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プルダウン抵抗の接続に関して
- プルダウン抵抗の接続に関して教えてください。流れ出しによる電圧上昇があるとは、どのような原理で電圧が上昇するのでしょうか?
- あるLSIの未使用端子に、一般的でない定数値の抵抗でプルダウン処理した時、リーク電流が流れ出た場合の端子状態はどうなりますか?
- プルダウン抵抗を接続する場合の定数選定方法を教えてください。
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トラ技が手元にありませんのでお書きの図では確認できません。 >未使用入力端子処理(図4)のプルダウン図解内のコメントで、 接続する抵抗の定数に対して 「流れ出しによる電圧上昇があっても入力がVin<VILを満足すること」…(☆) 「抵抗値は数kΩから数十kΩが一般的」…(◎) との記載がありました。 その通りです。 1. >流れ出しとはリーク電流 リーク電流ではなく流れ出し電流です。 入力端子にプルダウン抵抗Rを接続した時、ICの直流電源 VccやVddからICの入力端子に至る内部回路からプルダウン抵抗に向かって流れ出して来る(Rに流れ込んでくる)直流電流Iによって、プルダウン抵抗Rの上側の端子(ICの入力端子)に電圧降下による直流電圧Viが発生します。この「Vi+誘導ノイズ+リーク電流ノイズ=Vin」…(★) が入力低レベルVILより(ゆとりを持って)小さくなるようにRを選びます。 2. >流れ出た場合の端子状態はどうなりますでしょうか? 入力電流のマイナスは流れ出しを意味するので、流れ出し電流が20μAとして この電流がそっくりプルダウン抵抗R=1MΩに流れ込んだとすると 抵抗Rによる直流電圧降下(★の式の)Vi=20μA×1MΩ=20Vとなって 「Loレベル入力電圧=0.8V(max)」を大きく超えてしまいます。 実際のViはICの直流電源電圧の3.3Vを超えることはありませんが、 Viだけで(★)の右辺のVinを超えてしまいます。 また、プルダウン抵抗R=1MΩでは(★)の式の「誘導ノイズ+リーク電流ノイズ」もかなり大きくなって、入力端子の電圧が「Loレベル入力電圧=0.8V(max)」を超えてしまう恐れがあり、プルダウン抵抗Rの効果がなくなってしまいます。 --------------------------- ■LSI Spec 電源電圧=3.3V Loレベル入力電圧=0.8V(max) 入力電流=-20uA(min) ■プルダウン抵抗 R=1MΩ ---------------------------- 3. >未使用端子はプルアップ処理した方が良いというのが一般的のようなのですが、プルダウン処理する場合の定数選定方法が知りたいです。 2の規格のデジタルICの場合プルダウン抵抗Rの概算 (☆)、(★)の条件式と2のスペックを満たすようにRの条件を満たすような範囲に Rを決めてやれば良いです。 (★)の式の「誘導ノイズ+リーク電流ノイズ」を0.4V程度とみなして 0.8V-0.4V=0.4Vを流れ出し電流による電圧降下分に割り当てます。 R<0.4[V]/20[μA]=20[kΩ] を満たすR=20[kΩ]以下に選んでやるといいです。 実際は(◎)の範囲ないの5kΩ~20kΩ程度のプルダウン抵抗Rを使うといいでしょう。 僕の過去の設計経験でもその位の抵抗を使ってきてなんら問題は発生していません。 なお、ゲートICなどの未使用入力は、初段の入力だけプルダウンまたはプルアップ抵抗をしておけばいいです。他の未使用入力は他の論理レベルが確定したIC出力に接続しておいてもいいです。LSIなどの未使用入力端子の処理は、負論理でアクティブの入力端子はプルアップ抵抗、正論理でアクティブの入力端子はプルダウン抵抗をつないでおきます。 (プルアップ抵抗は3ステート出力端子、オープンドレインやオープンコレクター出力端子に対しても使われます。)
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- tadys
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1. TTL/LSTTL などのロジックでは入力ピンが抵抗を通して+電源と接続されているので入力ピンをオープンにすると電圧が上昇します。 また、ICによってはプルアップ抵抗が内蔵されているものが有ります。このようなICでは入力をオープンにすると端子電圧は上昇します。 流れだしのリーク電流が有る場合はプルアップと同様な理由で端子電圧が上昇します。 2. 入力電流=-20uA(min)という事から電流の範囲は-20uA~0uAと考えられます。 この電流が1MΩに流れるとその電圧は0~20Vになりますが、電源の3.3Vを超える事は無いので 電圧は0~3.3Vの範囲になります。 実際の電圧がいくらになるかは個々の場合によって変わりますので、実物で確認しないと何とも言えません。 シュミットトリガ入力で無い入力端子にロジックのスレッショルド電圧と等しい電圧が加わると、貫通電流により過大な電流が流れてICを破壊する事が有ります。 破壊に至らない場合でも消費電力が増大するので好ましくありません。 3. CMOS-ICの入力端子をオープンにすると前述の貫通電流が流れて問題を起こします。 また、入力が0になるか1になるか定まらなくて誤動作の原因になる事が有ります。 このような理由で、CMOS-ICの入力をオープンにしてはいけません。 プルアップにするか、プルダウンにするかはICの機能を考えて決めます。 例えば、2入力NORの一つの入力だけを使用して反転回路に使用する場合は使用しない入力はプルダウンにする必要が有ります。(NANDならばプルアップ) 今のロジックICはほとんどがCMOSになっているので抵抗値はかなり適当に選んでも問題ありません。 小さすぎても消費電力が増えると言う事はありません。 通常は10kΩ以下にしておけば良いでしょう。 基板を量産する場合には、部品の種類が増えるのは好ましくないので他の抵抗と同じものを使用するようにします。
お礼
非常に丁寧なご回答、ありがとうございました。 最後のアドバイスもとても参考になりました。 この度は、本当にありがとうございましたm(_ _)m
http://www.ops.dti.ne.jp/~yanaka/digital/digital_ic/1_2_purpose.html 記事の内容は知りませんが74LS00の内部回路を例に取ると初段のトランジスタのベースから電流を流し出すことによってLレベルを知るのですからリーク電流ではありません。リーク電流とは、0でもよい、また一般に小さいほうがよい、という性質のものです。リーク電流という言葉が本当にトランジスタ技術誌の記事に出てきたのかどうか分かりませんが確認が必要です。 2枚目の絵にはベース電流4kΩと書いてありますからエミッタを10kΩでプルダウンしようとしても出来ないことが明らかです。 LSIに関する記事とのことですがMOSであってもプルアップ抵抗を内蔵しているものは事情は同じです。 0.8V以下をLレベルと認識する入力端子から-20μAを吸い出す抵抗値は40kΩであって原理はオームの法則です。入力を純抵抗と仮定すると電圧(3.3-0.8)Vと電流20μAより125kΩのプルアップ抵抗と等価ですから1MΩのプルダウン抵抗を接続すると入力端子は2.93Vとなります。動作原理はオームの法則です。 但し上記で採用した数値は現実の値ではなくmax、min保障値ですから注意が必要です。 定数選定方法は上に40kΩと出したとおりでLレベルまで吐き出し電流を吸いだせる抵抗値が上限であり、余裕と電流の節約その他を加味して決めることになります。高抵抗は携帯の電波で反転しますからなるべく低く、反対に電池駆動の機器では電流の無駄ですからプルアップ、プルダウン抵抗は使わない、など自分の目的にあわせ決定します。プルアップ、プルダウン抵抗は電流が惜しくない場合は10kΩ、5.1kΩなどと統一しそれで2倍以上の余裕が無ければ個別に考えるというくらいだとおもいます。2倍という数字も特に意味はありません。
お礼
非常に丁寧なご説明をありがとうございました。 同様の例を参考に説明していただき、しっかり理解することができました。 ※トラ技にはリーク電流とは記載していません。 やはりしっかりと理解できていませんでした。反省です。。 この度は本当にありがとうございました(_ _)m
お礼
非常に丁寧なご回答をありがとうございました。 おかげ様でわだかまりも解け、しっかり理解することができました。 本当にありがとうございましたm(_ _)m