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光の干渉条件
光の干渉というのは,2つの光の強度が強めあったり弱めあったりすることですよね. この2つの光の周波数や振幅,偏光方向,位相などが違うと干渉はどうなるのでしょうか? たとえば,周波数のみが違う場合は干渉しないような気がします.振幅のみが違うときは干渉するような気がします.位相のみが違う場合は干渉は起きそうな気がします.偏光方向のみが違う場合はよくわかりません.縦偏光と横偏光の光が重ねあわされると,斜め偏光の光になって振幅が√2倍になったりしますか? 周波数,振幅,偏光,位相などが同じ光を重ねると電場の振幅が2倍になりそうですが,それだと光強度は4倍になりそうですが,2倍より大きくなるはずはないですよね?どこがおかしいのでしょうか? よろしくおねがいします.
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話を簡単にするためにレーザーを光源とし,それをビームスプリッターで分割し,光路を適当に調整して,その後合成することにします。 周波数 分割した一方のみを変調して周波数(と同時に波長)をかえたとすると,音の場合のうなりに相当する現象が生じます。これを干渉と言えば,干渉することになります。 振幅 ビームスプリッターが半々に分けない場合に相当しますが,合成してしまえばもとの光に戻ります。これも干渉と言うなら干渉します。 位相 位相差により振幅,強度に大小ができることを狭い意味で干渉と言うので,当然干渉します。 偏光 互いに直交する二つの偏光は干渉しません。 >縦偏光と横偏光の光が重ねあわされると これは電場のベクトルとしての合成で,干渉とはいいません。 >周波数,振幅,偏光,位相などが同じ光を重ねると電場の振幅が2倍になりそうですが, >それだと光強度は4倍になりそうですが, 干渉性の光の場合はその通りで正しいです。 >2倍より大きくなるはずはないですよね? これは非干渉性の場合と混同している節があります。 干渉性の光の重ね合わせでは振幅で足し合わせますが, 非干渉性の場合は強度で足し合わせます。 以下,少し数式を使います。 光の本質は光子という粒子なので,干渉では二つの光子を重ね合わせることを考えます。 光子相互の位相差をδとして合成すると,周波数(波長)と振幅がおなじということなので, E = Ae^{i(kx-wt)} + A e^{i[ (kx-wt)+δ]} = Ae^{i(kx-wt)}(1 + e^{iδ}) 強度にするために絶対値の二乗を取ると |E|^2 = A^2 (1 + e^{iδ})(1 + e^{-iδ}) = 2 A^2 (1 + cosδ) 干渉には一対の光子が関与しますが,その光子間の位相差が常に一定に保たれていれば(*)干渉性となり,特にδ=0の場合であればcosδ=1なのでA^2の4倍になります。 (*)このために普通の干渉実験では一つの光子を分割して自分自身と干渉させる。 非干渉性の場合は光子のペアごとにδの値が異なるので平均をとるとcosδの項が0になってしまうため,A^2の2倍になり,強度をそのまま足し合わせたことになります。
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- 中村 拓男(@tknakamuri)
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質問の最後の部分ですが、 この理屈で行けば、逆位相の光を重ねれば 光はそこで忽然と消え、エネルギーが 空間に消えさることになります。 が、そういうものは作れないんです。 例えばハーフミラーなどを使って2つのビームの 方向を完全に同一方向に曲げる装置を作ろうとすると 必ず意図しない方向にもビームが発生してしまいます。 #干渉でエネルギー0%のビームを作ろうとすると必ず別の #干渉でエネルギー100%のビームが必ず現れます。 これらのビームのエネルギーを全部足すと おもしろいことエネルギー保存則は保たれます。 是非ご自分で、鏡やハーフミラーなどを紙の上に 配置し、ハーフミラーの反射率や透過率を設定して試してみてください。 光を一方向にだけ混ぜることが出来ないことに気づくはずです。
お礼
確かにハーフミラーだと一方向に光を混ぜることはできないですね.だから4倍にはならないですね.ありがとうございます.
お礼
丁寧な説明をありがとうございます.少し理解が深まりました.干渉性か非干渉性かを区別しておくことが重要なのですね.ありがとうございました.