• 締切済み

マクロ経済学(貯蓄と投資について)

貯蓄が経済活動に与える影響について質問です。 (1)貯蓄の増加は資本の蓄積を促し、経済成長につながる  →マクロ経済において、貯蓄=投資なので…? (2)貯蓄の増加は消費を減退させ、経済の停滞につながる 上記のように、同じ出発点から違う結論が導かれてしまうのはなぜでしょうか? (1)と(2)ではおかれている前提に差があるのでしょうか? それとも、(1)と(2)は両方が正しく、どちらの効果が大きく影響するかは貯蓄率によって変わってくるので望ましい貯蓄率(=黄金律)は数学的なモデルを使って計算することによって求めるしかない、ということなのでしょうか? 質問が複数になってしまい、分かりずらいかもしれませんが、一部分だけでも良いのでよろしくお願いします!

みんなの回答

回答No.1

まず国民所得のモデルを考えましょう。ここでは単純にY=α(Y-T)+I+Gとします。Yは国民所得、Tは租税、Iは投資、Gは政府支出です。またαは限界消費性向を意味し、つまり限界貯蓄性向は1-αです。税引き後の所得のうちα分だけ消費に回し、1-α分だけ貯蓄に回すということになります。 貯蓄と投資が一致するのは事実です。 正確にはこのモデルの場合貯蓄SはS=I+(G-T)、要するに投資+財政赤字分ということになります。 つまり貯蓄の増加は投資の増加となり、必ず国民所得を増加させ経済は活性化します。 またこのモデルを書き換えると、Y=(1/1-α)×(I+G+αT)となります。 この式から、限界貯蓄性向の増加は右辺の分母を増加させるので必ず国民所得は減少し、この点で貯蓄は経済を停滞させると言えます。 一見矛盾するように見えますが、実はこの2つは矛盾しません。 なぜなら限界貯蓄性向の増加は所得に対する貯蓄率を意味しますが、この場合所得自体が減少するので、実際には貯蓄「額」は変化しないのです。よって投資額も変化しないので国民所得を押し上げる効果はありません。消費が減少するだけです。 これを「貯蓄のパラドックス」と言います。合成の誤謬というやつですね。 だから「今まで所得の10%を貯蓄に回していたけど、これからは所得の50%を貯蓄に回すことにしよう」といった「貯蓄の増加」は実際には貯蓄を増加させないため経済を停滞させます。 逆に限界貯蓄性向を変えないような貯蓄の増加(たとえば所得自体が大きくなるなど)は投資を増加させるので国民所得が増加し経済を活性化します。