モータ損失]となります。 (2)インバータ入力電力=モータ消費電力/インバーター効率 計算式そのものは問題ないと思いますが、実際にインバータの入力 電力を計算する場合、インバータ効率の値を確定するには必要事項 があります。 インバータ効率は次のような項目により変化します。 (a)インバータの運転周波数により変化する。 (b)運転周波数が同じでも、モータに加わるトルク(負荷)の大きさ によっても変化する。 (c)運転周波数を変化するとモータに加わる電圧(インバータ出力 電圧)も同時に変化します。 この時、負荷トルクの大きさにより出力電圧の大きさを最適値に 調整する機能があります。調整することをトルクブースト機能と 言います。 なお、電圧の大きさを最適値に調整しますとインバータ効率が良く なります。 以上からインバータの効率を決める場合、運転周波数、負荷トルク、 その時の出力電圧が幾らの時なのかを特定する必要があります。 (3)モータ消費電力=インバータ2次側電圧×インバータ2次側電流 ×√3×力率(インバータ~モータ間) 式を書くなら、次の式が判りやすいと思います。 (3)モータ消費電力=√3×インバータ2次側電圧×インバータ2次側 電流×力率(インバータ運転時のモータ力率) ただし、出力電圧が特殊の波形(PWM制御)となっているため、通常の 電圧計や電流計ですと指示値の誤差が大きくなります。 インバータ専用の測定器で電力を測定するか、インバータパネルの 表示値を使用した方が良いでしょう。 なお、力率の値はインバータパネルでは表示しませんので、専用の 測定器を使用してその指示値を使用する必要があります。 (4)インバータ入力電力=インバータ1次側電圧×インバータ1次側 電流×√3×力率(電源~インバータ間) 本式も同様に、定数を先頭に配置する次の式が判りやすいと思います。 (4)インバータ入力電力=√3×インバータ1次側電圧×インバータ 1次側電流×インバータ入力力率 インバータの入力電流の波形はインバータの原理上、正弦波では無く 歪んだ波形となっています。 (高調波成分が含まれていると考えます。) このため、可動鉄片型の電流計か、真の実効値を示す電流計(RMS型 クランプメータ)を使用して測定した値とします。 また、インバータ入力力率も歪んだ電流波形ですので、一般的な 力率計では正しい値を示しません。 専用の測定器を使用するか、皮相電力(VA)と有効電力(W)を測定して 計算により入力力率を求めます。 この場合、有効電力(W)を測定するには電流力計形電力計を使用する 必要があります。 結果的にインバータ入力電力は計算するより電流力計形電力計を使用 して求めると良いでしょう。 この他、歪んだ電圧や電流でも正しい値を示す専用のデジタル型測定 器を使用する方法もあります。 なお、インバータについて更に詳しく知りたい場合は、次の資料を 入手されて参考にすると良いでしょう。 発行所-----社団法人 日本電機工業会 資料名-----日本電機工業会技術資料 規格番号---JEM-TR 148(2008) タイトル---インバータドライブの適用指針 次のURLをクリックして参考にして下さい。 [日本電機工業会(JEM)] https://www.jema-net.or.jp/cgi-bin/user/jem_numb.cgi https://www.jema-net.or.jp/cgi-bin/user/summary.cgi http://www.jema-net.or.jp/
- foobar
- ベストアンサー率44% (1423/3185)
1から4まで、それで良さそうに思います。
補足
細かく教えていたき、ありがとう御座います。 もう一つ質問です。 インバータでのトルクブーストを0とした場合、 負荷が一定であれば、周波数に比例して消費電力は下がると考えていいのですか? ということはモータの効率が周波数に比例して下がっているということでしょうか?