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中古機械を購入後取りに来ません。
中古の工作機械を販売しましたが、その後1年以上経っても取りに来ません。 場所をとるし邪魔なので何回か連絡をしたのですが無しのつぶてです。 このような場合でもこの売却した機械は相手の保有財産として私が保管しなければ ならないのでしょうか?可能ならばいいかげん処分したいのですが。
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基本的に前の回答者の方のおっしゃるとおりだと思います。 ここでは,買主が代金を支払った上で取りに来ない場合の法律関係について補足します。以下の内容などを予備知識にして,詳しくは役場の無料法律相談などで聞いてみて下さい。 (1) 占有保持の訴えや妨害排除請求の訴えを起こす。 買主は,自らの所有物によって質問者様の店舗(?)を「不法占拠」し,質問者様の店舗等の占有権(民法180条以下)を侵害していることになりますから,占有権者たる質問者様は,買主を被告として占有侵害の中止を請求する占有保持の訴え(民法198条)を起こすことができます。また,店舗等が質問者様の所有物であれば,買主は自らの工作機械で質問者様の所有権を妨害していることになりますから,妨害排除請求をすることができます。 (2) 民法上の事務管理として,工作機械を自ら買主に届ける。 工作機械は本来買主の側が取りに来ることになっているのですから,売主たる質問者様は買主の元に自ら届ける義務は無いのですが,届けてはいけないことはありません。 義務がないのに他人の利益のために(本人の意思に反したり,本人に不利であることが明らかである場合を除き,)何かしてやることを民法では事務管理(民法697条)といい,事務管理に費用負担をした者は,本人のために有益なことを負担したものとして,本人にその費用を請求できます。 たとえば,運搬業者を使って工作機械を届けてやれば,その費用を買主に請求することができます。 (3) 買主の受領遅滞を理由として契約を解除できないか? 売買契約により,工作機械の所有権は買主に移転していることから,特別の事情(:民法上の正当防衛や緊急避難(民法720条)が成立するなどの事情)がない限り,それを勝手に処分することはできません。そこで,仮に買主の義務違反を理由とした契約解除(民法541条)ができるなら,契約解除は契約の遡及的消滅の効果を持ちますから,さかのぼって所有権が移転しなかったことになり,質問者様は工作機械を自由に処分できることになります。 売買目的物の引渡しについては本来,目的物の引渡し債務者たる売主側の義務ですが,買主が取りに来ることになっている場合など,引渡しに引渡し債権者たる買主の協力が必要な場合,買主が必要な協力をしなければ,買主の受領遅滞(民法413条)になります。本件においては,買主が取りに来る引渡し時期は契約で明示してあるのでしょうから,明らかに買主の受領遅滞になっていると思います。 債権者(買主)の受領遅滞の場合に債務者(売主)が損害賠償請求や契約の解除ができるか否かについては,民法の有名な論点の一つで,最高裁も事例によって区別しています。その区別基準は,必ずしも明確ではありませんが,要は売主と買主との公平を図っているようです。 「中古の工作機械を販売しましたが、その後1年以上経っても取りに来ません。」→それが質問者様の事業に対し実際に無視できない支障になっている(作業の成果・収益に無視できない具体的損害が生じている)ような場合,もはや売主の方が一方的に重い負担を背負っていることになるでしょうから,買主の受領遅滞を理由とした契約解除が可能になるかもしれません。この判断は難しいので,専門家に伺うほうがよいでしょう。 以上の主張は一例です。問題解決のためには他にもいろいろな主張が考えられます。繰り返すようですが,専門家にご相談ください。 《民法》 (占有権の取得) 第180条 占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。 (占有保持の訴え) 第198条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。 (履行期と履行遅滞) 第412条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。 2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。 3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 (受領遅滞) 第413条 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。 (解除権の行使) 第540条 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。 2 前項の意思表示は、撤回することができない。 (履行遅滞等による解除権) 第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 (解除の効果) 第545条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。 2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。 3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。 (事務管理) 第697条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。 (管理者による事務管理の継続) 第700条 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。 (管理者による費用の償還請求等) 第702条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。 2 第650条第2項の規定は、管理者が本人のために有益な債務を負担した場合について準用する。 3 管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ、前2項の規定を適用する。 《参考》 ●最高裁昭和40年12月3日判決 目的物の債務者の債務不履行と債権者の受領遅滞とは、その性質が異なるのであるから、一般に後者に前者と全く同一の効果を認めることは民法の予想していないところというべきである。民法四一四条・四一五条・五四一条等は、いずれも債務者の債務不履行のみを想定した規定であること明文上明らかであり、受領遅滞に対し債務者のとりうる措置としては、供託・自動売却等の規定を設けているのである。されば、特段の事由の認められない本件において被上告人の受領遅滞を理由として上告人は契約を解除することができない旨の原判決は正当である。 請負契約において,発注者である債務者が請負の目的物たる設備の引取りを遅滞していても,特段の事情が認められない限り,債務者は右請負契約を解除することはできない。 ●最高裁昭和46年12月16日判決 硫黄鉱区の採掘権を有する甲が鉱石を採掘して乙に売り渡す硫黄鉱石売買契約において、甲は、乙に対し、右契約の存続期間を通じて採掘する鉱石の全量を売り渡す約定があつたなど判示の事情がある場合には、信義則(民法1条2項)上、乙には、甲が右期間内に採掘した鉱石を引き取る義務があると解すべきである。
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- onbase koubou(@onbase)
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まず最初に売買契約で引き取り(引き渡し)期日の定めや受け渡し方法などの定めがあったのか。 またその代金を受け取っているのか否か。 代金を受け取っていないのであれば相手方も契約不履行ですから売買契約そのものを解消することも可能です。 代金をすでに受け取っているとなると所有権は相手方にありますので、勝手に処分すると契約不履行になって質問者さんに損害賠償の支払い義務が生じることもあります。 その場合には内容証明、裁判判決を経ないと勝手に処分することは難しいです。
お礼
さっそく回答して頂きありがとうございます。 そうですかやはり相手方に権利があるので勝手な処分はダメなんですね。 この件の場合、相手の支払いが終わってますし損害賠償になると面倒ですね。 でも私の土地を保管庫としてずっと使用していたのに何も出来ないとは悔しいです。