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有機化合物のNMR測定でピークが取れない理由
- 有機化合物のNMR測定でピークが取れない理由について調査しました。
- 溶解度が低いのが原因である可能性があります。溶媒に色が付くほどには溶けているものの、量が少ないためピークが観測できない可能性があります。
- 他の重溶媒を試すか、固体NMRを検討することをおすすめします。指導教員に固体NMRについて相談したところ、固体でプロトンNMRを測定することは難しいとのことでした。
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装置の使用環境が分かりませんので、全く当てはまらない場合はご容赦ください。 溶液と固体に分けてコメントしてみますね。少しでもお役に立てば良いですが。 1.溶液測定 まず溶液測定の前提として、とにかく試料を溶解させることが必須です。構造や分子量に よっても色々ですが、通常の場合プロトンならば0.1%くらいの濃度があれば測定可能と 思ってください。溶液のプロトンにこだわるならば、この濃度を稼げる重溶媒を何とか探 しましょう。でも、間違っても重溶媒で溶解性試験はやらないでくださいね。 もうひとつ、ご質問の末文にある「多核」を利用する方法があります。具体的にはカーボ ン核で見る方法です。軽溶媒に溶解してロックをかけずに測定します。最近の装置はマグ ネットが安定していますので、この方法でも大きな問題無くデータが得られると思います。 但しオペレーションが若干特殊なので、装置を管理している方にご相談されるのが良いで しょう。 2.固体測定 結論は余りオススメしません。 指導教員の方が「測定原理」「オペレーション」「解析」のどれを指して「何も知らない」 とおっしゃっているかは気になりますが… 固体測定の場合は、残念ながら期待するようなデータは簡単には得られません。どうして も溶液測定が実施できない場合に再考されてはいかがですか。 長くなってごめんなさい。参考になれば幸いです。
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- tkhsymmt
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補足です。 おっしゃるように溶解性がひとつのポイントです。プロトンは基本的に重溶媒必須、 カーボンは軽溶媒でOKと考えれば、カーボンの方が溶媒の選択肢が広がり濃度の 高い溶液を調製できる可能性が出てきます。これを上手く利用して高濃度(大体 5~10%くらい)の溶液が作製できれば、カーボン測定でトライしてみてはいかが でしょうか。 同濃度であれば感度は「プロトン>>カーボン」ですので、プロトンがNGならば カーボンもダメです。紛らわしくてゴメンナサイ<(_ _)>
お礼
理解できました。補足ありがとうございました。
- starhakkin
- ベストアンサー率25% (1/4)
固体NMRでプロトンを測定する手法はあります(cramps)ので、もしお使いの分光計で測定出きるのであればとりあえず測ってみるのもいいかもしれません
お礼
ありがとうございます。NO.3のtkhsymmtさんのおっしゃるように、最後の手段として考えておきます。
重濃硫酸(D2SO4)をお薦めします。 もちろん、サンプルを回収して使うことは不可能かもしれません。 濃硫酸は非常に良い溶媒で、特にガラス器具にタール分が付いたらまず熱濃硫酸が第一選択です。 学生実験の時「恐いです」と言ったら、今は亡き御大から「エーテルを直火で蒸留するより余程安全です」と言われてしまいました。(爆笑)
お礼
素早いご回答ありがとうございます。
補足
重濃硫酸にサンプルを溶かして、NMR測定をするのですか。初耳です。実験器具の有機汚れを落とすために使ったことはありますが。かなり不安定なサンプル(ふつうの溶媒に溶かして数時間から数日放置するだけで分解する)であるため、おそらく分解してしまうと思います。
お礼
ありがとうございます。溶液測定を優先して考えていきたいと思います。
補足
溶解性が低くてプロトンで測定できない場合でもカーボンで測定できる時があるのですか?13Cの存在比率が1%程と低いため、カーボンの方がより高い濃度が必要とされると聞いたのですが。